織り

布端をきれいに織るコツ

手織りで皆さんが気になることの一つが布端をきれいに織りたいということですね。
きれいにするためにどうしても緯糸を引っ張り気味になるために
チェックなのに経糸くっ付き縞模様になっていませんか?
2つ前の4月14日の投稿参照
では、どうしたらちょうど良い具合に緯糸を入れられるのか?

織り始めは幅が縮む要素が無いので、ほぼ筬の幅のままですが、
10cmも織ると両端はつぶれていないのに、少し幅が縮んできます。
それは緯糸が経糸の間をうねうね曲がるために出てくる縮みです。
端がつぶれずにきれいに織るために、
ちょうど良い緯糸の緩みが入れられれば良いのですが、
なかなか難しいのが現状ですね。

ちょっとしたテクニックを紹介しましょう。
これは綿糸、120cm幅のテーブルクロスです。


この弛んでいる長さが、緯糸の必要な長さですから、そのまま打ち込みます。
ちょっと手間がかかりますが、布端がきれいです。
織り幅に引っ張って織る伸子という道具もありますが、
使わなくても適度な状態で織れるので、私は使っていません。
ちなみに緯糸が弛み過ぎていると、布に凸凹に出てしまいます。

糸、密度、織り幅など条件によって違うので、良く観察して工夫してみてください。

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モヘアの服地

連休の前半は教室がお休み
進んでいなかった服地を織っています。

今回は経糸ラムウール太めの単糸
緯糸にウール単糸とモヘアの引き揃えです。
太めのモヘアなので管巻きにできず、H型杼が活躍しています。

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織り縮み

この頃手織りをされている方々から「織り縮み」について
質問されることが度々ありました。

糸を布に織ると、機械織りでも、手織りの達人でも
必ず織り縮みはあります。
だって、ピンと張った経糸の間を緯糸が上、下、と通され、打ち込まれる。
糸はなりたい形状になる。
ということは緯糸がウネウネとなるわけで
織り幅の長さで足りる訳が無い‼️
なので、織る時  緯糸を斜めに入れると教えられる訳です。

これは最近1m幅で織った服地の巻き取りの端
最初は広かったのに、少し進むと幅が狭くなり、その幅が続いています。
左右同じです。
計測してみたら、織り機の上での縮みは通し幅からマイナス6%

では <適正な縮み> と <縮み過ぎ> の違いは❓
端の経糸の様子を見てください。

左は生徒さんがご自宅でおられた画像をお借りしました。
同じ2色4本ずつの経糸ですが、緯糸の長さが少し足りず、端が引っ張れて模様が潰れています。
最初から端がきれいに織れないので、どうしても引っ張り気味になる結果
手織りを始めたばかりの方に多く見られる現象です。
右は私が織っている織り機の上の写真。

織り機から外すともう少し縮み、洗うともっと縮みます。
タリフのラムウール双糸は4本/cm平織り、5本/cm綾織りともに最終的に約20%縮みます。

縮み率は、使う糸、太さ、織る組織、密度、経糸の張り具合、仕上げ、
更に織る人の手加減などで異なります。
大体の目安はありますが、一定ではありません。
なので、自分のデータを記録することが一番有効だと思います。

経糸の張り具合のことも質問されますが、
ウールは絹糸ほどは張りませんが、それでもかなりテンションをかけます。
織りやすい張り具合があるので、織って試してみてください。
経糸の張りに多少のバラつきがあってもしっかり張るとすくったりするミスが減ります。

私は手織りの細かいことについては誰かに習ったことはありません。
多くの基本的な考え方はDavid Gurneyが示してくれましたが
ほぼ全て自分流。異なる考えがあるかもしれません。
なので、この情報を元に自分で確かめてください。

Davidの口癖
織りに何が正しくて、何が間違いは無い❗️

自分が望んだ物が織れれば正解だし、
何か違えば、観察してどうしてかを考えましょう❣️

楽しむことが一番大事ですね〜

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残り糸



使い残りの管巻きの糸が箱にいっぱいになり
しばらく前からこれで織る物を密かに考えていた。
今回は暗めの色

いつもは隣合わせの色が
きれいに見えるように色を選ぶけど
今回目指すは何となくブレンドし合う関係
それぞれの色を調和してくれる名脇役は大体3色
規則性が大好きなので、これにも緩〜い規則性が、、、
それが上手く効果を出してくれるだろうか?

