1か月ぶりに服地を織り始めました。
夏休みに1点は服地を織りたいと経糸をかけたものの、
赤が上手く使えず、試し織りで頓挫。
少し落ちついて向き合って、赤を抑えるより、赤がきれいに見えるような色に方向転換しました。
写真では色の違いが見え難いですが、糸で見る時と織り込んだ色が違って見えます。
でもこんなツイードは誰が着てくれるでしょう?
「タリフさんの服地は機械では織れない良い布ですよ❣️」
と評価してくださったのは、服地のプレスをしてくださる整理屋さんのKさん
たくさんの布を見て触ってきたから解るそうです。
機械で織る糸を使って手織りをしていますが、やっぱり高速で織る布とは違います。
手織りの服地はクオリティーが低いと思われがちですが、適した糸を使えば良い服地が織れる❣️❣️
私が50年近く前に英国で工業用紡毛糸初めて出会った時から、ずっと同じことを思い続けています。
でも、まだまだ知らないこともたくさんあるし
試したいことも次々出てきます。
やっぱり服地を織るのは楽しい‼️
**諸事情により今年はスピニングパーティーに出展しません。**
織り
新しいマフラーキット
新しく4種類のマフラーキットの販売を始めました。
タータンの中でも人気のスチュアートの
タリフオリジナルデザインです。
色数が多い複雑なチェックデザインは
上級者向きではありますが
今回は大きなサイズなのでリピート回数が少ない❗️
注意してゆっくり織れば、大丈夫。
チェックが織り上がる楽しさを味わってください。
同系色のチェックと、8枚綜絖変わり2重織りは
お好きな色に変更も承ります。
好きな色をお知らせいただければ、合う色を提案させていただきます❣️
ブランケットツイルは「色々な綾織り」にも掲載されています。
タリフの糸ではなく、張りがある糸(梳毛糸やアルパカ)が適しているので
このキットは「クラフトひつじ座」のアルパカ50という糸を使用しています。
スコットランドからの糸の入荷が大変遅く気を揉みましたが、やっとお盆明けに届きました。
世の中全てが値上がりしていますが、
今回はどうにか値上げせずに済みました。
その分、割引きなどのサービスはできませんのでご理解いただきますようお願いいたします。
割引きはできませんが、多少の手間と相談、細かい対応を無料でさせていただきますので、ご利用ください。
9月14日(土)15日(日)のタリフマーケットで、実物をご覧いただけるように準備をしています。
その時にキットなどご購入を予定されている方は
事前にご注文ください。
お持ち帰りできるように用意いたします。
経糸切れそう‼️
今月始めに織り機にかけた経糸を織り始めました。
糸は40年ほど前に手に入れたデンマークの小さな紡績工場の物。
まだ毛糸のことはあまり知らなかった。
張りがある羊毛で撚りが甘い。
摩擦と引っ張りでとっても切れやすい。
織り始めて少々後悔、でもこの経糸を織るしか無い❗️
柄も見え難いし、経糸に負荷をかけたくないので、間違えないように集中力が要ります。
何でこんな面倒くさいことをしているだろう、と思いつつ、
でも地域の羊毛を集めて古い機械を動かして糸を作っていた人たちを思い出すと、やっぱり糸を布にしたい。
今日は教室もお休み。
朝から織って、集中力が途切れて散歩に出ました。
きれいな紫陽花が見れて、良い気分転換になりました。
最後の写真に居るのは最近新しく増えた家族。
最近の教室の織り
発信は滞り気味ですが、教室では次々と素敵な作品が織られています。
ピンクは太い糸を組み合わせて交互に織るクラックル。
緯糸を入れる順番を覚えるまでちょっと時間が要りましたが
わかりやすく図に書いたり、杼に同じマークをつけたり工夫しました。
左下、緑と白はキットにもなっている8枚綜絖変わり2重織り。
織っている時はまっすぐなのに洗うと糸がよろけて来て四角が丸く見えるようになります。
右下、オレンジと白はアルパカ50%の糸でブランケットツイル。
「色々な綾織り」に出ていますが、張りがある糸で織ると良いです。
幅広オーバーショットは、正方形のストールになります。
まず試し織りをして段数の確認をしました。
左下、ツイード服地(息子さんのコート用)
これを織る目標を持って教室に入られました。
ご自宅でも「手織りのタータンチェック」掲載のデザインを全部織る目標に努力を重ねられています。
4枚綜絖も綾織りも戸惑っていたのが嘘のようです。
右下、自分でデザインしたラムウール単糸のストール
織っている量は多くないけれど、長く関わりを持ってきた刺繍と繋がるところもあり
色の使い方と丁寧な織りのこだわりは、相通じていますね。
全て4の倍数では無いので、自分のデザインだから織れるというチェックです。
110cm用織り機に、120cmの筬を目一杯に使っての正方形のストール
両脇に20本綿糸を通して織り、出来上がりは正方形の4方が短いフリンジになります。
織りながら打ち込みに注意していたので、フリンジを切り揃えて洗ったら
どちらが経糸だったかもわからなくなりました。
なかなかできない優れ技‼️
きれいに織らなくてはダメ、では無いけれど
完成度が高い作品は、とても気持ち良いですね。
手織りの服地 ①
ウールマーケットで、手紡ぎを極めている方々の話をたくさん耳にして
自分の立ち位置がよりはっきり見えたようです。
私の本業はウール紡績糸で手織りにする服地。
羊毛の手紡ぎと編み物は大好きな趣味❣️
糸のことも手織りのことも余り知らない頃
美大で手織りを学んだ従姉妹の織り機を借りて織った服地は
とても満足できる物ではありませんでした。
慣れないので、本数が多く長い経糸を機にかけるのもとても大変だった。
こんなに大変な思いをして、切ったらバラバラになるような布しか織れないのか???
