織り機

教室がお休みの工房


教室が無ければ自分の時間‼️と思いきや
普段やり残している用事が色々。
在庫が無くなっていた編み込み帽子キットの糸巻き作業をしました。
色々な色を周りの並べて、これも結構楽しい❣️

少量ずつなので、1色玉巻機のハンドルの70回巻き。
重さだと長さの差が出るためです。

糸巻きの向こうでは、教室の生徒さんの元へお嫁入りが決まった織り機のメンテナンス中。
自分たちの手を離れる機を良い状態で、という機の調整担当者のこだわりです。
担当者と言っても、彼は販売担当、経理、在庫管理などを兼務。
でも、多分こんな作業が一番好きかも。

用事が山積な時ほど「一仕事、一片付け」
使った物を元の場所に戻す努力が要りますね。

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中古織り機の調整しました

同じ町内の方から、織り機を引き取って欲しいと連絡が入ったのは4月
ちょうどこのタイプの織り機を待っていた生徒さんが目の前で聞いていらっしゃいました。

東京手織り機、天秤式、2段招木、8枚綜絖、織り幅90cm
形からすると古いようですが、とてもきれいです。
タリフで天秤式織り機の調整は昨年に続き2回目
8枚綜絖は初めてでした

一度全部の紐を外して、長さを揃えてきったシステムコードで8枚綜絖とタイアップをしました。
説明書通りに綜絖、招木、ペダルが平行になるように調整。
ここまでははパーフェクト‼️
綜絖が動かないように差し込んである棒を抜いても、バランスは崩れません❣️
8枚綜絖10本ペダル、1本のペダルに上下の招木をつなぐのでタイアップは80カ所。

試し用の経糸をセットしてペダルを踏んでみると、、、
開きが少ない、上下の招木が先の方で交差して動きづらい、、、
織り機は色々触ってきている私たちも、これから使われる生徒さんも、頭を抱えてしまいました。
今回は教室が休みの間という限られた時間で済ませる必要があるので、
4枚綜絖、8本ペダルのユニバーサルタイアップに変更しました。

ユニバーサルタイアップは私が1975年に手に入れた洋書に出ていました。
4枚綜絖で8本のペダルにつなぐ方法で、そのままタイアップを変えることなく14通りの開きができます。

*平織り        2通り
*2/2綾織り     4通り
*1枚の綜絖を下げる  4通り
*3枚の綜絖を下げる  4通り

タイアップもスッキリ。
再度経糸をかけ直して、高さと開きの微調整して、生徒さん自身が試し織り❣️

日本では天秤式の織り機をお使いの方も多くはないからか
このユニバーサルタイアップは知られていないようですね
これはまた改めて‼️

私の留守中に解体して運ばれる予定です。
まずはこの織り機と仲良くなるまでたくさん織りましょう❣️



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中古織り機が動き始めました。

中古の織り機2台を手放したいと知人から聞いたのは1年ほど前。
驚くような巡り合わせで1番欲しがっている方々へ引き取られて、活躍し始めました。

その時、ちょうど教室に通われる生徒さん2人が探していました。
それぞれ本来の希望通りではないけれど、2枚綜絖が4枚になったり、
練習用にとりあえず欲しいという希望に合って
クマクラ織り機のX機と大忠織り機、どちらも60cm幅の2台がタリフにやってきました。


教室で組み立てて1度使ってみてからご自宅へ、、、という日程調整をしている間に
織り仲間の1人から「幅広の洋機を手放したい」との連絡❣️
聞けば「着尺を織れる織り機が欲しい」そうで
迷わずクマクラ織り機と幅広の洋機の物々交換が成立‼️
念願叶って着尺を織ったそうです❣️

交換でやってきた織り機は、初めて見るタイプ⁉️
昨年7月にブログで紹介しています。

後日、娘がお邪魔した北海道に風色さんに同じ織り機があり
中原ハウス工芸株式会社というところで作った物である事が判明しました。
無事、4枚綜絖の幅広の織り機が欲しかった人の元へ引き取られました。

