チェックを織るとき、特に注意するのは、緯糸の打ち込みを揃えることです
服地ならば、柄合わせをしますから、同じサイズに織れているというのは
服地の完成度にもつながります
チェックは経糸と緯糸を同じ糸、同じ色、同じ密度が基本で
一番難しいのは打ち込みを揃えことでしょう
そのために段数定規という、チェックの段数とサイズがわかるものを用意します
無地の部分が大きいところは、4段、8段、12段と細かく印を入れておきます
綾織りで8/cmという場合は物差しを使う事がありますが、
インチの筬を使っている時は、難しいですね
大きなチェックの服地を織るときは、4段〜8段で必ず当てて確かめます
ちなみに機械織りは、筬はいつも同じ位置で動き
1段毎に少しずつ巻き取ることによって一定の打ち込みに織られます
ということは、チェックを同じサイズに織るのは
手織りならではのテクニックですね
マフラーなど小さく柄合わせが必要ないものを織るときから
この段数定規を使って慣れるといいでしょう
織り
オシドリタータンの服地
本の表紙撮影のために織り始めて放置すること4ヶ月
やっと順番がきました。
久しぶりすぎて恐る恐る織り始めたのですが、打ち込みはほぼ揃い、ホッとしました。
でも油断をすると、チェックの1ブロック分で1段の差が、、、
これがもう1回あると、仕立ての時に柄が合わせられないということになるので
微調整したり、数段解いてやり直したりします。
今日は台風の影響で屋根に落ちる雨音を聞きながら楽しんでいます❣️
手織りのタータンチェックの本ですが、タリフにご注文くださったのが90件近く
ありがとうございます❣️
発送の準備を進めながら本が届くのを待っていますが、少し遅れているようです。
届き次第発送いたしますが、発売日より少し遅れてお手元に届くかもしれません。
心配せずにお待ち下さい。
ラムウール単糸の服地
本の撮影のために準備したラムウール単糸の服地
デザインは、登録したタータン Handweaver Keikoです
アッシュフォードの卓上機で、服地タイプを織るのは
色々工夫が要ります
ラムウール単糸(11.3番手)の服地タイプの密度は
11/cm 実際はインチの筬を使い 28/インチ(14/インチの筬に2本)
この織り機に使える筬は16/インチの筬しか無いので
筬通しは、2本、2本、2本、1本 です
不均一ですが、綾織りなら大丈夫
織っている時は若干糸が寄っていますが、洗うときれいになります
打ち込みの密度を同じにするには、反対向きにセットした筬から10cm辺りで
経糸のテンションもかなり上げて織らないとしっかり入りません
そのために綜絖枠にゴムをつけて、下へ引っ張ります
同じ位置で織るために、狭くなって経糸を緩める時は
後ろの歯車を、6個、7個、8個、、、と
巻き取り棒の太さに合わせて数えて緩めます
そうすると、織る位置が合わずにイライラしません
糸の色によって微妙に太さが違うので、打ち込みもずっと同じではありません
デザイン通りに作った段数定規を4段、8段、12段と頻繁に当てて確認します
大変そうに聞こえるかもしれませんが
チェックが同じサイズに揃って織れるのが楽しいのです❣️
時には緯糸2段程度の狂いが出てしまいますが
1リピートの中で戻れば良しにします
最後もギリギリまで織りました
密度は揃いませんが、仕立ての時の縫い代分にはなるでしょう
織りあがった布を外してから、真っ黒になった糸綜絖を洗いました
これで次に油がついていないきれいな色の糸を通しても安心です
お待たせしました、ベストです❣️
ずいぶん前に予告しながら、随分お待たせしました
マフラーはもうたくさん織った!という方のために
タリフの糸でマフラーより少し長く織ればベストができるという提案です❣️
通常販売しているラムウールの糸で織った物はできていたのですが
新しくベスト用に入荷した糸を使った物ができていませんでした
同じようなデザインのベストは何枚も要らないので
全部見て頂いて選んでいただきたくて、待っていただきました
ベスト用に、今年の輸入で入荷したのは
ラムウールではないウール、毛質が少し硬めで少し太い糸
布にした時に布の腰とベストに良い厚みがあります
これまで入れたことがなかったナチュラル(羊の毛の色)の糸もあります
自分ではたくさん織ってきたのに、これまで紹介していない織り方もあります❣️
リジッドで織ることもできます❣️(新しい本に掲載予定)
