織り機が欲しいけれど、どれが良いか分からないというご相談が時々あります
手織り機のタイプなど整理してみましょう
大きく分けて、2つのタイプがあります
日本に古くからあるロクロ式
ロクロと呼ばれる長い丸い棒に綜絖枠を吊るした紐が巻きついて
片方の綜絖枠を下げると反対が上に上がって、経糸が開きます
上に太いロクロと下に2本の細めのロクロを組み合わせることで
4枚綜絖が2枚上、2枚下に動きます
組み合わせが1と2、2と3、3と4、1と4、1と3、2と4 のようにいつも2枚単位の開きが得意です
動きが軽く、服地のように長く織る時に好都合です
しかしながら、バランスで開いているので、綜絖を1枚だけ下げるというのは苦手です
なので1対3の開きがある組織織りは織り難いです
海外の織り機に多いのが、べダルを踏んで、又はレバ操作で綜絖枠を上に上げるタイプ
何もしていない時は経糸が全て下にあり、どんな組み合わせでも経糸がきれいに開きます
しかしながら、綜絖枠を持ち上げるのが重いです
厳密に見ると服地はロクロ式の方が理想的
上下に開いた経糸がどちらも同じテンションになるからです
織り機本体が重い?軽い?折り畳める?
織り機のサイズは?幅と奥行き(間丁)は?
筬かまちが上から吊してあるか、下に支点があって前後に動くか
巻き取り部分は本体の内側か外側?右、左?
ブレーキのシステムは歯車か、ドラム式?
ペダルは何本?タイアップがやり易い?やり難い?
などなどチェックする項目は多々ありますが
要するに
何が織りたいか、置く場所はあるか、予算は?などから選んで
後は工夫して自分仕様にして慣れることではないかと思います
ちなみにタリフの教室は
アッシュフォードのテーブルルーム以外は全て中古の織り機
東京手織り機、アッシュフォードのジャック、レクレ社のコロニアル、ミネルバ
大忠織り機、さおりの4枚綜絖など
生徒さん方には織る物や技量で選んで使っていただいています
織り機入手を考えている方の参考になるでしょうか???
追記です
織り機が欲しい方に、そのことを周りの方々に話すことをお勧めします
手織りに無縁の人でも、「親戚の高齢のおばさんが手織りをしていたな、道具はどうしたんだろう?」なんていう情報が入ってきたりします
私はそういう道筋で織り機を譲り受けられたら嬉しいなぁと思います
工房にある織り機はそうやって私のところへやってきました
ちなみに今生徒さんの1人が4枚綜絖の織り機を探しています
どなたか、もらい手を探している方をご存知ありませんか?
服地の洗い
教室がお休みに入る前にHさんが服地を織り終えられました
忙しいお仕事の都合をつけて通われています
モヘアとラムウールの2本合わせて織る軽い服地
打ち込みが難しい杉綾ですが、とても気をつけ織られました
この頃は、工房で服地を洗っています
工房の台所の流しにお湯を張って、ジャブジャブ
糸に付いている油を落として、糸を膨らませて毛を出させて絡ませて布に変化させます
間で脱水しながら洗剤で2度洗い、濯ぎは洗濯機で様子を見ながら2回
洗濯機では布端が伸びてしまわないように、時々止めて布を動かします
最後の脱水の後、布を平なところへ広げて整えて棒に巻きます
真ん中を少し引っ張り、両脇が伸びないように気をつけて、、、
しばらく置いて広げて干しました
この後プレスのために工場へ送りました
仕上がりが楽しみ❣️
Hさんのお嬢さんのマントになる予定です
教室がお休みの間に糸の比較を試しています
同じ羊毛から紡ぎ方を変えると違う性質を持った糸ができるはず。。。
でも紡ぎ技量不足ではっきりした違いができず
羊毛が持つ性質の方が強く出ています
そう、毛は嘘つかないですね
また違う課題も見えてきました
手織り教室
1月後半からコロナ感染者急増に不安な日々ですね
手織り工房タリフは比較的広く、暖房しながら換気もしているし
1日の人数制限や昼食時に離れるなどの注意をして教室を続けてきましたが
あまりの感染者数に、2月前半をお休みにすることを決めました
皆さんの楽しい声が聞けないのは寂しいですが、しばらく我慢です
医療現場の大変さも聴こえてきました
協力できるとすれば、自分が感染しないこと、させないこと
小さな楽しい❣️を見つけて他の人と共有すること
ブログやインスタでの発信を努力しますね❗️
さて、生徒さん方の作品を紹介します
細い糸と遠くからは無地に見える布が好きなMさん
ラムウール単糸でベスト分を丁寧に織られました
経糸と緯糸のの色が違う布は、打ち込みがゆるいと経糸の色が多く出るし
打ち込みをきつくすると緯糸の色が多く出て、チェックより打ち込みに注意が必要です
Mさんはとても気をつけて良い布が織り上がりました!