自分の中に疑問が残りました。
その後、語学留学先の英国で夏休みに参加した講習会に参加
洗うと縮絨する糸との出会いが、今の私の原点です。
この糸で織ったら良い服地になる‼️と知りました。
でも、かれこれ50年前のこと、糸の何が違うのかわからない。
教えてもらえる人もいない。
英語の本を一生懸命訳してみたり、手に入れられる糸で試してみたり、試行錯誤の繰り返しでした。
英語のwoollen spun は紡毛糸、でも紡毛糸って何?
worsted は辞書で調べてもウーステッドとしか出てこない。
これが梳毛糸だとわかったのは、ニュージーランドからの先生の紡ぎのレクチャーに行って通訳を聞いたから。
言葉では、長い羊毛が平行に並んで撚りをかけたのが梳毛糸、
短くて縮れた羊毛を混ぜこぜで撚りをかけたのが紡毛糸、と書いてあっても
実際それがどう違うかも、解らない。
その当時の日本で一般的に手に入る紡毛糸は
梳毛糸を作るために取り除いた短い毛の撚りが強い糸しかありませんでした。
手織りのウールの服地はホームスパンがありました。
清野工房で習った方に教えてもらって、ストールを織ってみましたが
良い服地が織れる糸を紡げるようになるまで10年かかる???
でも私は、糸を作るより織りたい‼️
目的に合った糸を使えば、良い服地が織れるのです‼️
タリフのスチュアートマフラー
教室でタリフのスチュアートマフラーを織っているKさん
今日履いていらした巻きスカートが同じ柄❣️
長く気に入って着ていらっしゃる物と同じ柄が織れるのは
手織りならではのことですね。
誰が見てもタータンチェックとわかるこのデザインの原型はロイヤルスチュアート
タータンの本当の意味を知っている人は、真似をして織っていいの?と思うでしょう。
スコットランドのタータン登記所に登録されたデザインだけが正式なタータンで
それはデザイン登録者だけが自由に使うことができるということ。
登録の時に、条件を付け加えておくこともできます。
例えば,
私のオリジナルタータンHandweaver Keikoは個人所有
Oshidoriは手織りなら誰が織っても良い というように、、、
以前お手伝いさせていただいた福音館書店の月刊誌
「たくさんのふしぎ」のオリジナルタータンTakusan no fushigi のデザイン権は福音館書店所有です。
タリフでは、キットとして販売することが許され
キットを購入された方は織った物を販売することはできません。
「手織りのタータンチェック」の本を作っている時に
このリメイクデザインを本に掲載しても良いかと迷いました。
その時にスコットランドのタータン第一人者のBrian Wiltonは
「タリフのスチュアート」として扱うと良いと教えてくれました。
手織りにできる本数にリメイクして、タリフのキットとしても販売しています。
来シーズンに向けて、大きなチェックを入れたマフラーキットを作成中です〜
何が正解⁇
先日の教室での話題をご紹介しましょう。
教室に通い始めた時から、整った物を織りたいという想いがブレないWTさんとの話です。
70代になって始めた手織り、織れるようになるために
「手織りのタータンチェック」掲載のデザインを始めから1点ずつ自宅で織られています。
チェックを織っていて、経糸が長めに残っても、最後は織り始めと同じにしなくてはいけないのか?
