2015年 11月 の投稿一覧

単糸で織るときの注意点

手織りのためのスコットランドチェックの本が販売されて2か月ほど
最近になって、問い合わせや糸のご注文を頂くことが多くなりました

今日、ラムウールの単糸で織り始めたけれど、
経糸が次々切れるということでお問い合わせを頂きました

単糸で織る時は少し注意が必要です
この糸は工業用に作られている糸ですから、簡単に切れる物ではないのですが
細くても切れない梳毛糸の糸とはちょっと違います

この糸は紡毛糸です
紡毛糸は比較的短いちぢれの多いタイプの羊毛を混ぜた状態で撚りをかけて糸にします

それに対し、梳毛糸は長く縮れの少ない羊毛を平行に並べて撚りをかけた糸です
繊維が長いので、切れにくく細い糸になります

タリフで扱っている3種類の糸は全て紡毛糸 織って縮絨する糸です
ラムウールの単糸、それを2本合わせた双糸(これがメイン)
それにツイード用単糸の3種類です

同じ単糸でもツイード用の糸は服地用ですから、そこそこ撚りもしっかりかかっています

ラムウールの単糸は言わば双糸のための単糸というところでしょうか
服地用というより、工場ではラムウールのマフラーやストールの生産に使用されています

単糸は少し伸びると、撚りが甘撚りになり切れやすくなります
そこへ経糸のテンションを上げるとすぐ切れてしまいます

なので、整経や機掛けの時になるべく糸を絡ませないように、撚りを取らないように
糸を触りすぎないようにする必要があります
絡んだ糸を何度も櫛掛けすると、その度に糸の撚りは取れて益々甘撚りになり、
切れる原因を作ってしまいます
1本はすぐ切れるのですが、束にすると強いので
糸が絡んだような時は束を持ってさばいてください
テンションをかけた状態で作業をすると良いと思います

タリフオリジナル冊子『千鳥格子のマフラーを織りましょう』で
このやり方の機掛けを丁寧に解説しています

タリフの教室では、双糸で基本を覚えたあと、細い糸は
まずカシミヤ(2/26)で細い糸に慣れ、
必要ならツイード用の糸でバック用の生地でも織って
それからラムウールの単糸を扱います
勿論、最初からトラブルなく織れる方もいらっしゃいます

切れてしまった時は別の糸を足しますが、
長めに用意して、綜絖から離れたところで、ほどけるように結びます
前にぴっぱてきた糸は少し撚り増しをして針で留めます

結び目が綜絖に近くなってきたら、元々の経糸が織っているところへ針で留められる長さになるまで
何度かずらして結びなおします
こうやって結び目を綜絖や筬でこすって再度切れてしまうことを避けます

経糸の張り具合も木綿やリネン、また絹を織られるようにピンピンに張らないでください
でもゆるすぎても絡みにつながりますから、ほどほど織り易いテンションを加減してください

と、今日はこんな内容の事をお知らせしました
その糸に合った扱い方をしてあげれば、大変ではありません

沢山切れるととても悲しくなりますね
大変でも糸始末をして洗うとわからなくなりますから、是非諦めずに仕上げて下さい~

以前の記事も合わせて参考になさってください

関連記事

素晴らしい作品でした

きょうはホームスパン作家のすずきひろこさんの作品展に行って来ました

すずきひろこ WOOLの布たち展-8th

2015年11月20日(金)~11月24日(火)
11:00~18:00 最終日16:30

わたなべ画廊
埼玉県飯能市東町9-2
042-973-7615

初日、しかも始まったばかりでしたが、会場にはもう人がたくさん
知っている方々の顔も見えます~

作品一つ一つがとてもきれいな糸で丁寧に織られていて超完成度が高い!
強撚糸は自分ではしたことがないけれど、難しいと思います
それが、均一に撚りがかけられているので、きれいな布になっています

服地は杉綾と平織の2点
杉綾の方は紡績糸では出せない、
ふんわりしたでも芯がしっかりした味わいのある布です
早速お買い上げを決めた方がいらっしゃいました
凄い!

平織りの方は固めの毛質、
布になるまでローリングが大変だったとお話しされていました
張りがある布で、軽い着心地良いジャケットかな~ 

これほどの量の糸を紡ぐのはどれほど時間がかかるでしょう

一緒に行った娘が、かつて私が人に話していた
『糸を作るより、布を織りたかったからホームスパンには進まなかった』のが良くわかった~と
誰でも、こんなきれいな糸を作ることは出来ないのですから
適した紡績糸に出合った私はそちらを選んだ・・・
合っていたと思います~

