2010年 7月 の投稿一覧

涼風に一息ついて

雨が降り、連日の猛暑が途切れてほっと一息つきましたね
多すぎる雨が降っている所もあり、お気の毒に思います
お見舞い申します~

生活を言葉にするというのは思いのほかエネルギーがいることで
ブログを書けずにいましたが、工房での活動はこれまで通り続けていました
定期的に講習を受けに見える方々のほかにも、
これから始めたいという方が来て下さったり、毎日、忙しくしていました

織機の台数に限りがあり、単発講習は可能ですが
現在月ぎめでの講習枠は空きがありません

エネルギーを補充するために、夜の時間に編み物をしたりしていました
家の中は片付けを待っている物が沢山 !!!
物の片付けと心の整理はつながっていると思うので
少しずつ始めます~

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小休止中です

毎日のぞきに来てくださる方々ありがとうございます

少しずつ旅の疲れが出たのか、暑さについて行かれないのか・・・
生活の中でもいろいろ続き、スコットランド旅行の報告が頓挫しています

工房で手織り講習をしながら、また年齢を重ねた母と話しながら
時に壁にぶち当たった娘と話しながら、
気がつけば自分の心と向き合うことに・・・

旅行報告再開に向けて充電中です
もう少しお待ちくださいね

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Turriffへ

シェットランドからアバディーン空港へ戻り
ホテルに預けたスーツケースを引き取り、レンタカーとタクシーでタリフに向かいました

手織工房の名前 タリフがスコットランドの街の名前というのはご存知でしょうか?
スコットランドの北東部、アバディーン州にある街で、私の第2の故郷です

アバディーンの市街地の北西に位置する空港から、さらに北西約50kmにあるタリフの街
『あ~また戻ってこられた・・・』と心の中でささやき、景色を楽しみました

タリフの街から5kg離れた所にある農場Ardmiddle Mainsに着きました
2001年から2005年まで、スコットランド手織りコースをしていたところです
その時と同じコテージに4泊します

今回の旅行では、家庭料理を頂く機会がないので、料理上手の奥さん、ケイトに
この日の夕食をお願いしてありました
ブルースとケイト夫妻、それに私の織りの先生デイビット夫妻も同席してくれて
家庭のもてなしを体験してもらう事が出来ました


         前菜

         メインコースはローストビーフとヨークシャープディング

         お食後はとっても甘いタルトとスコッチトライフル

とても美味しい食事を存分に楽しませて頂きました~
料理の味はもちろん、暖かいもてなしがとても嬉しい

このご夫婦は、お客さんのおもてなしが好きで、とても上手です
ブルースは8月始めに開催されるスコットランドで2番目に大きな農業際Turriff Showの事務局長、ほとんどボランティアに近いこの仕事を地域のために2人で一生懸命準備を進めています
このために忙しいのに、その様子を感じさせること無く、細やかにお客さんに気を配り
その場が楽しくなるような心遣いがとっても暖かいです
タリフの地域のリーダー的存在の彼らは、きちんとその役割も果たしてます

1年ぶりに会うデイビットは、ちょっと年取ったという印象
彼のデザインで織ったサンプルを持参して見てもらいました

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シェットランド最終日

2日半のシェトランドの滞在、お昼過ぎの飛行機に乗るために
ラーウィックから南端に有る飛行場に行く途中
カニンバラにあるShetland Desingerのウィルマさんを尋ねました

前日の博物館で『ウィルマさんはとても色使いが上手』と教えてくれたとおり
沢山ある作品はどれも模様の組み合わせ、色の組み合わせがとてもきれい

シェットランド博物館のユニホームになっているベストもウィルマさんのデザイン
館内の標識などの色とのコーディネートされていました


この工房では家庭用の機械編み機を使って作品を作っています
パターンを選びサイズを指定して、作ってもらう事もできますよ~
私のサイズが無く、このデザインのセーターを注文してきました

夏の終わり頃届くでしょうか・・・楽しみです

快く写真を撮らせてくださったウィルマさんのご好意に感謝
ここで、紹介させて頂きますが、画像の扱いは良心的にお願いいたします壁にサンプル編みが沢山飾ってありましたが、その中でとても興味を引く物がありました

前日Shetland Textile Working Museumで昔の手仕事を見ていた時に、受付をしていたラウラさんが『フェアアイルのニットはスペインの影響を受けている』と教えてくれて、意外性を感じていました。ちゃんと資料を読んでいれば、知っていたはずなのに・・・

そしてウィルマさんがその事をもう少し詳しく話してくれました。
『スペインの船が難破した時にシェットランドの人々がスペイン人を助け、スペイン人の持ち物の中にこのような模様があり、それに影響を受けてこのような編みこみをするようになった』なので最初の頃のデザインは、この写真の中央にあるもの、Armedaと呼ばれているそうです。というのが私が理解した事ですが、これは帰ってきてから世界の編み物の本を読み直してみたら、スペインの影響について触れてありました。しかし、これも一つの説として伝えられている事だそうです。