大忠織り機を引き取ることになっていた方は
時を同じく、ツイードの服地が織れる織り機として第1候補だった機の中古に出会い、この1台がタリフに残りました。

後回しになっていましたが、先日思い立ってブログでお知らせ。
先日、この機を千葉県八千代市の方へお届けしました。
聞けば、2年ほど前に隣家からのもらい火で家も織り機も焼失されたとか。
再度組み立てと調整をして、取り次ぎ完了❣️
手織りが辛い想いを少し癒やしてくれると嬉しいですね。

昨日、早速経糸をかけて織ってみたと、お知らせいただきました。
綿糸もしっかりテンションをかけられるし、良い織り機だととても喜んでいただけました。

きっと一番嬉しいのは、再び動き始めた織り機でしょうね❣️❣️❣️
一つ一つの出会いのタイミングに奇跡的な繋がりを感じます。
お手伝いさせていただきありがとうございました。

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中古の織り機お譲りします

<<引き取り手が決まりました>>

中古の織り機を探していた生徒さんが引き取ることになって
タリフへやってきた大忠織り機(現在はメーカーはありません)
その後、その方の希望により近い織り機が見つかったため
次の引き取り手を探しています。

織り幅60cm、綜絖4枚、ロクロ式、筬1本(20/寸)
着物を織るために作られた織り機ではないかと推察します。
タリフで1度組み立てて、少しあった不具合はメンテナンス済み。
畳1枚程度のスペースが必要です。
画像をクリックでPDFが開きます。

取りに来られる方歓迎、1時間内であればお届けできるかもしれません。
ご規模の方はHPやウェブショップからのお問い合わせフォームからご連絡下さい。

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目覚めた織り機

春から長く眠っていた織り機を目覚めさせることが続いています

この長いお話は改めてご紹介したいと思いますが
今日は、いよいよ目覚めた織り機のお話しです

タリフでも初めての北欧風?招木が2セットのとても頑丈な織り機です
綜絖を動かすと上下の招木がぶつかるために動きがスムーズではありません

息子がその調整に挑戦してくれました
試し織りに珍しく織り機に座る息子を見ました
カエルの子はカエル
ほとんど織りの技術を直接教えたことが無いけど、いい手つき❣️
楽しそうでした

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卓上機でヤノフ織り

先日のお問い合わせ
「アッシュフォード卓上機でヤノフ織りをしているけど、
柄が本の物より縦長になってしまう。
打ち込みのコツはありますか?」

ちょうど私も織っているので、ヒントになるでしょうか???
使っているのはタリフの双糸
筬密度は12/インチ(約4.8/cm)に2本ずつ
幅が狭い物は5/cmでもきれいに織れるのですが
幅が広くなると打ち込みが入り難いですね

タリフでは、筬枠の向きを変えて使っています

綜絖のすぐ近くに筬を持ってくることで、経糸の開きを大きく使うことができますし
柔らかく織るような時には打ち込み具合が良く見えるので、打ち込みも安定します
(織り機をたたむ時は入れ替えます)

重い織り機なら簡単に打ち込める密度でも、
この卓上機は本体が軽いので
ヤノフ織りのように経糸の密度が高いと難しい!

あくまで私のやり方ですから、参考にして自分のやりやすい方法を見つけてください❣️

織る位置は綜絖から10cmくらい
狭くなったらこまめに巻き取ります

経糸の張り具合も強め!
経糸の開きは小さくなりますが、板杼が充分通ります

そして、スティックを抜いた後は力づくで打ち込む❣️
経糸を閉じてもう一度!
織り機が動かないように体で押さえます

このところヤノフ織りでお茶帽子用の布を織っています
以前織った布で自宅用を作って、毎朝いいなぁ〜と見ているので
色々織ってみたくなって、、、、
ヤノフの頭になっている間にもう少し織りたい

写真は後ほど

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織り機はどれが良いか?

