毎週金曜の午後は障害者福祉センターの身体障害の方々に手織りの指導に行っています
中途障害の方が多く、夫々に好きなものを織られるのですが、やっぱり私の得意分野が良い結果が出るため、ウールのマフラーが多いですね
そんな中、今年度は、介護保険の関係の年齢制限のためにあと1年だけという男性がふたりいらっしゃいます。
お一人は、随分前からしていらして、マフラー専門。 お孫さんまでご家族はもちろんの事、奥様の友だちからも注文が来るのを、織っていきます。 家に持って帰って、ご家族に欲しいといわれるのは、とても嬉しいものですね
もうお一人は、始めるのは遅かったのですが、始める前に随分長い間何度も見学に見えていました。他の人から、散々進められても、なかなか始めなかった彼ですが、1度始めたら、何事もきちっとしたい性格なのでしょう、ご自分でデザインを考えてこられます
この方が、4月に始めた赤と緑の杉綾のマフラーを昨日仕上げられ、最後に洗いました
持ってきた色の希望を書いた紙には、全体えんじ、模様は緑とかいてあります
だから、織用の濃い赤を縦糸にして、横は緑のモヘアとループなどの組み合わせで織っている間中、緑が多いことが気になっておられました。
毎回、眺めてはどうしたものか考え込んでいらっしゃいました
『洗うと、赤の糸は膨らんでもっと沢山出てくるから』とお話しても、納得できない様子
でも、詰めすぎないようにという私の注意を良く守って、最後まで織られました
先週織り終わり、織機からはずしたのですが、今週房の始末をするためにひろげたら、
なんだか前より赤が出てきている!と何回もお話されました
『織っている時は、縦糸引っ張って細くなっているから、戻って太くなってきたね』と説明すると大きくうなずいて『納得!』
それを熱めのお湯に浸けてみたら、また変った!
話したとおり、縦の赤い糸が膨らんで、モヘアで膨らんでいた緑が落ち着き
はっきりしていなかった赤の杉綾の線がはっきり出てきて、まるでマジックです
その結果にとても満足のご様子。
何度も干してあるマフラーの前に座って、眺めている彼の様子はとてもほほえましい姿でした
うまくいくときばかりではありませんが、許されて続けさせて頂き、ありがたいです
このでの3時間、気になること全て忘れて過ごす、とてもいい時間です
ボランティアさんに恵まれ、リッタの生演奏つきの手織り講座、
ゆったりした時間を過ごしています