2018年 の投稿一覧

機械で作る梳毛糸2

細く細く伸ばされたトップに撚りをかけて糸になります

細くなったものが最後はチーズ巻きにされます

一定量になると自動的にポロッと前に落ちてきて次の芯に巻き取りが始まります

次に糸に撚りをかけます

この写真はスコットランドの工場で見た紡毛糸の紡績です
撚りをかける前の糸が上にあります

梳毛糸は上から吊り下げられていました

撚りがかかっていない糸が上から下へ送られ
撚りがかけられ、軸に巻き取られていきます

リング紡績は、目にも止めない速さでリングをグルグル回る爪のようなものに
糸を引っかかって撚りをかけ、その位置が上下してきれいに巻き取られていきます

ここまでで、どうやって均一は細い糸が作られるのかが解ったのですが
スラブの糸や、モヘアの糸はどのように機械で作られるのでしょうか???

まずスラブ
撚りをかける前の糸状のものを引っ張り出すスピードを速くしたり遅くしたりするそうです
又は糸を送り出すのを速くしたり遅くしたりかもしれません
(機械のメカニズムまでは理解できませんでした)
引っ張るスピードが速ければ細いなり、遅くすると太いまま撚りがかかり
スラブの太いところになります

モヘアは繊維がツルツルで撚りをかけても抜けてしまうため
芯になる糸を添え、その糸に細いモヘアの毛を止めるためにもう1本細い糸をグルグル回して糸になるそうです
その時に芯を引っ張るスピードより毛を送り出すスピードが速ければ
毛が余るためにループになったり、変わり糸を作ることができるそうです
微妙に糸の送りや引っ張るスピードを変えて色々な糸を作るのですね

手紡ぎでは全て手でしていることを機械が上手にできることが
「なるほど~」ととても面白かったです

続きはもう少し佐藤繊維の正樹氏の話を・・・

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機械でつくる梳毛糸 1

手紡ぎをする方なら一度は手にしたことがあるトップと呼ばれる羊毛は
梳毛糸を作るために作られたものであるとご存知でしたか?

羊の毛は細くて長いものや、縮れて短いものなど
体の部位によっても状態は違います
メリノのように細くて長い毛質は梳毛糸向きです

刈り取った羊毛はきれいに洗ってトップになって日本にやってきます
洗うための薬品が日本の環境基準に合わず、日本に工場はできないとか
圧縮されて硬い塊になって入荷されます
「止めてある針金を切ると、膨らむんですよ~」という説明に思い出すのは
スピニングパーティーの時、ひつじまるごと研究所の羊毛が
酒井さんの手で小さく圧縮されて届き、あっという間に膨らんだ様子です

トップから丁寧に糸を引き出そうとしても、どうしても節ができてしまいます
羊毛の繊維が平行に並び篠状になったものをどのように均一な細い糸にできるのでしょう?

その答えがこちら
7本のトップを合わせて機械に通します
その時、送りだす方のスピードを8、引き出す方のスピードが10だとすると
そこで少し伸ばされて細くなります
7本をあわせることで少々バラつきが残っているトップがより均一化されます
7本が細くなって1本になったものをまた合わせて、機械を通して少し細くします
この工程を何度も、何度も、欲しい細さになるまで繰り返します
なので、工場内は同じことをしている機械がたくさんあります
撚りがかかっていない糸は容器の上にそっと円を作りながら重ねられていきます
底にバネが入っていて残り少なくなると上に上がってきて
いつも同じ状態で糸を供給しています
この写真はずいぶん細くなりましたね
最終段階までの間に、元のトップにすると1500本が合わされたことになるそうです
だから、節のないきれいな糸になるんですね
続きは次回に

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梳毛糸の紡績 佐藤繊維見学

子供の頃から作文が苦手です
これまでも、旅行の話など尻切れトンボになっているのがほとんどですね
今度もそうなり兼ねない
パソコンに向かう時間が取れないうちに次々と他のことが入ってきてしまいます

でも今回山形遠足で見て来たことはどうしても伝えたいので頑張りましょう~
スコットランドで沢山見て来た紡毛糸の紡績(機械で糸を作る)
きれいな細い梳毛糸をどうやって機械で作るのかを見てみたいとずっと思っていました
スコットランドでは梳毛糸の工場はないから
ヨークシャーへ行きなさいと言われたのはずいぶん前です
(ヨークシャーはイングランドです)

