今年3月まで服地の仕上げをしてくれていた工場が閉鎖してしまったため
チェビオットの糸を使って紳士ジャケット分の服地を織って
新しい工場でスコットランドの糸で織った布の仕上げを試してもらいました
お願いしたのは
布地加工の大恵という工場
驚くほど速く戻ってきたのですが、油のにおいが残っていました
国産の糸に比べ、スコットランドの糸は油がかなり多くついているので、
正直なところ半信半疑・・・
工場に連絡したら、快くやり直してくれましたが
まだ、2度目もにおいが残っていました
それで、以前の工場で洗ってもらった服地や、他の物を持って工場にお邪魔しました
社長さんがとても良く話を聞いてくださいました
布にはどれも匂いがあり、工場の方は大丈夫と判断なさったようですが
私は以前仕立てたコートを買ってくださった方が
油のにおいが気になって着られないということがあったと聞いていたので
ちょっと油のにおいを気にしているのかもしれません
匂いがしないと思っていた以前の工場で洗ってくれた服地は
その工場のにおいがするそうです3度目は少し時間をかけ、洗剤も工夫して洗ってくださったそうです
後日戻って来た服地
油のにおいはスッキリ抜けて、3度洗ったこともあって、
これが同じ糸で織った物かと思うほど
表面がつるっとなめらか、布としての完成度が高くなりました
工場生産の布と同じになった~と思われるかもしれませんが
手織り風を残すより、服地としてのクオリティーを大事にしたいと思います
これからHPやウェブショップにリンクを貼り、紹介させて頂きますね
社長さんのお話しから
ウールの布が専門で、工場生産の布だけでなく、
個人の作家さんや学校、教室からの依頼も受けているとのこと
みなさんがタリフの糸で織った物を出される時は、その旨伝えて頂いた方が確実です
仕上がりの見本があればそれれと、紳士物、婦人物などの使用目的など
参考になりそうなことを伝えてください
織り
粗筬・仮筬
またまた、前回の続きです
前回の記事の後で、鍵付コメントで
アメリカでの手織り事情に詳しい方から情報を頂きました
有難うございました~
粗筬や仮筬の名前の意味がちがうのかどうか・・・
確かにスコットランドの講習で使ったのはraddle、私はこれを仮筬と呼んでいます
海外製の織機の道具に含まれている場合もあります
今回、洋式の機掛けの入門書としてまとめた
『千鳥格子のマフラーを織りましょう』で使っているのはこんなものです
筬を通してから巻き取るやり方が大変だと思っていた後で
この角材にくぎを打っただけの仮筬を使って巻き取る方法を知ったのはもう40年も前
これを使えば絡みやすいモヘアも、甘撚りで毛羽立ちやすい毛糸も経糸に使えます
昨年の今頃訪ねたハリスツイードの現場でも使われていました
私は日本の伝統的なやり方については殆ど知りませんから
やり方をあれこれ比べることはできません
今手織りを楽しむ多くの方が欧米の本を見て、『洋』の手織りをされているにもかかわらず
洋式の機掛けをご存知ないなぁ~と感じたのが、この冊子をまとめた理由です
慣れ親しんだやり方で困っていなければ、それを変える必要はありません
でも、もし何かやり難い~ 手間がかかって面倒~ と感じている方がいらしたら
ぜひ1度こんなやり方もあるのか~と冊子を見て頂きたいと思いますスコットランドの工場の2度の機械の故障で、納期がと~っても遅れています
5月中に納品期限があったお客様にはとてもご迷惑をおかけしました
故障を直してもらうのに2週間、カーディング機械のコンピューターの不具合では
修理してもらう会社が移転中だったとの理由で2週間待たされている???
