織り

手織り教室

1月後半からコロナ感染者急増に不安な日々ですね
手織り工房タリフは比較的広く、暖房しながら換気もしているし
1日の人数制限や昼食時に離れるなどの注意をして教室を続けてきましたが
あまりの感染者数に、2月前半をお休みにすることを決めました

皆さんの楽しい声が聞けないのは寂しいですが、しばらく我慢です
医療現場の大変さも聴こえてきました
協力できるとすれば、自分が感染しないこと、させないこと
小さな楽しい❣️を見つけて他の人と共有すること
ブログやインスタでの発信を努力しますね❗️

さて、生徒さん方の作品を紹介します

細い糸と遠くからは無地に見える布が好きなMさん
ラムウール単糸でベスト分を丁寧に織られました

経糸と緯糸のの色が違う布は、打ち込みがゆるいと経糸の色が多く出るし
打ち込みをきつくすると緯糸の色が多く出て、チェックより打ち込みに注意が必要です
Mさんはとても気をつけて良い布が織り上がりました!


双糸でベスト用の生地を織られたのは I さん

服地で大きなチェックなので、段数定規を手放さず丁寧に織られました
好きな色で織っているとテンションあがりますね

コロナのお休みで1年かかってしまったヤノフ織りのテーブルマットを仕上げて
カシミアで7色を使ってチェックを織り上げたKさん
次は刺繍をされていたお友だちから刺繍糸をもらったので、とテーブルマットを織ってお返しをしたいとのこと
たくさんあるのですが、刺繍のために60cmくらいに切ってある物が多く
左右交互に輪になるように考えてみました
機から外して、両脇をミシンで縫ってから短く切る予定です

2枚目は自分用?なら端を織り込みながらやってみると始めました
刺繍糸は同じ色が少ないので、次々に色を変え
綾織りを間に入れたりオリジナルの柄が次々と織り出されます


私は愛子さんの手紡ぎ糸で続きを織っています

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グレンチェックのマント❣️

昨年織ったモヘア入りの布がステキなマントになりました

織っている時はターコイズがきれいすぎるかな?と思いましたが
洗って仕上がったら、グレーが全体をまとめて
とても落ち着いたグレンチェックになりました

教室に通われている I さんがマントに仕立ててくださいました

シーチングで仮縫いの後、年末には出来上がっていたのですが
私の風邪でお休みになってしまったので、今日お届けでした

背が高く、丈も長めのご希望だったので、布もギリギリ
でもとてもきれいなドレープが出ていて、カッコイイ❣️
街で歩いたら、目を引くでしょうね
羽織ってみると、とっても軽いです

いつものように、工房にいらした方々が次々に試着させてもらい
楽しませていただきました
ありがとうございます❣️

新年初日から楽しい笑い声がいっぱいの教室でした

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1年の終わりに

今年も実現できなかったことがたくさんあります
お宝交換の場として楽しくなってきたタリフマーケット
糸屋を始めて年1回の外へ出かけるスピニングパーティー
講習会の企画案は色々あるのに
人との交流を抑えるためにいつも
半分アクセルに半ブレーキ状態、、、
不完全燃焼のような、休み癖がついてしまったか、
なんだかモヤモヤ、、、

こんな時に、知らずに手が出るのは超面倒くさい作業のようです
こんがらがった糸を解くとか、
面倒な織り間違いの直しとか、
思うようにできずにしまい込んであった編みかけとか、

今回もやっぱり❣️
友人のお母さま、愛子さんが遺した手紡ぎ糸です

清野工房に通われて服地も織られたので、多分その残り糸でしょう
色と太さは似ているけど、よく見ると撚りが強め糸とそうでもない糸
カセはきれいだけど、虫に喰われて切れている
めちゃくちゃ手間がかかるのを承知で手をつけました

経糸は紡績糸の単糸、緯糸より少し細いので経糸密度は少し下げ
緯糸を混ぜるためにシャトルは4つ
通し方を変えて緯糸は6段のリピート
奇数が良いのは分かるけど、私の思考回路では対応できない
加えてそもそもの糸が混ざっていることを考えると、まぁいいか、、、
糸を使い切って85cm幅 5m余り
 <<この模様「色々な綾織り」の表紙にあります>>
 <<どれだか分かりますか?>>

で、、、
この作業で少しはスッキリした?
まぁまぁでしょうか
コロナで心の隅っこにある重い物はすぐには無くなりませんね
皆さんも同じだと思います
どうぞ皆さまお大切に❣️

良いお年をお迎えください

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縮絨はフェルト化ではない!

