単糸で織るときの注意点

手織りのためのスコットランドチェックの本が販売されて2か月ほど
最近になって、問い合わせや糸のご注文を頂くことが多くなりました

今日、ラムウールの単糸で織り始めたけれど、
経糸が次々切れるということでお問い合わせを頂きました

単糸で織る時は少し注意が必要です
この糸は工業用に作られている糸ですから、簡単に切れる物ではないのですが
細くても切れない梳毛糸の糸とはちょっと違います

この糸は紡毛糸です
紡毛糸は比較的短いちぢれの多いタイプの羊毛を混ぜた状態で撚りをかけて糸にします

それに対し、梳毛糸は長く縮れの少ない羊毛を平行に並べて撚りをかけた糸です
繊維が長いので、切れにくく細い糸になります

タリフで扱っている3種類の糸は全て紡毛糸 織って縮絨する糸です
ラムウールの単糸、それを2本合わせた双糸(これがメイン)
それにツイード用単糸の3種類です

同じ単糸でもツイード用の糸は服地用ですから、そこそこ撚りもしっかりかかっています

ラムウールの単糸は言わば双糸のための単糸というところでしょうか
服地用というより、工場ではラムウールのマフラーやストールの生産に使用されています

単糸は少し伸びると、撚りが甘撚りになり切れやすくなります
そこへ経糸のテンションを上げるとすぐ切れてしまいます

なので、整経や機掛けの時になるべく糸を絡ませないように、撚りを取らないように
糸を触りすぎないようにする必要があります
絡んだ糸を何度も櫛掛けすると、その度に糸の撚りは取れて益々甘撚りになり、
切れる原因を作ってしまいます
1本はすぐ切れるのですが、束にすると強いので
糸が絡んだような時は束を持ってさばいてください
テンションをかけた状態で作業をすると良いと思います

タリフオリジナル冊子『千鳥格子のマフラーを織りましょう』で
このやり方の機掛けを丁寧に解説しています

タリフの教室では、双糸で基本を覚えたあと、細い糸は
まずカシミヤ(2/26)で細い糸に慣れ、
必要ならツイード用の糸でバック用の生地でも織って
それからラムウールの単糸を扱います
勿論、最初からトラブルなく織れる方もいらっしゃいます

切れてしまった時は別の糸を足しますが、
長めに用意して、綜絖から離れたところで、ほどけるように結びます
前にぴっぱてきた糸は少し撚り増しをして針で留めます

結び目が綜絖に近くなってきたら、元々の経糸が織っているところへ針で留められる長さになるまで
何度かずらして結びなおします
こうやって結び目を綜絖や筬でこすって再度切れてしまうことを避けます

経糸の張り具合も木綿やリネン、また絹を織られるようにピンピンに張らないでください
でもゆるすぎても絡みにつながりますから、ほどほど織り易いテンションを加減してください

と、今日はこんな内容の事をお知らせしました
その糸に合った扱い方をしてあげれば、大変ではありません

沢山切れるととても悲しくなりますね
大変でも糸始末をして洗うとわからなくなりますから、是非諦めずに仕上げて下さい~

以前の記事も合わせて参考になさってください

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