例えばAブロックBブロックの繰り返しで、最初がAなら終わりもAという意味ですね。
実際には、この大きな赤いチェック
片方は赤のブロック、反対側は青のブロックで良いのか?ということ。 正解はありません〜
どちらでも自分が好きな方でOK それを最初から意図しているかどうか、も考えてみたいですね。
最初から計画無しに適当に始め、成り行きで考えながら進めるのが楽しければそれで良いし、
一応計画するもの、後は成り行きに合わせて、経糸の無駄を避けて織れるところまでで良いかも。
何が楽しく、何を目指すか⁇
個人的には、完成度が高い物を織りたいので、左右対象、上下対象が基本です。
だって私は成り行きで崩して織って、「とっても良い」と思えるデザインにできないから。
規則性を入れることで、すっきりまとまったデザインにするのが好きだからです。
ある織り教室では「通し間違えてもそれは柄のうち」と直すことはしないと聞いたことがあります。
それも、それが自分に合っているなら良いこと❗️
でも私的には最初から意図していないことは間違いなんだなぁ〜
大事なのは「あなたはどうしたいか」ということ‼️
今朝付けてすぐのラジオから聞こえてきた
「自分の未来をどうしたいかが大事だ」という言葉
自分で考えることが大事ですね
私の先生Davidの「織りに正解も不正解は無い」という言葉、
ホームスパンの清野新之助先生に言われた
「あなたが良いなら良いんじゃないの」という言葉
いつも自分が納得しているかと向き合って手織りを続けています。
お正月休みに始めたツイード、織り始めました。
クラックル織り
教室の本の中にあるクラックル織りの洋書
それを見つけた生徒さんのリクエストで
自分では織ったことが無いのにお教えしてきました。
英文を詳しく読まなくてもわかる範囲ですが、、、、
今回、生徒さんがブランケットを織るときに経糸を長くかけていただき、初めて自分で織りました❣️
思っていたより楽しいなぁ〜
クラックル織りは通し方が違うけど、織り方は綾織りベース
模様の糸を太くして、間で入れる色を2色にすることで、模様の色の見え方が変わります。
模様の色は表と裏が反対‼️
これは生徒さん2人が織られたブランケットの表と裏
四角のサイズが違うのは織る段数の違いです。
糸の太さを変えたり、色の組み合わせでいろいろなことができそうです。
これを織りながら工夫したこと。
3種類の緯糸を1段毎に変えながら織るので、糸同士絡むことが多くなります。
シャトルを置く場所を決めて、糸を長く出し過ぎないことを気をつけました。
(1枚目の写真右下)
こんな小さな規則性が作業の効率upときれいな仕上がりにつながります〜
教室ではこれを織ったKさんが、経糸も同じように太さを変えたら?と気がついて
試してみることに、、、結果が楽しみです。
ヤノフの絵織りの工夫
教室でヤノフの絵織り人気が続いています。
しばらく前に、生徒さんの残りの経糸で私が好きなモチーフを拾い集めたタペストリーを織りました。
それを皆さんも織りたいというリクエストがあって、続いています
大きな作品を織る時は、ピックアップの数を間違えることが多くやり直しが大変です。
そこで、経糸にガイドラインを入れることを思いつきました。
経糸を作る時に10マス分(2色で同時に往復整経なら10往復)作ったら、目立つ色の綿糸を1往復入れておきます。
それを綜絖に通す時に10マス目の色糸と白に分けて1本ずつ加えておきます。
(この糸は織りあげたら抜きます)
そして図案の10マス目の上に赤線を入れます。
このガイドラインを目安にすると、離れているところのピックアップも楽だし
間違っていないかの確認がし易いですね。
これの方法を取り入れてからピックアップの間違いがほとんど無くなりました。
最初は私が拾い集めた手書きの図を繋ぎ合わせた図を作ったのですが
ずれが生じて、見かねたパソコン担当がエクセルで作ってくれました。
教室でまだまだ続きそうです〜
手織りの服地
随分長くかかりましたが、今日服地が織り終わりました。
糸はラムウール単糸
経糸1124本、織り幅93.8cm、経糸密度12/cm、整経長7.5m
経糸を作り始めたのが8月始めだったので、3ヵ月半もかかってしまいました。
なかなか自分の織りの時間が取れませんでした。
4段か8段織っては段数定規を当てて、打ち込み具合をチェックします。
段数定規はチェックデザイン通り、色と密度を元に作ります。
今回は、色によって若干太め、細めがあるために
糸によって若干打ち込みの強さを変える必要がありました。
でも、洋服になってチェックが合って欲しいので、気が抜けません‼️
経糸の最後は25cmまで織りました。
残りが短くなってくると、同じ打ち込みでは織れないのですが
洗う時やプレスなど、始めと終わりは同じにできないこともあるので
この部分があると安心です。
最近、工業用の糸で手織りの服地を織る意味を再度考えることがありました。
まず思い浮かべるのは、
自分の好きな色とデザイン、風合いを織ることができる。
世界に1点だけの服地。
織っていて楽しい❣️
自分のために織るならこれで充分。
でも買ってもらうために織っている私には、それだけでは説得力が足りない。
この答えを出すには機械でどう織っているかを知る必要がありますね。
産業革命後、1900年代に活躍したドブグロスという織機は
1分間に100段織れるそうです。
その後もっと効率良く織れる織機が発明されて、1分間に400段織れるとか。
1分間に400段も織る、ということはそのスピードで経糸を上下させる、
それには経糸をかなり引っ張る必要がありますね。
経糸がまっすぐで緯糸が曲がる??
それに比べて、手織りはゆっくりなので
経糸をしっかり張っても、機械程ではない。
緯糸もゆったり入る。
経糸も緯糸も曲がって布になります。
着物も、機械織りより手織りが良いと言われるのと同じですね。
タリフで販売している「チェビオット」という糸は
機械織り用のツイードの糸で撚りがしっかりかかっています。
密度 10/cm 綾織りで手織りならではのしなやかなツイードになります。
「ラムウール」双糸は工業ニット用
私は単糸で服地を織りますが、この糸は撚りが甘く機械では織れないし
切れやすいので、慣れない方にはお勧めできません。
糸を選べば、良い服地が織れます‼️
糸のこと、もっと知りましょう〜
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