織り機が欲しいけれど、どれが良いか分からないというご相談が時々あります
手織り機のタイプなど整理してみましょう

大きく分けて、2つのタイプがあります

日本に古くからあるロクロ式
ロクロと呼ばれる長い丸い棒に綜絖枠を吊るした紐が巻きついて
片方の綜絖枠を下げると反対が上に上がって、経糸が開きます
上に太いロクロと下に2本の細めのロクロを組み合わせることで
4枚綜絖が2枚上、2枚下に動きます
組み合わせが1と2、2と3、3と4、1と4、1と3、2と4 のようにいつも2枚単位の開きが得意です
動きが軽く、服地のように長く織る時に好都合です
しかしながら、バランスで開いているので、綜絖を1枚だけ下げるというのは苦手です
なので1対3の開きがある組織織りは織り難いです

海外の織り機に多いのが、べダルを踏んで、又はレバ操作で綜絖枠を上に上げるタイプ
何もしていない時は経糸が全て下にあり、どんな組み合わせでも経糸がきれいに開きます
しかしながら、綜絖枠を持ち上げるのが重いです

厳密に見ると服地はロクロ式の方が理想的
上下に開いた経糸がどちらも同じテンションになるからです

織り機本体が重い?軽い?折り畳める?
織り機のサイズは?幅と奥行き(間丁)は?
筬かまちが上から吊してあるか、下に支点があって前後に動くか
巻き取り部分は本体の内側か外側?右、左? 
ブレーキのシステムは歯車か、ドラム式?
ペダルは何本?タイアップがやり易い?やり難い?

などなどチェックする項目は多々ありますが
要するに
何が織りたいか、置く場所はあるか、予算は?などから選んで
後は工夫して自分仕様にして慣れることではないかと思います

ちなみにタリフの教室は
アッシュフォードのテーブルルーム以外は全て中古の織り機
東京手織り機、アッシュフォードのジャック、レクレ社のコロニアル、ミネルバ
大忠織り機、さおりの4枚綜絖など
生徒さん方には織る物や技量で選んで使っていただいています

織り機入手を考えている方の参考になるでしょうか???

追記です
織り機が欲しい方に、そのことを周りの方々に話すことをお勧めします
手織りに無縁の人でも、「親戚の高齢のおばさんが手織りをしていたな、道具はどうしたんだろう?」なんていう情報が入ってきたりします
私はそういう道筋で織り機を譲り受けられたら嬉しいなぁと思います

工房にある織り機はそうやって私のところへやってきました

ちなみに今生徒さんの1人が4枚綜絖の織り機を探しています
どなたか、もらい手を探している方をご存知ありませんか?





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リジッド織り機のこと②その他

今回本のためにリジッド織り機で織ってみて思ったのは、
綾織りがしたければ、4枚綜絖の織り機をお勧めするということ。

チェックは糸の本数を変えて色の組み合わせを楽しむことですが
それだけでも、工夫すればリジッドでも色々出来ることがわかりました。

本の平織り最後のページP5455で具体的に提案しています。
頻繁に色を変えるグレンチェックの整経を簡単にする方法など。
充分に脳を活性化して、楽しい❣️を得られます
リジッドでは経糸を替えるの面倒だと無地っぽい物ばかり織っている方
是非挑戦してみてください!

組織織りは、限定された条件をどう組み合わせて違う柄を織り出すかということ。
平織りの組み合わせは一つなので変える余地がありませんね。

なので組織織りをしたければ4枚綜絖、もしくは8枚綜絖がお勧めです。
でも、数字が苦手だなぁと思う方は4枚が良いと思います。
4枚綜絖でもできることはたくさんあります❣️

こんなことを書くと、平織りを見下すな‼️とお叱りが届きそうですが
私は綾織りが好き!でも同時に私のように平織りが好き!
という方がいらっしゃると思っています
多分私が知らない平織りの奥深さがあるでしょう。
綾織りをやり切ったら平織りの面白さに気がつくかも、、、

