織り

服地を織るこつ 2 小管巻き

服地のように細い糸で大きな布を織る時は、極力間違いはしたくないですね~

打ち込みをそろえることや、色や段数を間違えないことは
最初から最後まで気を抜けないところです
これに集中するために、緯糸ではトラブルたくない

*シャトルが端まで上手に投げられること
*小管に巻いた緯糸がするすると出てくること
*緯糸が無くなりかけたときに小管に撒いた糸が用意されていること

そのカギとなるのが、小管(ボビン)の糸の巻き方です
なるべく固く、きれいに巻けていると、するすると解きながらシャトルが走るので
緯糸が引っ張られず、ふんわりと収まってくれます

私は小管の芯に紙を使っています
ワインダーの芯に巻きつけるのにちょっとしたこつが要りますが
一度出来るようになると、とても便利です
紙はクラフト紙の封筒、光沢紙では無いカレンダー、上質紙など・・・
サイズはB5サイズを4つに切ったくらい 角を落します
ワインダーの芯の太い部分に紙を当ててしっかり押さえ
手で巻き始め、途中から歯車を回してしっかり巻きつける先が細くならない方がいいので、先を引っ張って紙を芯に平行にします
紙が巻き終わる前に糸端を巻き込みます糸を引っ張りながらテンションをかけて巻きますが
巻く位置をコントロールできるように、手は管巻きに添える感じ(写真の右端、ワインダーの歯車部分に、糸が油で汚れないように段ボールのカバーを付けています)

紙はいくらでも要らないものがあるので、残った緯糸もそのまま置いておけるし、
ウールのように太い糸は既成の小管より沢山巻けます

お手持ちのシャトルに紙のサイズを合わせます

糸が無くなって取り替えるのが面倒と沢山巻き過ぎると
糸の出が悪く、かえって手間取ります~

糸が抵抗なく出てくる状態で織れれば、シャトルを引き出すときに長く解かず
投げ込んだ時にシャトルが走りながら緯糸が出てくるようにすると
単糸の撚りが絡むことも少ないし、緯糸を手繰り寄せる手間も有りません

ちょっとした工夫がストレスを少なくして、楽しいを増やせば
苦手と思っていたことも挑戦してみたくなるかもしれません!

・・・と私はこんなことを考えながら織っているというご紹介に過ぎませんから
これをヒントにご自分に合ったやり方を見つけて下されば、それが一番です~

次は色と段数を間違えない工夫です~

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服地を織るこつ

前記の服地の直しの話にはまだ続きがあります

『なんだか否定的な書き方だね』と娘に駄目出しをもらってしまいましたが
続きで、どうしたら間違えずにきれいに織れるかのヒントを書きたいと考えていました
それを事前にKKさんと確かめられなかった私の反省点でもあります
チェックのマフラーや千鳥格子の服地も、いつも問題なく織られてきたので、
チェックを織るポイントを再確認しなかったのが一番の原因でした

私が自分の体験から学んだことで、織る時に気を付けていることを
少しずつご紹介したいと思います

経糸がきれいに張ってあり、たるみでシャトルが経糸をすくったりしないこと
これは、経糸がきれいにできてくることがポイントです

最初のステップは経糸を作る整経の作業が、スムーズにできることでしょうか
チェックの場合、デザインを把握し、色と本数を間違えずに整経できると、後がとてもいいです~

間違えてやり直すと、糸がからんだり、たるんだり・・・
間違えて解くときには、何かに巻き取りましょう~
単糸は弱っている場合もあるので、解いた糸は緯糸に使う方が安全ですね

糸が絡まずにするすると出てくるようにセッティングも大事です
似た色がある時は区別する工夫も・・・
青に入る黒は青と同じ左側、赤に入るこげ茶は赤と同じ右側・・・というように

私はシングル幅(出来上がり75cm幅)の服地約850~900本を5つに分けて整経します
どの様に分けるかは始める前に全部決めておきます
同じ本数というより、チェックのデザインのブロック単位で分けます
(A+B)X2+A  B+(A+B)X2 ・・・というように
これは巻き取りの時にペットボトルの重しを5カ所に吊るして巻き取るためです

画像がないので次にと思っている小管巻きの写真を入れましょう
私は紙を小管の芯に使っています~

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サマー&ウィンター 機から外しました

昨日、Hさんが工房に来られ、織機からサマー&ウィンターの布を外しました

手前の茶色がHさん 奥の3色部分が私です~

私は色を変えつつ、反転させたつもりが、織ながら書き留めることをしなかったため
模様が一つ抜けている!!!