そして、3年前のスピニングパーティーで
友人に頼んで出店された佐藤繊維の社長さんに紹介してもらい
今回の工場見学を目的に計画した山形遠足となりました



佐藤繊維は山形県寒河江市にあり、
自ら羊を飼い始め紡績業を起こした創業者から現社長正樹氏は4代目
多分唯一又は数少ない 紡績からニットの完成品まで一社で行う会社です
現社長のユニークでモノづくりへの情熱で世界に知られる製品を生み出しています
その情熱はぜひ会社のサイト「紡績部」をご覧ください

紡毛糸の紡績に比べて梳毛糸は面白くないわよ~ 
と言われたことがありましたが
機械で糸を作ることに興味がある私としては、とっても面白かった

ちょうど本社にいらした正樹氏の話もお聞きできて
糸に寄せるただならぬ情熱に、こちらまで熱くなりました
手紡ぎをされる方ならなじみがあるトップと言われる羊毛から
どうやって細いきれいな糸ができるのか
次回をお楽しみに

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私のツイードがスコットランドへ

2015年秋に出版した「手織のためのスコットランドチェック」
取材のためにスコットランドを訪ねたのは2015年5月
ひと昔前のものだと勝手に思い込んでいたエステートツイードですが
現在も使われていると、相談に乗ってくださったMr Sugdenの紹介で
インバネスの近くにあるコーダ城の主 Lady Cawdor お会いしました

その後、スコットランドを思って織ったツイードを差し上げ
約2年半を経て仕立てができたと写真を送ってくださいました
許可していただきましたのでお見せしますね
とても背の高い方で、織りながら思い浮かべた通りとてもお似合い
ご自分で」デザインしてCampbell of Beauryの仕立てだそうです
とても気に入っていると言ってくださいました

濃い緑と赤紫のチェック、スコットランドの花「あざみ」の色です
35年前にスコットランドから持ち帰った糸ですが
今作らてれいる糸の色と微妙に違って落ち着いた色合です

コーダ城はスコットランドで数少ない個人所有のお城で
冬季を除いて、公開しています
冬季には家族が暮らすこのお城は生活感があり、どこか暖かい
働いている人たちも、ここで働くのが嬉しい~と生き生きしています

Lady Cawdorの熱い想いも伝わってきました
スタッフとの短いやり取りに、その人たちを大事にするそのお人柄がみえて
心地よさがここから広がっていることを知って
スコットランド好きとしてはとても嬉しかったことは忘れられません

行きたくなってしまいました♡

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オーバーショットは平織りと綾織りの組み合わせ

ウェブショップに毎日オーバーショットの冊子のご注文が続いています
この機会にと、購入のために工房を訪ねてくださった方や
近くに来たからと工房を訪ねてくださった沖縄在住の方など
手織りをされる方々のオーバーショット人気が伝わってきます

買ってみたものの、中を見たら難しいと思われる方も多いでしょう
上級者向けではありますが
見てわからない、読んでもわからないと、匙を投げないでくださいね

もし4枚綜絖に慣れない、綾織りが不確か、と思われたら
タリフオリジナル冊子の2冊をお試しください
 
4枚綜絖の基本は綾織りだと思います
それを覚えるために最適なのは千鳥格子!!
なぜって、4枚綜絖を繰り返し通すのに4本ずつ色が替わり
織るときも綜絖の1と2、2と3、3と4、4と1の4種類の綜絖の動き
それの繰り返しでこれも4段ずつ色が替わる
迷子になりにくく、何をしているのかが解り易いのです

「千鳥格子のマフラーを織りましょう」では
千鳥格子を基本に、主に洋式の機がけのやり方を解説しています
織り機に経糸をセットすることに苦労されている方に役立つヒントを
たくさん紹介しています
(抜粋がスコットランドチェックの本に掲載されています)

千鳥格子が問題なく織れるようになったら
「色々な綾織」に進んでください
最初の方で組織図を自分で書く提案をしていますが、
その図の意味が解ってくると、他の本などの組織図も読めるようになってきます

オーバーショットは組織図がつきもの、綜絖通しも複雑です
綜絖の通し方と織り方の図を見ながら織ることはできますが
何をどうしてこの模様が織れるのか理解できたらもっと楽しくなりませんか?

