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手編み用と織物用糸の違い(英国の場合)

 
 
 編物は出来上がってから風合いやサイズが変っては困るので、完成されている糸といえるのに対し、織は織ってから洗って風合いを変えて布にするために、未完成の糸であると言えるでしょう。

 編物は体に添い、脱いだ時には元の形に戻るために伸縮性があることが大切です。従って編物用の糸は通常2本以上の糸が甘く撚り合わされ、それによって糸自体に伸縮性がもたらされます。毛羽立ちも少なく編目はくっきり見えることが大事でしょう。

 織物用の糸は伸縮性が少なく堅く撚りの強い糸で、織られた後洗うことで縦糸と横糸が絡み合い、布は縮んで厚くなります。織り目も毛羽立ってぼやけてきます。英国で織物用の糸とは油がついた糸を指すと言っても良いでしょう。糸の違いは撚りの違い、編物用は甘撚り、織物用は強い撚りとも言えるでしょう。

 
 
情報提供:ロンドン在住 Nancy Lee Child
             (Handweavers Studio)
 
 

 日本の毛糸屋さんに行って注意して見てみたら、市販されている糸の多くが甘撚りの梳毛糸で編物用糸の条件を満たしているようでした。
 もちろん最近多くなってきたファンシーヤーンなど例外もたくさんあるでしょう。

 ちなみに英国で純毛の手編み糸は殆ど見かけません。小さな町のクラフトフェアーで見かける、おばあちゃんたちがせっせと編んだ作品の数々は、化繊が多く混ざった糸を使っています。お店にも化繊の糸が並んでいます。その方が後の手入れが簡単だからだとか。