随分長くかかりましたが、今日服地が織り終わりました。
糸はラムウール単糸
経糸1124本、織り幅93.8cm、経糸密度12/cm、整経長7.5m
経糸を作り始めたのが8月始めだったので、3ヵ月半もかかってしまいました。
なかなか自分の織りの時間が取れませんでした。
4段か8段織っては段数定規を当てて、打ち込み具合をチェックします。段数定規はチェックデザイン通り、色と密度を元に作ります。
今回は、色によって若干太め、細めがあるために
糸によって若干打ち込みの強さを変える必要がありました。
でも、洋服になってチェックが合って欲しいので、気が抜けません‼️
経糸の最後は25cmまで織りました。
残りが短くなってくると、同じ打ち込みでは織れないのですが
洗う時やプレスなど、始めと終わりは同じにできないこともあるので
この部分があると安心です。
最近、工業用の糸で手織りの服地を織る意味を再度考えることがありました。
まず思い浮かべるのは、
自分の好きな色とデザイン、風合いを織ることができる。
世界に1点だけの服地。
織っていて楽しい❣️
自分のために織るならこれで充分。
でも買ってもらうために織っている私には、それだけでは説得力が足りない。
この答えを出すには機械でどう織っているかを知る必要がありますね。
産業革命後、1900年代に活躍したドブグロスという織機は
1分間に100段織れるそうです。
その後もっと効率良く織れる織機が発明されて、1分間に400段織れるとか。
1分間に400段も織る、ということはそのスピードで経糸を上下させる、
それには経糸をかなり引っ張る必要がありますね。
経糸がまっすぐで緯糸が曲がる??
それに比べて、手織りはゆっくりなので
経糸をしっかり張っても、機械程ではない。
緯糸もゆったり入る。
経糸も緯糸も曲がって布になります。
着物も、機械織りより手織りが良いと言われるのと同じですね。
タリフで販売している「チェビオット」という糸は
機械織り用のツイードの糸で撚りがしっかりかかっています。
密度 10/cm 綾織りで手織りならではのしなやかなツイードになります。
「ラムウール」双糸は工業ニット用
私は単糸で服地を織りますが、この糸は撚りが甘く機械では織れないし
切れやすいので、慣れない方にはお勧めできません。
糸を選べば、良い服地が織れます‼️
糸のこと、もっと知りましょう〜
服地
織った布で
夏休みの終わりに、縫い物をしました。
今頃になってやっとそれにボタンホールとボタン付けをして仕上げました。
気温が下がってウールの季節になったからでしょうか?
茶色のチェックは40年くらい前にスコットランドで織った布
オーソドックスなチェックだけど、仕立てたら可愛い!
グレーのストラップは、ラムウールとモヘア
箱に入ったクレヨンみたいで、お気に入り
とっても軽くてカーディガンのように着られるジャケット
緑とチェックのベストは、ラムウールとモヘア
焦げ茶のベストは経糸緯糸とも紡いだ糸
経糸は焦げ茶の無地
緯糸は白や焦げ茶が混ざったジャコブをそのまま紡いだ凸凹の糸
経糸も緯糸も比較的甘撚りで柔らかい布
今は見本だけど、誰に着てもらえるかなぁ〜と思っています。
焦げ茶の手紡ぎはすでに教室で大人気
手織りの服地は色々ありますが、私はきちんと仕立てられる布が好きです❣️
ベストとバッグのお仕立て
タリフのベスト用生地キットで布を織ってくださったお客さまから
お仕立てのオーダーをいただきました。
定番の形で、サイズ確認のため別布で縫った見本をお送りしました。
定番の形で、サイズ確認のため別布で縫った見本をお送りしてサイズ確認。
若干チェックの不揃いはありましたが、許容範囲❗️
脇線を後ろにずらして、背中心の剥ぎがない着丈の3倍の用尺でベストができて
まとまった布が残りました。
ベストは私が、残った布でバッグを娘が縫いました。
気に入っていただけて良かったです。
右下はこのベストシリーズの元になった母が縫ってくれたベスト。
子育ての中断から初めて紡いだ糸で織った布。
用尺が足りず肩に革を使っておしゃれ❣️
ちょっと寒い時に、エプロンの上からすぐ着られるし、暑くなれば脱げるし
今の時期、とても重宝します。
マフラーはもう要らないという方、ベスト生地を織ってみませんか?