来週半ばには直るから・・・という説明を聞くのは3度目です~
日本では全く考えられない状況ですが、現地ではよくある話・・・
そんな事情もスコットランドのデイビットがしてくれた問い合わせで判明
気長に待つしかありません~
綜絖の通し方と動かし方
前回の続きです
経糸を織機にかけるやり方が2つしかないなら、
単純に『違いはこれです~』と言えるのですが
他にもいろいろなやり方があります
粗筬を使って、巻き取ってから綾返しをして綜絖を通すやり方のことは良く耳にします
多くの方が『綾返しが解らない~』と言われます
着物の様に細い糸をたくさん使う場合は、これが良い方法なのですね
でも、ウールの様な太い糸を使う場合はちょっとやりにくそう
粗筬も1羽/cmなんていう筬があるならいいけれど
私が体験させてもらった時は8羽/cmで織るのに4羽/cmの筬を使い
8本を1羽に入れて、3羽空けて次の8本というのは空き羽を数えるのが大変でした
糸がこすれて、油がついていない糸なら毛羽立ってしまうでしょう
ホームスパンの方は紡いだ糸が無駄にならないように
あらかじめ補助糸を通しておき
それに経糸を結んでから男巻きに巻き取る方法もありますから
筬→綜絖→巻き取りと同じですねそれぞれに良いところ、やり易いところがあるので、何が正しいはないので
自分がやり易いという方法で良いと思います~それで、綾織りのために綜絖を動かす順番ですが、いろいろあるようです
綜絖の 1と2、2と3、3と4、4と1
2と3から始め 3と4、 4と1、 1と2
1と4から始め 1と2、 2と3、 3と4
綜絖の呼び方が奥から1 手前から1
綜絖の開き方 ペダルを踏むと上に開く 上開口、 下に開く 下開口又は両開口
という訳でこの組み合わせが存在するわけですが
極ふつうの綾織り、千鳥格子など殆どは、どの方法でも全く問題ありません~
でも組織の模様を織りだす時だけちょっと注意がいりますね
綾織り組織の説明を上手にできるようにをあれこれ考えています~
最近の若手生徒さんはチェックのストールにはまっています~
一番の若手、Mさんは気に入っているチェックを元にデザインしました
Aさんは、タータンチェックの本で織りたい物を見つけて織れるようにデザインし直しました
これの元はMacpherson Hunting
綜絖の番号は奥から?手前から?
ボチボチと『千鳥格子のマフラーを織りましょう』にご注文を頂いています
それに伴い時々買ってくださった方とやり取りをする機会も増えました
簡単な織機で平織を織っていたけれど、
4枚綜絖で織ってみたいという方が買ってくださっている場合もあるようで、
4枚綜絖の番号と通し方のちぐはぐなところの質問が届きました。
綜絖の番号は奥から1なのか、手前から1なのか
これはどちらが正しいということはありません
いずれも、確かな事実と出会ったわけではありませんから
諸事情を考え合わせて一番納得がいくことを私の説としておきましょう
これは以前彦根さんがブログに書いていらっしゃったように、
どの様に織機に経糸をセットするかも関係しているようです
経糸を先に巻き取ってから、織機の前に座って綜絖通しをする場合
右利きであれば自然に右から始めるでしょう
手前から通すより奥から通し始める方がやり易いですね
そうすると自然に奥から1,2,3,4でしょう
先に筬に経糸を通してから綜絖に通して巻き取る場合
織機の後ろ側に座り、同じように右の奥から綜絖通しをすると
織る側から見ると手前、左から通し始め1,2,3,4となりますね
通し方は全く同じです
織機の前に座って左手前から通し始める友人もいます
私は手前が1の方が都合が良い点が多いという理由で
手前から1,2,3,4と呼んでいます
ヨーロッパでは奥が1
アメリカではヨーロッパ式から手前を1と呼ぶように変わったと書いてある本がありました
日本は両方ありますね
だから綾織りが難しいと思われているのではないでしょうか???
最近の作品
Hさんは2枚目の8枚綜絖2重織のブランケットを織り始められました
1枚目の時は全面同じ柄にするために、その都度タイアップをかえていましたが
今回はペダル2本を同時に踏む組み合わせをHさんが考えて、タイアップはそのまま織っておられます!
小さい柄のオーバーショットが続いています
これはWさんのウール、表と裏(どちらでもよいのですが) 水玉模様みたいでかわいいですね
3/16の綿糸を使ってKさんのブックカバー
Mさんは初めてのオーバーショット
次の本番に向けての練習です
Yさんの大きなマットも織りあがりました
幅80cm長さ130cm位、
色が良く出ていません~
中々織り進まないので、
とてもよく頑張りました私の服地も織り終わったのですが、写真を撮るのを忘れて仕上げに送ってしまいました~
戻ってきたら見ていただきますね
服地は千鳥格子
先週末に経糸を織機にかけた服地を織り始めました
今回は短時間で織れるように、千鳥格子です
月曜は教室が休み、家を空けられない時間もあり、早くに夕食の支度をして
夕方から工房へ行って、1人で楽しみました~
色が悪くてすみません~
久しぶりの服地
久しぶりに服地を織り始めました
ツイードの仕上げは工場へお願いしていましたが
これまでしてくれていた所が3月で閉鎖になってしまいました
別の所を紹介してくれたので、まず試してもらうための服地です
タリフで販売しているチェビオットで、経糸840本 シングル幅(75cm)になります
糸を触っていると嬉しいです~
ニットのbaru先生が『千鳥格子のマフラーを織りましょう』の紹介をしてくださいました~
参考になさってくだささい
やっぱり格子柄!