時々思いがけない方との思いがけない会話から
探していたお宝がいきなり出てきたような発見があります

些細なことだけど、なんだか嬉しい❣️
そして次につながる大事なキーワード

先日リジッドでは細い糸は織り難いと書きました
でも2つ目のへドルを使うと、倍の密度で織ることができることに気がつきました
例えば4/cmのへドルを2枚で8/cmの密度になる
タリフのラムウール単糸は無理だけど、細い綿糸など可能かもしれない!
もしも試した方がいらっしゃったら、感想を聞かせて下さい‼️

もう一つは縮絨のこと

縮絨はフェルト化することでは無い‼️‼️

ホームスパンで織っている先生が教えて下さいました
知らなかった

糸は織る工程のために撚りをかけられて、羊毛は閉じこめられているような物
もちろん布の役割を果たすために強い撚りをかける時もある
それを布に織ってから、洗いで糸を膨らませて毛を立たせる 
これが縮絨

けれど、フェルト化は開いたキュティクルを絡ませて動かなくする
似た変化だから分かり難いけど理屈は納得!
何度も何度もやってみたら「ここ‼︎」というところが見えてくるのだろうか⁇

ホームスパンはしないけど、工業用の糸で再現してみたい
そしたら、もっと完成度が高い服地になるだろう〜



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ラムウール単糸について

最近ラムウール単糸のご注文を度々いただくようになりました。
リジッドで織る時は?というお問い合わせもいただきました。
なのでこの糸についてお知らせしたいと思います。

この糸は、
11.3番手(工場で示す番手)の紡毛糸
ラムウール双糸を作るための単糸です。
双糸は元々工業ニット用にデザインされているので
甘撚りで仕上げでふっくらする風合いのための糸です。
タリフではマフラーを手織りにする目的のためにこの糸を販売しています。

単糸は、双糸にした時に良いように比較的甘い撚りです。
この糸を使って機械織りをする場合は、この糸の撚りを強くするそうです。

実際に、服地タイプを番手から計算式で推奨される密度12/cmで綾織りましたが、
1m過ぎた頃から経糸が切れ始めました。11/cm(実際には28/インチ)で織ったら切れません。
でもテンションはゆる過ぎず、張り過ぎず。

機械織りはできない布が、手織りなら可能に!

柔らかい風合いで布の腰が弱いのですが、色数が多いので、時々織っています。
新版書の表紙のタータン「オシドリ」も単糸で織りました。


この糸で織れるもう一つの要素は、綾織りだということ。
平織りの場合、常に経糸の開きが、真逆の連続ですが、
綾織りだと1本ずつずれていきます。

服地はそれなりの経験を要するので、まずははマフラーサイズからなさってくださいね 
マフラーは8/cm(4/cm筬に2本ずつ)綾織り

ちなみに、タリフで販売している
チェビオットという糸は工業用のツイードのための糸です
撚りがしっかりかかっていりので、切れ難いです
10/cm 綾織りでしっかり打ち込んで織り、しっかり洗い、縮絨、プレスをすると
テーラーにも認めてもらえる完成度が得られます

最近この糸で織った服地が洗いとプレスで違う風合いになることに気がついて
試行錯誤をしています

今日4つ目の記事です。
下の方も読んでみてください❣️

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リジッド織り機のこと②その他

今回本のためにリジッド織り機で織ってみて思ったのは、
綾織りがしたければ、4枚綜絖の織り機をお勧めするということ。

チェックは糸の本数を変えて色の組み合わせを楽しむことですが
それだけでも、工夫すればリジッドでも色々出来ることがわかりました。

本の平織り最後のページP5455で具体的に提案しています。
頻繁に色を変えるグレンチェックの整経を簡単にする方法など。
充分に脳を活性化して、楽しい❣️を得られます
リジッドでは経糸を替えるの面倒だと無地っぽい物ばかり織っている方
是非挑戦してみてください!

組織織りは、限定された条件をどう組み合わせて違う柄を織り出すかということ。
平織りの組み合わせは一つなので変える余地がありませんね。

なので組織織りをしたければ4枚綜絖、もしくは8枚綜絖がお勧めです。
でも、数字が苦手だなぁと思う方は4枚が良いと思います。
4枚綜絖でもできることはたくさんあります❣️

こんなことを書くと、平織りを見下すな‼️とお叱りが届きそうですが
私は綾織りが好き!でも同時に私のように平織りが好き!
という方がいらっしゃると思っています
多分私が知らない平織りの奥深さがあるでしょう。
綾織りをやり切ったら平織りの面白さに気がつくかも、、、

筬の使い回しについてのお問い合わせもありました。
和の織り機の筬が海外の織り機で使えるか?ということでした
筬目の単位(寸、インチ、cm) 高さ、厚さが異なりますが
筬かまちで固定できれば使えます

海外の織り機用は厚みがあり、高さも高いので、かまちの溝が太い
それに対して和の織り機用筬は薄くて高さも低めで溝が細い
太い溝に薄い筬を使いたい時は、細いビニールホースに切り目を入れて挟んで固定します
その場合、上から固定するために充分下がるかもチェックポイントです
厚くて高さがある海外の筬の逆は難しいですね

