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油がついた糸

 織物工場(Mill)で生産される布は油がついた糸で織られています。

 脱脂され染色された原毛に5〜10%の油(水と植物油のブレンドなど)を吹き付けますが、それはカード機を通るときのダメージを防ぎ、織る工程でも毛羽立ちを防ぎ、弾力性を増す大切な役割をしています。

 織りあがってからその油を洗い落とし、毛先を広げてお互いからませて縮絨されるので、切ってもほつれない布になります。

 工場で生産される機械編の糸については、織と同様油がついた状態で編み、その後洗われるそうなので、先に触れた手編み用の糸とは違います。

 糸染めのために一度は油を落としても、機械編み機にかける前に糸を保護するためのワックスなどをつけてから機械にかけるということもあるそうです。

 英国では、織物工場で残り少なくなって工場生産に使えない残糸、特に紡毛糸が手織りに使われるのが一般的です。ウーステッドは繊維を梳き細く強い糸を紡げることで、光沢があり薄地の強い布を織るために用いられる事から、手に入るウーステッドは細く、手間がかかり仕上げも難しい事から、手織りにはあまり使われないそうです。通常ウーステッドの糸の油は紡毛糸より少なく約5%です。

この欄の情報提供:スコットランドDavid Gurney, Ken Clark
そしてシェットランド島のJamisons

 紡績工場で作られる工程については、スピナッツ*54号の特集に詳しく掲載されているので、そちらをご覧下さい。
 
*スピナッツ(旧スピンハウスポンタ)から発行されている手紡ぎの情報誌