双糸でベスト用の生地を織られたのは I さん
服地で大きなチェックなので、段数定規を手放さず丁寧に織られました
好きな色で織っているとテンションあがりますね
コロナのお休みで1年かかってしまったヤノフ織りのテーブルマットを仕上げて
カシミアで7色を使ってチェックを織り上げたKさん
次は刺繍をされていたお友だちから刺繍糸をもらったので、とテーブルマットを織ってお返しをしたいとのこと
たくさんあるのですが、刺繍のために60cmくらいに切ってある物が多く
左右交互に輪になるように考えてみました
機から外して、両脇をミシンで縫ってから短く切る予定です
2枚目は自分用?なら端を織り込みながらやってみると始めました
刺繍糸は同じ色が少ないので、次々に色を変え
綾織りを間に入れたりオリジナルの柄が次々と織り出されます
私は愛子さんの手紡ぎ糸で続きを織っています
編み物も楽しみます❣️
手織りは仕事、編み物と紡ぎは趣味❣️
織っていない時でも何か毛糸や羊毛を触っています
母が遺した手編み用の毛糸を少しずつモチーフに編んだのは随分前のこと
つないで膝掛けになりました
1枚のモチーフに5色、同じ組み合わせはありません
チェックの色合わせのようで楽しかったです❣️
誰が喜んでくれるかなぁ〜と思っていたら
思いかけず、母の友人へのクリスマスプレゼントになりました
とても喜んで下さいました
冬休みの間に、2人目の孫のために
アヌ&アヌの動物ニットからうさぎのパペットを編みました
お兄ちゃんに編んであげた犬の赤耳くんの
鼻のあたりの毛糸が切れてきていたので、治療に戻ってきていました
タリフの糸で編むと、肌触りが良く、寝る時に手にはめていました
糸が少し細いので出来上がりは子どもも手のサイズ
さて、何という名前を付けるでしょうね
洗いサンプル作りました
年末年始のお休みにもう一つしたこと
10月の本の販売以来、ご注文をいただいた方々にお送りしてきた
タリフの糸で織った布の洗いサンプルが無くなったので
マフラー2本分ほどの千鳥格子を織りました
ぬるま湯に浸けて手を洗う石鹸を塗って
ナデナデ、モミモミ風合いの変化を体験していただけます
サイズは縮みますが、ふっくら膨らみます❣️
半分を洗って、両方とも同じサイズに切って、洗い方のメモをセットにしました
ご希望の方に無料でお送りしていますので、リクエストして下さい❣️
メールやお問い合わせからお名前と送り先をお知らせください
なお、当方のメール受信時に送信者のお名前が表記されないことがあります
メールの場合は本文内にご署名をお願いいたします
メールアドレスから特定するのは、息子の手を借りることになり
お返事が遅くなる場合がありますので、どうぞよろしくお願いいたします
グレンチェックのマント❣️
昨年織ったモヘア入りの布がステキなマントになりました
織っている時はターコイズがきれいすぎるかな?と思いましたが
洗って仕上がったら、グレーが全体をまとめて
とても落ち着いたグレンチェックになりました
教室に通われている I さんがマントに仕立ててくださいました
シーチングで仮縫いの後、年末には出来上がっていたのですが
私の風邪でお休みになってしまったので、今日お届けでした
背が高く、丈も長めのご希望だったので、布もギリギリ
でもとてもきれいなドレープが出ていて、カッコイイ❣️
街で歩いたら、目を引くでしょうね
羽織ってみると、とっても軽いです
いつものように、工房にいらした方々が次々に試着させてもらい
楽しませていただきました
ありがとうございます❣️
新年初日から楽しい笑い声がいっぱいの教室でした
新年おめでとうございます
新年あけましておめでとうございます
過ぎた1年も多くの方々に力をいただいて歩みを進めることができました。
ありがとうございます😊
今年も、「自分らしく」たくさんの小さな楽しみを続けていきたいと思います。
皆さんにも人を待たずに自分からアクションを起こしてくださいね。
タリフは明日から教室です
コロナ感染者数が増えてきていますが、
人数制限と対策をして楽しみたいと思います❣️
手仕事会のお知らせ
毎月最後の土曜日13時〜16時 1月は29日です。
手を動かしながらおしゃべりするのが目的です。
講習はありませんが経験者からアドバイスをもらえるかも!