先日こちらのブログで拝見した平織りのマフラーが面白い織りだったので
生徒さんにお勧めしました
自分で試す時間が無く、様子を見ていると、経糸の密度が難しい~
ということで、急いで密度を変えてサンプルを織ってみました
ちょうど、整経して使わなかった経糸がったので、それを流用したら
出てきたのは格子柄!!
タイミング良くブログに出されていた先生と電話でお話しすることがってお礼を言いました~
お互いブログを介してアイディア交換が成り立っている様子・・・
こんなやりとり嬉しいですね
タリフの糸で織ってみたいという方のために・・・
大きな格子は4本どり、両端と間の細かいところは1本ずつ の平織です
4枚綜絖を使います
経糸の密度は5/cm 打ち込みは同じくらい
織っているときは経糸が寄っているように見えますが、洗うときれいにそろいます
函館の展示会のご案内
2年前に国内留学で、織を習いに来ていた函館在住のOさん
地元函館の手織り作家と認められ、26日から函館で開催される
『日本の工芸とバーナーワーク展』に出展されます
主催:はこだて工芸舎
日時:2月26日(水)~3月3日(月)
場所:函館市地域交流まちづくりセンター2F
函館市末広超4-19
裏にある出展者リストのNyiというのがOさんです~
タリフの糸を使って織った作品を出品されるようです
写真を送ってくれるそうなので、楽しみです
お近くの方ぜひお出かけくださいネ
会場にOさんがいたらぜひ声をかけて下さい~
ってわからないか・・・
(会場の人に聞いてみてください)
ナバホの練習出来上がりました
11月に上田のディベさんへ伺って、体験講習をして頂いたナバホの小さなラグ
1月にはディベさんに工房に来て頂きました
その後、夫々に織り進め、出来上がってきました
今日は代表で最後の仕上げを習いに橋本教室にお邪魔してきました、
午後から他の場所で講習があるので、最初の40分ほどだけでしたが
皆さんがワイワイと織られている様子、とっても楽しそうこれが、私が最後を仕上げたラグ、3人で交代しながら織りました
いつも私がしている手織りからするととっても簡単な道具なのですが
でも基本となることは、共通していることがあるようです
皆さんの作品はとても素敵でした
ナバホの作品の写真は先生のHPでご覧くださいね~
力作揃い
昨年11月に若手 TKさんの机上講習でオーバーショットを勉強したのを聞いていたYさんとTMさん
その時織っていたのもが終わって次はオーバーショットに挑戦しました
それも、織機目いっぱいの60cm幅
筬に一目の空きもありません
とても頑張って、今日Yさんが織りあげました
これはパターンブックに出ているそのままですが
前準備として組織を分割してわかり易く自分で書き換えました
平織りの地は単糸、模様の糸は双糸です
私が30年前にデイビットに教えてもらって織ったオーバーショットもlこれでした
その時は織り幅に合わせて120cm幅経糸1200本でしたこれはTMさんのオーバーショット
これは経糸と模様の糸が双糸、平織りの緯糸が単糸です
左右対称ではない、流れるような模様です
これは2人の計画に触発されたKさんのオーバーショット
お嬢さんのご希望で赤にしましたが、次の自分の物はYさんの色にしたいとおしゃっています~
織りあがって洗うと、柔らかくなり柄もとても落ち着きます~
綜絖通しも織ることも大変な課題ですが、その分出来上がった時の達成感が大きいですね
Hさんの8枚綜絖サンプルも進んでいます
私もこんなにきれいに織れません~ 憧れてしまいます!
今年に入って、長い間あたためていたテキストを印刷物にする夢が
具体的な構想が出来て、少しずつ進んでいます
千鳥格子のマフラーを織る工程を通じて英国式?機掛けを紹介する小冊子の準備のため、工程の詳細を撮影しています。
以前写真に撮ったテキストを参考にしているのですが、それでもやり直したいところが出てきてまだ終わっていません~
時に甘~いお食後が嬉しいですね
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