元になったのは、20年ほど前に母が縫ってくれたこのベストです
ゴットランドの毛を紡いで織った布で、ボレロ風
サイズフリーで、脱ぎ着が楽でとても重宝してきました
という訳で、型紙も、サンプルも準備ができて
数は限られますが、縫製のお手伝いできると思います
今、工房の縫製担当mが最後の1着を縫っています‼️
経曲がりと緯曲がり
他の用事が入って、日が空いてしまいました
嘆かわしいのですが、1日の処理能力は確実に落ちています
今回は絹とウールの比較というより、布の話です
まずは布の断片を見て下さい
手織りのツイードの服地です
経糸と緯糸が同じようにクネクネ曲がっています
特殊な布でない限り、布は両方で曲がっている布が
体に馴染み易く形崩れしない服地ではないでしょうか
機械織りの場合、早く織るには、その回数だけ経糸を上下させるために
必然的に経糸をピンと張っています
経糸がピンと張っているところに緯糸を入れる訳ですから
どうしても経糸がまっすぐで緯糸が曲がる状態が強くなります
1900年代に活躍したドブクロスという織り機で織った服地が
ツイード愛好家の間で人気だと聞いた事があります
もっと早く織れる織り機に比べて経糸の張りなどが違うからだそうです
手織りの場合は、もっとゆっくり織るので、それほど経糸を強く張る必要はありません
タリフで販売している服地(ツイード)用の糸は工業用です
機械織り機で織るために作られた糸で、しっかり撚りがかかっています
機械で織る糸を使って手織りの意味があるか???
私もずっと、オリジナルデザインと織る楽しみがメリットだと思っていました
でも、上記のような事が解ってきて、自信を得ました❣️
手織りにして工場で洗いと高温高圧のプレスを施してもらった布のクオリティーは機械織り以上です❣️
最近、この服地の良さを認めてくださる仕立ての方と出会いました
嬉しいですね
絹とウール 織る時の違い2
今日は緯糸を通す時と打ち込みの話です
絹糸など張りがある糸で織る時
シャトルを引き出す時に腕を伸ばして
次の段に足りる長さを出されるでしょうか?
それは、シャトルが経糸の上を走る時
ボビンが急回転して糸が出過ぎないようにするコツのようです
(私はそれが出来ず何度も糸の絡みを取る羽目になりました)
糸を出しておくと、シャトルが走りながらのボビン回転が抑えられ
結果シャトルの中で糸が解けすぎて絡むこともなくなるようです
教室でウールの単糸で服地タイプを織られる時に
端の方で緯糸にループができている方がいらっしゃいますが
それは、シャトルを引いて糸を出して遊ばせて、単糸がクリンとなるためです
ウールは次の段でシャトルが入れられるだけの長さが出ているのが理想です
経糸の上をシャトルが走りながら必要な緯糸を解いていきます
それにはボビンに硬くきれいに糸が巻かれている事が大事ですね
緯糸を入れたら、どうしますか?
絹糸は次の開きにしてから
または経糸を閉じてから打ち込む方が 緯糸がきれいに収まるそうです
ツルツルなので、必要があれば多少動いてくれるでしょうか?
ウールは緯糸を入れたまま打ち込みます
私の場合、そのままの開きで打ち込み、筬を戻す時には次の開きに移っています
経糸が開いたままであれば、ウールの緯糸も必要なところへ動いてくれます
打ち込みが必要な服地の場合、私は開いたまま糸を寄せるように打ち込み、
次の開きに踏みかえて強く打ち込みます
打ち込みは、目指す緯糸密度に打ち込めてそれをキープすることが大事です
どうすれば、それができるか自分の方法を見つけて下さい
打ち込みが入らないというお問い合わせがあった方は 何度かのやりとりの結果、
経糸のテンションを上げて解決されたようです
良かった‼︎
次は経糸のテンションです
絹とウール、織る時の違い
着尺を織っていた方がウールの服地(ツイード)を織っていて
打ち込みが入らないというお問い合わせをいただきました
そこから、絹とウールの織り方の違いを書いてみようと思いました
自分では着尺を織った事が無いので間違った見方があるかもしれませんが
そんな時は、ぜひともお教え下さい
織り方の違いは、糸の持つ性質が違うということから始まります
絹糸はツルツル、滑りが良く、ウールに比べたら、糸の摩擦は無いに近いとも思います
糸に糊付けもしてありますね
着尺を織る時は、綜絖の後に綾棒をセットしたまま織ります
それは絹糸が細く、切れた時に見つけられないからだと聞きました
そのために着尺用織り機は間長が長いのでしょうか?