毛糸と編み棒は頂いた物があります。
羊毛、スピンドル、紡ぎ車もあります
1回目ではタリフの希望者とドミノ編みを始めました。
参加費500円 都合の良い時間でOK
参加ご希望の方は事前にご連絡下さい❣️
他にもずっと温めてきた企画を形にしたいと進めています
今年はもっと発信したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1年の終わりに
今年も実現できなかったことがたくさんあります
お宝交換の場として楽しくなってきたタリフマーケット
糸屋を始めて年1回の外へ出かけるスピニングパーティー
講習会の企画案は色々あるのに
人との交流を抑えるためにいつも
半分アクセルに半ブレーキ状態、、、
不完全燃焼のような、休み癖がついてしまったか、
なんだかモヤモヤ、、、
こんな時に、知らずに手が出るのは超面倒くさい作業のようです
こんがらがった糸を解くとか、
面倒な織り間違いの直しとか、
思うようにできずにしまい込んであった編みかけとか、
今回もやっぱり❣️
友人のお母さま、愛子さんが遺した手紡ぎ糸です
清野工房に通われて服地も織られたので、多分その残り糸でしょう
色と太さは似ているけど、よく見ると撚りが強め糸とそうでもない糸
カセはきれいだけど、虫に喰われて切れている
めちゃくちゃ手間がかかるのを承知で手をつけました
経糸は紡績糸の単糸、緯糸より少し細いので経糸密度は少し下げ
緯糸を混ぜるためにシャトルは4つ
通し方を変えて緯糸は6段のリピート
奇数が良いのは分かるけど、私の思考回路では対応できない
加えてそもそもの糸が混ざっていることを考えると、まぁいいか、、、
糸を使い切って85cm幅 5m余り
<<この模様「色々な綾織り」の表紙にあります>>
<<どれだか分かりますか?>>
で、、、
この作業で少しはスッキリした?
まぁまぁでしょうか
コロナで心の隅っこにある重い物はすぐには無くなりませんね
皆さんも同じだと思います
どうぞ皆さまお大切に❣️
良いお年をお迎えください
縮絨はフェルト化ではない!
時々思いがけない方との思いがけない会話から
探していたお宝がいきなり出てきたような発見があります
些細なことだけど、なんだか嬉しい❣️
そして次につながる大事なキーワード
先日リジッドでは細い糸は織り難いと書きました
でも2つ目のへドルを使うと、倍の密度で織ることができることに気がつきました
例えば4/cmのへドルを2枚で8/cmの密度になる
タリフのラムウール単糸は無理だけど、細い綿糸など可能かもしれない!
もしも試した方がいらっしゃったら、感想を聞かせて下さい‼️
もう一つは縮絨のこと
縮絨はフェルト化することでは無い‼️‼️
ホームスパンで織っている先生が教えて下さいました
知らなかった
糸は織る工程のために撚りをかけられて、羊毛は閉じこめられているような物
もちろん布の役割を果たすために強い撚りをかける時もある
それを布に織ってから、洗いで糸を膨らませて毛を立たせる
これが縮絨
けれど、フェルト化は開いたキュティクルを絡ませて動かなくする
似た変化だから分かり難いけど理屈は納得!
何度も何度もやってみたら「ここ‼︎」というところが見えてくるのだろうか⁇
ホームスパンはしないけど、工業用の糸で再現してみたい
そしたら、もっと完成度が高い服地になるだろう〜
ラムウール単糸について
最近ラムウール単糸のご注文を度々いただくようになりました。
リジッドで織る時は?というお問い合わせもいただきました。
なのでこの糸についてお知らせしたいと思います。
この糸は、11.3番手(工場で示す番手)の紡毛糸で
ラムウール双糸を作るための単糸です。
双糸は元々工業ニット用にデザインされているので
甘撚りで仕上げでふっくらする風合いのための糸です。
タリフではマフラーを手織りにする目的のためにこの糸を販売しています。
単糸は、双糸にした時に良いように比較的甘い撚りです。
この糸を使って機械織りをする場合は、この糸の撚りを強くするそうです。
実際に、服地タイプを番手から計算式で推奨される密度12/cmで綾織りましたが、
1m過ぎた頃から経糸が切れ始めました。11/cm(実際には28/インチ)で織ったら切れません。
でもテンションはゆる過ぎず、張り過ぎず。
機械織りはできない布が、手織りなら可能に!
柔らかい風合いで布の腰が弱いのですが、色数が多いので、時々織っています。
新版書の表紙のタータン「オシドリ」も単糸で織りました。
この糸で織れるもう一つの要素は、綾織りだということ。
平織りの場合、常に経糸の開きが、真逆の連続ですが、
綾織りだと1本ずつずれていきます。
服地はそれなりの経験を要するので、まずははマフラーサイズからなさってくださいね
マフラーは8本/cm(4/cm筬に2本ずつ)綾織り
ちなみに、タリフで販売している
チェビオットという糸は工業用のツイードのための糸です
撚りがしっかりかかっていりので、切れ難いです
10/cm 綾織りでしっかり打ち込んで織り、しっかり洗い、縮絨、プレスをすると
テーラーにも認めてもらえる完成度が得られます
最近この糸で織った服地が洗いとプレスで違う風合いになることに気がついて
試行錯誤をしています
今日4つ目の記事です。
下の方も読んでみてください❣️
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