教室に入る前に「色々な綾織り」を買って勉強したMHさん
「説明も良くわかったし、読んでいたら先生の声が聞こえてくるようだった」と話してくれたら
教室卒業を機に自分の織機購入を決めたKMさん
「そうそう、改めて冊子で復習したら先生の声が聞こえてきました~」と・・・

簡単なことから少しずつ進めていくと
気が付かないうちに理解できる思考回路が構築されて
難しいと思っていたことが理解できるようになります
面倒がらずに、隅々までよく読んで、自分でノートを書いてみてくださいね

冊子に出ているデザインを早速織ってくださったNさん
ブログで紹介してくれました
楽しく織って、いつも応援してくれている嬉しい織り仲間です

山形のことなどお知らせしたいことがたくさんありますので
頑張って発信したいと思います
(実はパソコンより手仕事をしたいんです・・・)

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山形遠足中

工房の希望者と山形遠足に来ています
寒河江市にある佐藤繊維の工場見学が目的ですが
思いかけず、山形市の霞城公園の桜が満開でした
1時間早い新幹線に乗ったので、集合前にゆっくり楽しみました
佐藤繊維では、社長さんが貴重な話をたくさんしてくださり
これまでバラバラだった情報が一気につながりました
詳しくは帰ってから…

明日は天童木工とオリエンタルカーペットの見学をして帰京します

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新冊子販売から1週間

オーバーショットの冊子の販売を始めて1週間

毎日発送作業が途切れず、おかげさまで70冊ちかくが手元を離れていきました

初めてのお客様も多く、オーバーショットの人気ですね
生徒さん方が教室で織られた作品もたくさん掲載しています

知りたかったことを見つけていただければ嬉しいですそろそろ9月のスピニングパーティー出店申し込みに向けて準備が始まります
今日は大体の方針を相談しました

昨年は取りやめた手織り体験ですが
今年はオーバーショットのコースターの手織体験をしたいと思います
その他、新しい提案などアイディアを詰めてお見せできるよに
準備を進めたいと計画しています

母の介護もあるので、バランスを取りながらです・・・

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早速ありがとうございます

オーバーショットの冊子を
今日1日で15件のご注文をいただきました
ありがとうございます

ウェブショップを始めて以来1日の注文数は最高です
発送担当は1日大忙しでした
大変だけど、いつもより楽しそう・・・

大きな励みになります

夕方以降に届いたご注文は本日発送できませんでしたので
もう少しお待ちください~

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オーバーショットの冊子の販売

B5判 全40ページ ¥1500

平織りと綾織りの組み合わせで織りだせる複雑な模様
手織りをする方なら1度は織ってみたいと思われたことがあるでしょう
洋書では色々な本がありますが、日本語での解説は多分ないと思います

私の手織の師デイビットが書いたテキストを紹介したいと思ったのですが
英語の考え方と日本の方々の考えを組み立てる方向が違ってそのままでは理解できない!
それを自分なりにかみ砕いて、何度も教室で教えるチャンスを頂き
日本人の思考方向に合うように書き直しました

数字や音符のような図が必須ですから上級者向けではありますが
それだからと、手を付けなければいつまでも夢のまま
簡単な模様から始めて、繰り返し自分のノートを書き
それを織ること続けていくと、ある時「あぁ~そうか・・・」と思う時が来ます
綾織りに慣れない方は、千鳥格子で綾織りの基本を覚えてください初めてオーバーショットを織る方のためのページがあります
手元にある糸ですることもできますが
このページのためにタリフの糸セットも用意しました
冊子製作過程で残ったカシミヤマフラーの糸も限定販売します

先ほどからウェブショップでの販売を始めました

楽しくオーバーショットを織ってくださると嬉しいです

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オーバーショットの冊子できました!

印刷所からオーバーショットの冊子が届きました
何度も、何度も、手直しや見直しを繰り返し
その度に訂正箇所が出てきて、よりわかりやすい説明を心がけてまとめました

販売の準備に少々手間取って遅れています
2,3日お待ちください~

初めてオーバーショットを織る人のためのページがあり
そのための糸セットなど、限定販売したいと
そちらの準備もしています

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