詳細はwebshopの「ベスト用生地キット」をご覧ください。
このキットはラムウールではなく、もう少し太い腰がある羊毛の糸です。
型紙の販売のページにお仕立てについても書いてあります。
手織りの原点に戻る
随分久しぶりの投稿になってしまいました
新年のご挨拶には随分遅いですが
今年もどうぞ手織工房タリフの応援よろしくお願いいたします
知らない内に小さな不具合がいくつも溜まり、気がつけば息が苦しい‼️
というわけで、年末年始に少し長いお休みをいただきました
3年に及ぶコロナ禍の暮らしは、普段は意識していない大事な機能に影響を残していますね
実生活にはほぼ影響が無く、コロナ感染も無かった私たちでも、それは同じこと
手を動かしつつ、そんな自分と向き合う時間でした
皆さんはいかがでしょう?
心の良い呼吸を取り戻すに仕切り直しをして、自分の原点を再確認しました
私の手織りの原点は、切ってもバラバラにならないウールの服地❣️
学生時代に少し触れた手織りではこんな物か、、、程度
その後英国に語学留学中に参加した、クラフトサマースクールの手織りで出会ったツイードの糸
先生に言われるままに、20分石鹸液で揉み洗いした布を見た時の感激が、私の原動力
揉み洗い(縮絨)でもフェルト化する糸は紡毛糸
でも当時は糸のことを教えてくれる人が居なくて、自分で色々試しました
それが解って、話が通じる友人たちと出会うまで30年近くかかりました
私と同じことを考えている人が絶対に居る!と、考えて
毛糸をスコットランドから輸入して販売することまで始めました
少しずつこの糸の良い結果が広まって、魅了された方が増えています
糸についての詳細はこちらをご覧下さい
「マフラーはもう要らない」という人に試して欲しいと
ベストの布が織れるキットも作りました
ベストはウェブショップで販売しています
皆さんが皆さんらしく居られるために
私は、遠回りをしたり、道草を摘んだりしながらでも、私らしく生きたいと思います
6/cmの筬で11/cmの綾織りができるかの検証をしてみました
タリフで販売しているラムウールの単糸を使って服地を織る時は
インチの筬を使って28/インチで綾織りにしています
cm換算すると11/cmになります
遠方の生徒さんが単糸で服地を織りたいという希望を聞いて筬を考えました
わざわざ11/cmの筬を注文するのか⁇
使わなければこんな中途半端なものは勿体ない
ということで、6/cmの筬を使って、11/cmが可能かの検証をしてみました
6/cmの筬の6羽目を2本ではなく1本にします
こうすれば1cmに11本になります
筬通しが間違いやすくなるので、ちょっと手間ですが
結果はOKです
透かして見ると織りあがった時は、隙間の空き方が均一ではありません
でも洗ったら、均一になっています
平織りにはお勧めしませんが、綾織りなら大丈夫です
今回使ったのはアッシュフォードのテーブルルーム
本体が軽いため強い打ち込みが入り難いのですが
そう思って力づくでいれたら
幅が狭かったこともあって打ち込みが入り過ぎました
打ち込みを気にぜずに織っていたらだんだん緩くなり
また11段/cmを気をつけました
柄が違って見えますね
初めてこの糸で12/cmで幅広を服地タイプに織った時に
1m織った辺りから経糸が切れ始めたために
ずっと11/cmで織ってきたのですが、今回織りながら
今の私なら12/cmでも織れるような気がします
近いうちに試してみたい〜
42年ぶりの嬉しい再会❣️
教室に通われているHKさんは、学生時代の後輩でもあり、
お姑さんの八重子さんは母の古い友人だったという不思議な縁
今は施設で暮らす八重子さんに頼まれたと持ってこられたのは
私が手織りを始めた頃に織った服地で仕立ててくださったスーツです❣️
1番古いノートを見たら1978年8月の日付けで注文を受けたような一文がありました
その2年後くらいでしょうか、今の工房(当時は自宅のリビング)で開いた作品展に、このスーツで来てくださった記憶があります
そんなスーツが新品同様のきれいな状態で戻ってきました
教室に居合わせた方が着てみてくださいました
サイズがピッタリ!
お似合いだし注文のお仕立てのようです
使ったのは、語学留学中に参加した手織り講習会で初めて出会った洗ってフェルト化する糸
残り少ないお金で買って持ち帰ったネップ入りの糸で平織りです
(当時は海外送金が制限され、カード払いなんてありませんでした)
そんなつたない作品を並べての作品展
今のように手織り作家さんも多くはなく、未だ物が多くは無かった時代
自宅での作品展というこれも当時珍しかったのでしょう
父や母の友人たちがたくさん来てくだいました
買っていただいたお金で次の糸が買えたという記憶もあります
私の手織りの原点を思い出しました
八重子さん大切に着てくださってありがとう😊
届けてくださったHKさんありがとう😊
*8月教室は夏休みをいただきます。
ウェブショップは短期夏休みはいただきますが、その他は営業いたします。
手織りの服地のお仕立て
今月末のお仕立てオーダー会
タリフの手織り服地とお値段についてお知らせします
手織工房タリフで服地を織るのは、スコットランドから輸入している糸です
これは工業用、ツイード生地を機械で織るために作られた糸で
織ってから、仕上げの洗いとプレスする事でしっかりした布になる糸です
それを手織りにする事で、機械織りよりも経糸と緯糸が良いバランスの布になります
(機械織りの場合は高速に対応するために経糸のテンションが高めです)
加えて、近年布地屋さんでしっかり織られたウールの服地を見つけられなくなりました
手織りだからと、扱い難いとか、形崩れしやすいとか、ということはありません
1着分ずつ織るので、オリジナルデザインです
大きなチェックも柄合わせバッチリ❣️
その布でしっかり柄合わせをして仕立ててくださるchikunuiさんの技術も凄いです
長く着られるオリジナルの1着はいかがですか?