これが裏です

表と逆に色が出るのがこの名前の由来ですね

Hさんは既に6枚綜絖の模様を考えて織り始めています~

この布は、切れた経糸などの直しをしてから、洗いは工場に出す予定
軽く起毛加工をしてもらって、ブランケットにしたいと思っています~こちらは、第2水曜日baru先生の紡ぎのレッスン
仲良し3人組に加え、スピンドルの方も加わり、賑やかです~
 
自分のことをしながら、脇で聞いていると、やってみたくなります~

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サマー&ウィンター その2

昨日織り終わったサマー&ウィンターの残りの経糸でちょっと遊びました

4段1セットの織り方を変えてみたら、面白い模様が出そうで
それからタイアップを少し外して・・・

思った通り面白かった!!
でも、経糸の残りが少なく、講習しながらこれだけ織るのに1日かかってしまいました

今日届いたモヘアの糸
やっぱり新しい糸が増えてしまいました~


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サマー&ウィンター 織りました!

2月初めに紹介したHさんの8枚綜絖のサマー&ウィンター

同じ経糸で私も織らせてもらいました
タリフマーケットがあったために中断してしまいましたが
織機を空ける必要も出たため、今日頑張りました

自分で織ったことで、本の通りのデザインを変えられる???と考えたり
最初は見えていなかったことが見えてきたり、やっぱりやってみるのが1番ですね
織れるところまで準備してくださったHさん 有難うございます~

そして、今日1人で織っている間に聞いていたのは、これ
深川和美の童謡サロン vol.3 ペチカ
いつものことだけど、織ながらなので、繰り返しかけっぱなし・・・
耳に入っていないことも多い
でも、今日は1人だったので、いつもより聞いたかな・・・

この方が土曜日に1日講習に来られCDを頂きました

童謡は何度聞いても飽きないし、心地いい
やっぱり血の中に流れているのだろうか・・・秋にはボサノバ歌手の方が工房に糸を買いに来れました
11月に紹介したこの方 

もうすぐ新しくリリースしたCDが発売されます

naomi & goro  『RIO, TEMPO』

CDを1枚買って、工房で楽しみました
言葉は解らないけど、心地よい音~

思いがけないプロ歌手の方々との出会い
なんだか不思議な縁を感じます~~

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ステキなスーツになりました

学生時代の親友が服地を注文してくれたて
今日スーツが出来上がりました

本人のご希望でモザイクを
かけて見て頂きます~

デザインはレ・フー吉原徹朗氏

彼のオリジナルの衿にお花がのぞいているもので
2009年の展示会で初めて作ってもらってから
人気が続いています~

色は実物の方がきれい
吉原氏にも誉めてもらいました
次に展示会をする時には貸してくれるので
見て頂けると思います~

『こんなうれしい事になるなんて、若いころは誰が想像できたでしょう。』との
彼女の言葉が嬉しい~

このツイードはグレンチェックタイプです
オリジナルのグレンチェックは左右対称に見えるのですが、実は方向があり
織る時も向きがあるので、上下も対称ではありません

昨年スコットランドで教えてもらった法則でグレンチェックを織ると
左右、上下対称にすることが出来るので
これは、ひと手間かけて、対称です
結果、布が思ったより少なくて済み、ベストも作れそうです~

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8枚綜絖のサマー&ウィンター

これは教室に通われているHさんが織っている8枚綜絖のサマー&ウィンターです

本に出ているデザインですが、ご自分で詳細を決めて織られています

私は理屈は解るのですが、自分で織ったことは有りません
落ち着いてじっくり考え、自分でやってみないと本当に理解したことにはなりませんね

そんな折、机上講習に来られているKTさんが念願だった8枚綜絖の織機を入手
それで早速織ってみたいと三角形の模様の資料持参で机上講習に来られました
日本語の解説がついているものの、
組織図が付いていなかったために、私は教えてあげられず・・・

この時は初めてなので、4枚綜絖を二つ組み合わせた様な組織を選びました
自宅で新しい織機で初めて織った8枚綜絖

いつも丁寧に楽しんで織っている様子が伝わってきます~
デザイン、組織、色と、どんどん自分で進めていけるKTさんです

後で良く考えたら、このサマー&ウィンターで三角形が出来ると思いつきました

その話を聞いたHさん、自宅で早速試してくださいました

次回の机上講習のアシストをお願いしました~

師を超える弟子! 嬉しいですね
私が全部わかっている訳ではないので、知らない事に挑戦してくれる生徒さん
逆に教えて頂いています~

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金筬が新品のように

最近、長年使い込んだ織機や道具が工房にやってくることが続き
傷んでしまった金筬には少々心を痛めていました

そこで、加藤金筬製作所さんに問い合わせをしてみました
『送ってみて下さい~』と快く修理を引き受けて下さいました
Before

After

箱を空けた時には、間違えて新品を送ってくれたのではないかと思うほど
さびもきれいになって戻って来ました
採算に合わない程手間をかけて下さって感激!