もう一つ、
白い糸綜絖が汚れるほどの油がついている糸を使った場合
金綜絖や筬はどうやってきれいにする?という質問を受けました

白くて糸だから汚れとして油が残るけど金は錆び止めになっているので
好都合です❣️





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段数定規

チェックを織るとき、特に注意するのは、緯糸の打ち込みを揃えることです

服地ならば、柄合わせをしますから、同じサイズに織れているというのは
服地の完成度にもつながります

チェックは経糸と緯糸を同じ糸、同じ色、同じ密度が基本で
一番難しいのは打ち込みを揃えことでしょう
そのために段数定規という、チェックの段数とサイズがわかるものを用意します

無地の部分が大きいところは、4段、8段、12段と細かく印を入れておきます
綾織りで8/cmという場合は物差しを使う事がありますが、
インチの筬を使っている時は、難しいですね

大きなチェックの服地を織るときは、4段〜8段で必ず当てて確かめます

ちなみに機械織りは、筬はいつも同じ位置で動き
1段毎に少しずつ巻き取ることによって一定の打ち込みに織られます
ということは、チェックを同じサイズに織るのは
手織りならではのテクニックですね

マフラーなど小さく柄合わせが必要ないものを織るときから
この段数定規を使って慣れるといいでしょう


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オシドリタータンの服地

本の表紙撮影のために織り始めて放置すること4ヶ月
やっと順番がきました。

久しぶりすぎて恐る恐る織り始めたのですが、打ち込みはほぼ揃い、ホッとしました。
でも油断をすると、チェックの1ブロック分で1段の差が、、、
これがもう1回あると、仕立ての時に柄が合わせられないということになるので
微調整したり、数段解いてやり直したりします。

今日は台風の影響で屋根に落ちる雨音を聞きながら楽しんでいます❣️

手織りのタータンチェックの本ですが、タリフにご注文くださったのが90件近く
ありがとうございます❣️
発送の準備を進めながら本が届くのを待っていますが、少し遅れているようです。

届き次第発送いたしますが、発売日より少し遅れてお手元に届くかもしれません。
心配せずにお待ち下さい。

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ラムウール単糸の服地

本の撮影のために準備したラムウール単糸の服地
デザインは、登録したタータン Handweaver Keikoです

アッシュフォードの卓上機で、服地タイプを織るのは
色々工夫が要ります

ラムウール単糸(11.3番手)の服地タイプの密度は
11/cm 実際はインチの筬を使い 28/インチ(14/インチの筬に2本)
この織り機に使える筬は16/インチの筬しか無いので
筬通しは、2本、2本、2本、1本 です
不均一ですが、綾織りなら大丈夫
織っている時は若干糸が寄っていますが、洗うときれいになります

打ち込みの密度を同じにするには、反対向きにセットした筬から10cm辺りで
経糸のテンションもかなり上げて織らないとしっかり入りません
そのために綜絖枠にゴムをつけて、下へ引っ張ります
同じ位置で織るために、狭くなって経糸を緩める時は
後ろの歯車を、6個、7個、8個、、、と
巻き取り棒の太さに合わせて数えて緩めます
そうすると、織る位置が合わずにイライラしません

糸の色によって微妙に太さが違うので、打ち込みもずっと同じではありません
デザイン通りに作った段数定規を4段、8段、12段と頻繁に当てて確認します

大変そうに聞こえるかもしれませんが
チェックが同じサイズに揃って織れるのが楽しいのです❣️
時には緯糸2段程度の狂いが出てしまいますが
1リピートの中で戻れば良しにします

最後もギリギリまで織りました
密度は揃いませんが、仕立ての時の縫い代分にはなるでしょう

織りあがった布を外してから、真っ黒になった糸綜絖を洗いました
これで次に油がついていないきれいな色の糸を通しても安心です



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お待たせしました、ベストです❣️

ずいぶん前に予告しながら、随分お待たせしました

マフラーはもうたくさん織った!という方のために
タリフの糸でマフラーより少し長く織ればベストができるという提案です❣️

通常販売しているラムウールの糸で織った物はできていたのですが
新しくベスト用に入荷した糸を使った物ができていませんでした
同じようなデザインのベストは何枚も要らないので
全部見て頂いて選んでいただきたくて、待っていただきました

ベスト用に、今年の輸入で入荷したのは
ラムウールではないウール、毛質が少し硬めで少し太い糸
布にした時に布の腰とベストに良い厚みがあります
これまで入れたことがなかったナチュラル(羊の毛の色)の糸もあります
自分ではたくさん織ってきたのに、これまで紹介していない織り方もあります❣️
リジッドで織ることもできます❣️(新しい本に掲載予定)

元になったのは、20年ほど前に母が縫ってくれたこのベストです
ゴットランドの毛を紡いで織った布で、ボレロ風
サイズフリーで、脱ぎ着が楽でとても重宝してきました


という訳で、型紙も、サンプルも準備ができて
数は限られますが、縫製のお手伝いできると思います
今、工房の縫製担当mが最後の1着を縫っています‼️

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