これにはもう一つ追加の情報がありました
ロンドンから帰国する前日に訪ねた30年来の友人、Susanにこの写真を見せて説明したら、すぐ『スペインのタイルの柄にこういうのがある。スペインの船というのはエリザベス1世がスペインの無敵艦隊を撃墜した時、逃げるルートを閉ざされた生き残りのスペイン船が北上して難破した船でしょう。エリザベス女王が岸壁に立って《 I am the King ! 》と言って戦った』と教えてくれました。彼女はスペイン語を勉強して若い時に英語教師としてチリに2年滞在、スペインも旅行で訪れたことがある。読書が好きで、いろいろな事を良く知っている。 意せずして私の中でつながったことがなんだか不思議でした。

最近とてもフェアーアイルが流行ってきていますが、輪針で円に編み前開きや袖繰りを切り離して編むやり方が、長い間シェットランドから門外不出で守られていた事をご存知でしょうか?
私が始めてスコットランドに行った30年くらい前にも、シェットランドの編み物の本を買ったのですが、それには、このテクニックについて何も書いてありません。長い間フェアーアイルニットはシェットランドの人々の生活を支える手仕事、そのテクニックを島内に留めるために、他の人に知らせることはしなかった。その後北海油田が開発され人々の暮らしが変わって手仕事で生活を支える必要が無くなり、衰退していった経緯を経て、今また手仕事が戻ってきているそうです。その変化の中で、シェットランドで学んだ日本のニッターさんが、広め始めたと聞いています。現在ではそれが効果をあげ、日本向けの輸出が増えているので、良かったですね。私は2001年に上田文子さんにこの話しを聞きました。

Tさんがしていた手織り講習で織ったマフラーを
色がとても良いとウィルマさんがとても誉めてくださいました


さてシェットランドの美しい景色と羊の写真で、シェットランド報告を終わりにして
スコットランド本土へ話しを移しましょう

        これはテクセルかしら?

        

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シェットランド2日目 午後も博物館へ

シェットランド2日目の午後、二つ目の博物館に行きました
ラーウィックの町外れにぽつんと立つ小さな建物の中です

Shetland Textile Working Museum
夏の間ずっと開催されているようです
古い手仕事の作品が沢山展示されていて、厳しい暮らしの中で人々がこつこつと働き
手を動かして作り上げたその情景が伝わってくるような展示でした

NEW from OLDという副題が付いたここの展示左側がOld右側が再現された最近の作品

どのくらいの年代のものなのか、書き留めなかったのでわかりません

でも、左の手紡ぎ手編みのレースを完成させるまで3年、右の最近のものは3ヶ月
どうしてこれほど違うかというと、左のレースを作った人は5人子供がいたかも知れず
家事に時間をとられ、加えて冬は充分な照明も無く手仕事をする時間が短い
それに比べ近代の暮らしは随分楽になっているというのでしょう

前日Jamison & Smithで単色の色が多くなってきて残念だと言ってしまったのですが
実は元々は単色が多かった事を発見しました
本当の事を知らずに言うべきではありませんでした
でも、色が混ざっていたほうが他の色とのブレンドが良いということが有り
複数色混ざっている毛糸がスコットランド製、特にシェットランドタイプの特徴と言われています

どんな人達が、誰のために編んだのでしょう・・・

私たちが手仕事を楽しむ仲間だと知って、いろいろな事を話してくれた博物館の人
その人も受付で空いている時間を使ってソックスを編んでいました
彼女が見せてくれた持ち運びに便利は二ディーノディー
半分の所がネジ式になっています

『週末はシェットランドの北の方に出かけて手織りをするの』と、楽しそうに話してくれました

彼女のお勧めは、Shetland Museum

一方通行と工事中で危うく迷子になりそうでした

ここでもテキスタイルを中心にゆっくり楽しみました

私の興味はやっぱりツイードが一番
ナチュラル色の暖かそうな布だったでしょうね
私は年代を書き留める事もせず、何を見てきたのでしょう・・・
なんだか見つけられた事でうれしくなってそのあたりの事が抜けてしまうのですね 
困ったものです

私たちがテキスタイルのブースを行ったりきたり
みんなで話しているのを博物館の方が興味深く見ていたようです
仲間の1人は自分で編んだフェアアイルのカーディガンを着ています
閉館時間近くなってショップを覗いていた私たちに1人が声をかけてくれました

『日本にも紡ぎやニットですばらしい人がいるのよ。是非会ってご覧なさい』
『もしかしてFUMIKO UEDAでは? 友人です! 彼女のクラスで習っている人も・・・』
『彼女、シェットランドで有名よ。私たちの手仕事をとても刺激してくれています』
2005年に開催した私のスコットランドチェック展に参加してくれた上田文子さん
シェットランドのコンテストで1位を取ったこともある人です

その後、是非この人を訪ねなさいと
Shetland Designerのウィルマさんを紹介してくださり
次の日の午前中に訪ねたいと計画していると話すと、
わざわざ電話で確認までしてくださいました

手仕事が繋げてくれる人とのつながりに不思議を感じます

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