自信と誇りを持った職人さんの仕事で、とても嬉しいです
これで、また沢山の布を織る手助けをしてくれるでしょう

新しい筬も作って頂きましたが、ホームページもとてもわかり易く
対応がとても丁寧

錆びてしまったとか、筬が欲しいと思っている方にお勧めします~かぎ針で編む5本指手袋
先日からご要望に応えて、時々行っているの講習お知らせです

2月10日(水)
2月16日(火)

午前10:30~12:30
午後13:30~15:30 
講習料 ¥2000 午前と午後通しの場合¥3600
別途、糸とレシピ代 ¥2400
タリフの糸をお持ちの場合はご持参下さい 糸代を引かせて頂きます

お問い合わせ申し込みはブログのメールにお願いいたします 

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2枚綜絖の織機を4枚に

使わなくなった織り機が流れてきました
随分前のさをり65cm幅の織機で、ろくろが1本2枚綜絖です

基本は平織をされているさをりさんですが、
最近は需要が出てきたからでしょう、4枚綜絖にするためのキットを作っています

高さがないので、4枚にするためにもう一段のろくろを吊るっても、バランスが崩れやすい
(これは実験済みです)
最近スプリング式の織機を作っているらしい~と聞いて、キットを購入
購入でお世話になったのはさをりの森所沢
息子が古い織機を全て解体、きれいにして、オイルを塗って、
私達が使いやすいタリフ仕様に手を加えました

スプリング式の下開口(ろくろ式と同じシステム)で6本踏み木

まず、私が使い勝手などを確かめるために織ってみます
この時はしばらく前からやりたいと思っていたマフラーの試作
タイアップの替えられるので、織り易く具合がいいですね~

この織機についていたのが3羽/cmの筬だったので
5/cmの綾織りをこの筬で試してみました
筬に経糸を2本・2本・1本の順で通します(1cmの3羽に5本)
織っているときはこんな感じ。均一ではありませんが・・・

巻き取るくらいの位置に来ると、均一に広がっています

洗うと、もっと解らなくなります~

これは綾織りだから出来ることで、
4羽/cmの筬を使って2本・1本・2本・1本に通して6羽/cmの物は良く使います
(糸の種類と密度によっては出来ないこともあるでしょう)

タリフの教室で多く使っているアッシュフォードのテーブルルーム
綜絖が上に動く(上開口)のタイプなので、通常板杼が織り易いのですが
幅が広くなると長い板杼は使いにくい・・・
でも上開口の織機は下の経糸が緩みがちなので、
小さな船杼では途中で経糸の間から落ちてしまったり
経糸をすくってしまって、織りにくい というのは経験された方がも多いでしょう~

こんな使い方はいかがでしょう

これもさをりさんの小さな軽い船杼 
車がついてなく、軽いので立てて飛ばします~
タリフにいろいろな船杼がありますが、これが使いやすく人気です

ちなみにろくろ式、下開口の場合は経糸がピンと張られ、
筬の下に経糸が当たって平になるので船杼が使い易いです

船杼のために管に糸を巻くときはなるべく固く巻きましょう
糸の出方が織りのスピードに関係していますよ~

先日販売を始めた赤のチェックのキットもご注文頂き有難うございます
27日までにご注文頂いたものは年内に発送致します~

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チェックの魔法にかかった~

書店で『手織りのためのスコットランドチェック』の本を見つけられ
速攻でチェックの魔法にかかったFさん
持前の行動力ですぐ小さなリジットを手に入れ、次の日には糸を買いに工房に来られました

次に糸を買いに来られた時に持っていたバック

20cm幅のリジットで織った布を手縫いで作られていますそして見せて頂いた写真
窓にかかっているカーテンも手作りのオリジナル

毎日1つずつ本に出ているチェックデザインを参考に織ったそうです

チェックの魔法は強力ですね~教室が休みの月曜日
娘makikoが頼まれて生徒さん方にフェルトの講習をしていました

手織りだけでなく手仕事を楽しんでいらっしゃいます~

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