ウールは絹糸に比べて数段太いので、切れてもすぐに見つけられますし
綾棒入れておくとその箇所で糸は滑らず
結果間長が短い織り機で織っているのと同じですね
でも、たまに綾棒を入れて織る時もあります
毛羽立ち易い糸を経糸に使ったり
経糸を繋いでいて、結び目が擦れて解けてくるような時は
綾棒の後ろは経糸が動かないので、有効です
余談ですが、先日織り終わった細いモヘアとウールの引き揃えは
問題なく織れるのですが、さすがに平織りでは織れません!
何で?何で?何で⁇
一つ一つは大したことがないのに、色々溜まってしまった作業
ぐずぐずしていましたが、ちょっと脇に置いて
思い切って、気になっていた服地を織りあげることにしました
随分前にブログにも書いた120cm幅のコート地
2枚目は大きなチェックが入るので、織る前に図を書いたり計算したり、、、
でも久しぶりに織ったら、何で?
経糸の本数と緯糸の段数が違っている💦
モヘアを使っているので解く訳にもいかず、そのまま段数定規のまま織ることにしました
長年チェックを織っていますが、初めての間違いです‼️
段数定規とは、色を変えつつ打ち込みを揃えて確認するための物
経糸の終わりが見えてきたところで計ってみると
予定のデザインには足りない💦
だんだん、予定通りに織れていない気がしてきました
機から外したら、最初のコート1丈目の部分で無地の段数が足りない💦
最初の計画の段数計算から間違っていたので、経糸が足りなくて当然です
サンプル分を始めに織ってしまったのを終わりにすれば良かった💦
何でこんな間違いばかり???
でもきっと仕立てくださるAさんがステキなコートにしてくださるでしょう❣️
しばらく先ですが、次は気を引き締めて取り掛かりましょう
チェックを正方形に織れるかの検証
新版本の準備を進める中で、タリフのスチュアートの単糸バージョンを織りました
撮影のためなので、短いのですが、一つの検証を試みました
機械織りは、1段織る度に筬が自動で動き
同時に決められた長さを巻き取るので打ち込みは一定です
でも手織りは全て手の加減なので、同じサイズに織るのは簡単ではありません
今回織ったのはラムウール単糸の8本/cm綾織りです
織る時の打ち込みは8段/cm
でも織っている時から、幅は織り縮みがあり
同じ段数をきっちり織っても、縦横が同じではありません
それでも、織り機から外すと、経糸のテンションが無くなるので
結果、織っている時の幅と同じサイズまで縮みました
洗ってた後、全体的に縮みほぼ正方形になりました
タータンは「四角が正方形」が基本ですから、気持ちが良いですね
でも、同じ糸でも織る密度が高いと、機から外しても同じサイズまで縮む訳ではありませんから
服地タイプは若干縦長のチェックになっています
服地は経糸密度が緯糸密度より少し高い方が布の機能性が良いので
これでちょうど良いかなと思っています
ちなみに打ち込みを揃えて織るコツは、4段ごとに物差しを当てて確かめること
かなり慣れている私でも、きっちり織りたい時は必ず確かめます
私のこだわりでしょうか?
チェックの見栄えが違いますので、面倒でもお試しください!
今回初めて単糸でスチュアート柄を織りましたが
有無を言わさずタータンの世界に引き込まれてる感じでした
さすが、タータンの代表です❣️
オーバーショットの糸セット
ウールの季節が過ぎても、タリフのオリジナル冊子のご注文が細く長く続いています
皆さま、楽しんでいただけているでしょうか?
オーバーショットは
他の織りと同じように、糸の種類、太さ、色の組み合せで
多種多様な模様を織れるのが魅力ですね
冊子の中に「初めてオーバーショットを織る人のために」というページがあります
同じ経糸で、緯糸の色、太さを変えて体験できる糸セットを販売しています
経糸は双糸
緯糸の模様の糸は太い糸、双糸と色も様々
緯糸の平織りに双糸や単糸、色を変えて違い雰囲気にしたり
模様糸をグラデーションにしたり、織り方を変えて違う模様にしたり、と
考えられることを、あれこれ盛り込みました
用意しているのは5種類のセット
同じような色が重ならないように組み合わせています
在庫がなくなり、昨日から糸を巻いて15セット作りました
糸についている油で袋が汚れてしまうので、とりあえず他の袋で保管
ご注文をいただいた時に、きれいな袋に入れてお送りします
ぜひ一度お試しください
また、冊子をご覧になって解らないところがあったら、お問合せください
(講習範囲の場合はご相談させていただきます)
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