ちらっと見た娘は「なんだか暗い」
自分でも緯糸を入れてみないとわからない😅
これが出来るのは糸屋ならではですね❣️❣️❣️

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春の訪れ


工房を移した時に植えた沈丁花が満開です。
少しずつ大きくなり、花も増えてとても良い香りがします。

本当に久しぶりの投稿になってしまいました。
文字にすることが苦手なので、つい後回しに、、、

教室では次々に作品が織り上がり、
皆さんが思い思いに手織りを楽しまれています。
教室が忙しいと自分の織りは進みません。

織りの写真は生徒さんの織りあがったブランケットツイル
織る時に見ている面(表)を見ると何となく違和感が
でもよくよく見ても間違いはわからない。
裏を見たらはっきり線がありました。

何度見てもどう間違えているか分からず
結局手書きで組織図を書き、1本の糸の動きを特定し
それでも直ぐに迷子になるので、1段の動きを言葉で書いて言葉を追いながらチクチク!
最後の写真の毛糸針が直したところ

時間はかかるけど、また新しい技術を手に入れた気分❣️

暮らしの中で落ち込むことは多々あるけれど
自分をごまかさずに日々を過ごしたい。
織りは自分との向き合いの時。
自分を生きているだろうかの確認の時でもある。

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譲り受けた初版本

久しぶりの投稿になってしまいました。
その間皆さんと共有したいことは沢山あったのですが、
言葉にまとめることが苦手なので、どうしても後回しになってしまいました。
この辺で、少しずつ始めたい、でも3日坊主になってしまうかも、、、

私の師David Gurnnyが亡くなって、彼の織りの本を何冊か譲り受けました。
その中の1冊AHandweaver’s Source bookの初版本

出版されたのはアメリカ、1953年です。

現在手に入るペーパーバックの本にMarguerite Porter Davisonは1887-1953とあるので、亡くなった年出版されたのですね。

掲載されているデザインはオリジナルは224点なのに
今手に入りペーパーバックは146点
それでも凄いですが、今の本に出ていないデザインを織ってみたい、と本数が多いデザインを細い糸で織ってみました。



細いウールをベースに模様は2/16のヤク
約30cm幅で400本余り
左右対称にはならない組織で、何度か書き直しました。

糸の太さや色を変えて試し織りをして、この組み合わせになりました。

織っている途中で止まっても分かりやすいにで
これは教室の合間仕事においておきましょう。
次は後50cmで頓挫したままのツイード‼️

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服地を織り始めました

1か月ぶりに服地を織り始めました。

夏休みに1点は服地を織りたいと経糸をかけたものの、
赤が上手く使えず、試し織りで頓挫。

少し落ちついて向き合って、赤を抑えるより、赤がきれいに見えるような色に方向転換しました。

写真では色の違いが見え難いですが、糸で見る時と織り込んだ色が違って見えます。

でもこんなツイードは誰が着てくれるでしょう?

「タリフさんの服地は機械では織れない良い布ですよ❣️」
と評価してくださったのは、服地のプレスをしてくださる整理屋さんのKさん
たくさんの布を見て触ってきたから解るそうです。

機械で織る糸を使って手織りをしていますが、やっぱり高速で織る布とは違います。

手織りの服地はクオリティーが低いと思われがちですが、適した糸を使えば良い服地が織れる❣️❣️

私が50年近く前に英国で工業用紡毛糸初めて出会った時から、ずっと同じことを思い続けています。

でも、まだまだ知らないこともたくさんあるし
試したいことも次々出てきます。

やっぱり服地を織るのは楽しい‼️

**諸事情により今年はスピニングパーティーに出展しません。**

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新しいマフラーキット

新しく4種類のマフラーキットの販売を始めました。

タータンの中でも人気のスチュアートの
タリフオリジナルデザインです。

色数が多い複雑なチェックデザインは
上級者向きではありますが
今回は大きなサイズなのでリピート回数が少ない❗️
注意してゆっくり織れば、大丈夫。

チェックが織り上がる楽しさを味わってください。

同系色のチェックと、8枚綜絖変わり2重織りは
お好きな色に変更も承ります。

好きな色をお知らせいただければ、合う色を提案させていただきます❣️

ブランケットツイルは「色々な綾織り」にも掲載されています。
タリフの糸ではなく、張りがある糸(梳毛糸やアルパカ)が適しているので
このキットは「クラフトひつじ座」のアルパカ50という糸を使用しています。

スコットランドからの糸の入荷が大変遅く気を揉みましたが、やっとお盆明けに届きました。
世の中全てが値上がりしていますが、
今回はどうにか値上げせずに済みました。
その分、割引きなどのサービスはできませんのでご理解いただきますようお願いいたします。

割引きはできませんが、多少の手間と相談、細かい対応を無料でさせていただきますので、ご利用ください。

9月14日(土)15日(日)のタリフマーケットで、実物をご覧いただけるように準備をしています。

その時にキットなどご購入を予定されている方は
事前にご注文ください。
お持ち帰りできるように用意いたします。

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経糸切れそう‼️

今月始めに織り機にかけた経糸を織り始めました。

糸は40年ほど前に手に入れたデンマークの小さな紡績工場の物。
まだ毛糸のことはあまり知らなかった。
張りがある羊毛で撚りが甘い。
摩擦と引っ張りでとっても切れやすい。
織り始めて少々後悔、でもこの経糸を織るしか無い❗️

柄も見え難いし、経糸に負荷をかけたくないので、間違えないように集中力が要ります。

何でこんな面倒くさいことをしているだろう、と思いつつ、
でも地域の羊毛を集めて古い機械を動かして糸を作っていた人たちを思い出すと、やっぱり糸を布にしたい。

今日は教室もお休み。
朝から織って、集中力が途切れて散歩に出ました。
きれいな紫陽花が見れて、良い気分転換になりました。

最後の写真に居るのは最近新しく増えた家族。

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