機械でつくる梳毛糸 1

手紡ぎをする方なら一度は手にしたことがあるトップと呼ばれる羊毛は
梳毛糸を作るために作られたものであるとご存知でしたか?

羊の毛は細くて長いものや、縮れて短いものなど
体の部位によっても状態は違います
メリノのように細くて長い毛質は梳毛糸向きです

刈り取った羊毛はきれいに洗ってトップになって日本にやってきます
洗うための薬品が日本の環境基準に合わず、日本に工場はできないとか
圧縮されて硬い塊になって入荷されます
「止めてある針金を切ると、膨らむんですよ~」という説明に思い出すのは
スピニングパーティーの時、ひつじまるごと研究所の羊毛が
酒井さんの手で小さく圧縮されて届き、あっという間に膨らんだ様子です

トップから丁寧に糸を引き出そうとしても、どうしても節ができてしまいます
羊毛の繊維が平行に並び篠状になったものをどのように均一な細い糸にできるのでしょう?

その答えがこちら
7本のトップを合わせて機械に通します
その時、送りだす方のスピードを8、引き出す方のスピードが10だとすると
そこで少し伸ばされて細くなります
7本をあわせることで少々バラつきが残っているトップがより均一化されます
7本が細くなって1本になったものをまた合わせて、機械を通して少し細くします
この工程を何度も、何度も、欲しい細さになるまで繰り返します
なので、工場内は同じことをしている機械がたくさんあります
撚りがかかっていない糸は容器の上にそっと円を作りながら重ねられていきます
底にバネが入っていて残り少なくなると上に上がってきて
いつも同じ状態で糸を供給しています
この写真はずいぶん細くなりましたね
最終段階までの間に、元のトップにすると1500本が合わされたことになるそうです
だから、節のないきれいな糸になるんですね
続きは次回に

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