筬の使い回しについてのお問い合わせもありました。
和の織り機の筬が海外の織り機で使えるか?ということでした
筬目の単位(寸、インチ、cm) 高さ、厚さが異なりますが
筬かまちで固定できれば使えます

海外の織り機用は厚みがあり、高さも高いので、かまちの溝が太い
それに対して和の織り機用筬は薄くて高さも低めで溝が細い
太い溝に薄い筬を使いたい時は、細いビニールホースに切り目を入れて挟んで固定します
その場合、上から固定するために充分下がるかもチェックポイントです
厚くて高さがある海外の筬の逆は難しいですね

もう一つ、
白い糸綜絖が汚れるほどの油がついている糸を使った場合
金綜絖や筬はどうやってきれいにする?という質問を受けました

白くて糸だから汚れとして油が残るけど金は錆び止めになっているので
好都合です❣️





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リジッド織り機のこと①

新しくなったチェックの本に「リジッド織り機でチェックを織る」という解説を詳しく出しました。

そのことがあってか、最近リジッド織り機に関するお問い合わせをいただくことが増えています。
なので、リジッド織り機にまつわる私の考えをまとめてみたいと思います。

リジッドへドルとは穴の空いた板状の物が等間隔に固定されている物で
1つで経糸を上下に開くこと、緯糸を打ち込むことの2つの働きをしています。

ちなみに、リジッドにある表記 7.5dpi dent per inch 
洋書で見かけるepi ends per inch  
ends
というのは経糸の本数のことです。
インチ(2.53cm) 何本という意味で7.5 ÷2.53 2.9644
表記はインチが先になっていますが、実際には(30/10cm)で作られていますね

固定されているので、経糸密度は2/cm6/cm
又は最近は自分の好みで組み合わせができるタイプもあるようです。
基本的には固定された板状のへドルの隙間とへドルの穴に
1本ずつ経糸を通して使います。

板状の物に穴があるため、細くするのには限界があり、
従ってあまり細い糸は使い難いということがあります。

先日いただいたお問い合わせ「タリフのラムウール単糸を織る時の密度」ですが、
この糸はリジッド織り機で織るのはお勧めしません。

リジッドの穴に通した糸にそれなりの負荷がかかりますし、
紡毛糸で比較的甘撚りのこの糸が切れやすくなると考えられます。
この糸については次の記事に詳しく書きましょう。

もしも細い糸で織りたければ、単糸ではなく細い双糸を選んでお使いください。
梳毛糸なら甘撚りでも切れ難いと思います。

もう一つのお問い合わせ「2枚のリジッドで綾織り」ですが、こちらもお勧めしません。
色々調べてみましたが、アッシュフォードのサイトで紹介されているのは、ダブルウィーブ
(2重織り)ですね。

よくはわかりませんが、綾織りは結局ピックアップになると思います




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眠りから覚めた織り機

縁あって、中古の織り機が工房にやってきました
使われなくなって、解体されて眠っていたそうです

組み立てて、綜絖や、巻き取り棒などを整えました
作業をしたのは私ではありませんが、、、


織り機は、それぞれ一長一短
これはロクロの2枚綜絖をスプリングで4枚綜絖に変更してあります
綜絖が1枚ずつ単独に動かせるので、ワッフルやレースも織りやすい!
タイアップが簡単に変えられるので、それも良いところ

癖を確かめるために、糸をかけてみました
コンパクトで織りやすい、でも私には少し低いようです
しばらく工房で使ってみてから、次の持ち主に引き取られるでしょう

そう言えば、数年前のスピニングパーティーの時に
タリフオリジナル冊子の中に「上開口」と「下開口」とあるが
「下開口」というのは間違っていると教えて下さった方がありました
確かに、ロクロはペダルを踏むと、それにつながっているところが下がり、反対が上がる両開口!
考え方では下開口ですが、、、
でも、このスプリング式は何もしなければ経糸は上の位置にあるので
ペダルを踏むと下に下がる正真正銘「下開口」です



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