服地は必要量でお切りできる物と1着分でしかお売りできない物があり
使う布によってお値段が変わります
お仕立て上がりの目安のお値段です
*モヘアのマントやコート 9万円〜
*ツイードのコート 8万円〜
*ツイードのジャケット 68000円〜
*ベスト 3万円〜
オーダーしなくても、先ずは布を見て相談というのも歓迎です
予約制 数人の空きがあります。
ご連絡、お問合せはタリフのHP、ウェブショップ、インスタなどからお願いいたします
またこの機会に手織りの作品や工房をご覧になりたい方もお越しください
見学ご希望の場合もお知らせいただけると助かります
chikunuiさんのインスタグラム
https://instagram.com/chikunui?igshid=YmMyMTA2M2Y=
以前のブログ記事もご覧ください
秋冬物お仕立てオーダー会
大きなチェックの赤いコートの仕立てをお願いしたのが縁で
その後もお客さまに私のツイードをお勧めいただいたり
タリフの生徒さん方の仕立てをしてくださっているchikunuiさん
https://instagram.com/chikunui/
初めてお会いしてから15ヶ月
でもずっと前からお友だちだったような気がします
これまでに手織りの布で仕立てて下さったのは14着
右端の4点は生徒さんが織ってお願いした物です
写真はchikunuiさんのインスタから使わせていただきました

赤いコートが2着あるのは、仕立てをお願いした時に偶然ご覧になったお客さまから
ご注文いただき、その方のサイズに合わせてチェックを配置して織りました
コートのデザインが少し違います
私の手織りの服地でお気に入りの1着を作ってみませんか?

お仕立てオーダー会
6月24日金曜日と26日日曜日 10時〜16時
午前中2人、午後2人 予約制
ご希望の時間をご予約ください
ご連絡、お問合せはタリフのHP、ウェブショップ、インスタなどからお願いいたします
またこの機会に手織りの作品や工房をご覧になりたい方もお越しください
人数が多くなり過ぎないようにするためにご連絡ください
タータン登録
1年半ほど前にタータン登録された証書が届きました
正式にはスコットランドのTartan Registerで認められて初めてタータンと呼べるので
日本でそれらしきチェックを全てタータンチェックと呼ぶのとはちょっと違います
それでも、デジタルの色を選んでデザインしての申請はどこまで違いが出せる?など
デザインが登録商標のように思うと曖昧な感じはしますが
1番大事な意味は、タータンの持つスピリットではないでしょうか
実際に織った布を提供して、それが永久保存されます
母娘並んで織りました
コロナ感染拡大で2月は教室をお休みにしました
その間に、先延ばしにしていたことをいろいろと進めています
その一つが服地
私の織り機が空いたので、娘が経糸をかけ
初めて母娘で並んで織り機に向かいました
私はモヘアとラムウール引き揃えの服地
娘は随分前から原毛を染めて紡いで準備していたホームスパン
時々清野工房にお邪魔して教えていただきました
私が織るものとは一味違う服地になるでしょう❣️
私は織り終えて次の経糸を作りました
教室用のブランケットです
115cm幅、12m (6枚分)
ブランケット用の太めの糸を全部出して、デザインを考えました
今回は幅いっぱいに赤→黄→緑→青→紫→ピンクのグラデーション
4束に分けました
一つずつ織ってもきれいですね
経糸を作る時の条件は
*明るい色と暗い色は使わない
*隣にはきれいに見える色を使う
*1色を続けて4本以上にしない
規則性が大好きな私には、思いつくまま、、、は楽しめないのですが
このみんなで織るブランケットの経糸は、だいぶ慣れました
緯糸に明るい色か暗い色を使うと
同じ経糸でも違う雰囲気のブランケットになります
明日織り機にかけます!
コロナ感染者はまだまだ減りませんが
教室の方々の3回目ワクチン接種が進んできたので
3月5日から教室を再開します
久しぶりに皆さんにお会いできるので、とっても楽しみです❣️
世界中で難しい問題が次々に起こって心が痛みます
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