完成度が高い作品を見せて頂いて、とても豊な気持ちになりました
有難うございます~

言葉で表現することが上手ではないので、
時間がある方は是非ご自分で実物を見にいらして下さい

久しぶりに電車でお出かけ楽しかったです

関連記事

チェックの魔法にかかった~

書店で『手織りのためのスコットランドチェック』の本を見つけられ
速攻でチェックの魔法にかかったFさん
持前の行動力ですぐ小さなリジットを手に入れ、次の日には糸を買いに工房に来られました

次に糸を買いに来られた時に持っていたバック

20cm幅のリジットで織った布を手縫いで作られていますそして見せて頂いた写真
窓にかかっているカーテンも手作りのオリジナル

毎日1つずつ本に出ているチェックデザインを参考に織ったそうです

チェックの魔法は強力ですね~教室が休みの月曜日
娘makikoが頼まれて生徒さん方にフェルトの講習をしていました

手織りだけでなく手仕事を楽しんでいらっしゃいます~

関連記事

出版記念の会

土曜日の夕方から工房と近くのレストランで本の出版記念パーティーをしました
これまだ沢山の経験をさせて頂いた生徒さん方、
時々の助言を頂いたり一緒に織を楽しんだ仲間
スコットランドへ一緒に行った方々、
編集など実際に本の制作に関わって下さった方々
ご都合が付かない方も有り、こじんまりした集まりになりました

皆さまとの小さな体験が積み重ねたアイディアの集大成の本ですから
心ばかりのお礼の気持ちが伝えられて嬉しかったです

この場に加わって頂けなかった多くの方々にもお礼を伝えたいと思います
有難うございました

関連記事

平織りのチェックと綾織のチェック

平織りしかできないけど、チェックを織りたいという方に
綾織り用に作ったキットも、織れます~ とご案内しています

グレンチェックタイプはそのままの本数で織ると
千鳥格子などの柄は出てきませんから
平織りにするときは、本数を半分にすると、同じような柄が出てきます

タリフの双糸の場合、綾織りで糸の密度は5本/cm
平織りにする場合は4本/cmなので、幅が広くなります
同じ糸の場合平織りは綾織りより密度を下げます

色のデザインは同じなのですが、やっぱり
平織りと綾織ではチェックの表情が少し違いますね

先日お会いしたイーゲルコットさんが教えて下さったのですが
平織りのチェックは和のテイスト
綾織りはタータンチェックのテイスト だそうです

そうだったのか~と納得!
私はチェックの着物地とかあまり見たことがないのでつながりませんでしたが
やっぱりタータンチェックは綾織りだなぁ~と思っていました
勿論本場でも平織りのタータンチェックはあるのですが
圧倒的に綾織りです~『手織りのためのスコットランドチェック』も引き続き好評です~
有難うございますオーバーショットの単発講習のリクエストを頂いたので
綾織りが出来る方向けに1日講習を企画したいと思っています~

関連記事

紅葉がきれいな八ヶ岳

紅葉がきれいな八ヶ岳で過ごしてきました
前半は快晴で紅葉がきれい、山々もこれまでにないくらいきれいに見えました

この写真を撮ったところで、気が付けば・・・

後ろを向いてこの1枚


イーゲルコットさんにも行きました いつも素敵な作品や雑貨がステキです~


ちょっと短いお散歩に・・・

自然の営みをそれなりに続けている沢山の木に囲まれ
その力の大きさを感じます

それに比べ、ちっぽけな人の力、『謙虚に生きたい』と思わせてくれました

関連記事

本屋さんで

地元の本屋さんには無いのですが、
先日都内に出かけた娘が本屋さんで平積みされている本の写真を撮ってきてくれました
(店員さんに断わってここだけ撮らせてもらったそうです)

自分の本がこういうところに置かれているのは、とっても不思議な感じです~

タリフのウェブショップへのご注文も続いています~
有難うございます

関連記事

嬉しい~

基本的に、月曜日は私の休みですが、必要に応じて工房に行きます

今日は父の病院への付添から帰ったところで、
午後糸を買いに来たいお客様から電話が有ったと連絡があり、工房へ行きました

1人目のお客様は、母の昔からの友人Tさん
私の織ったマフラーを最初に買ってくださった方です
先日出版した本の表紙になった赤いブランケットをご注文で織ったという方でもあります
先日お届けしたカシミヤのマフラーの事で工房に来てくださったのですが
そこで、本に出ているがま口バックが気になっているけれど・・・と言われ

手元にあった、バックが晴れて旅立ちました。

2人目のお客様は1ヶ月程前、本屋さんでチェックの本と出会ったのがきっかけで
直ぐリジット織機を買い、次の日には工房に糸を買いに来てくださったFさん

その時に買ってくださった糸でグレンチェックを織り、自分でバックを作って持っている!!
沢山の色を楽しみながら、チェックを織ってみたそうで、
その行動力に、知らず知らず引き込まれてしまいます~
(写真を撮りそびれて残念)

私は用事があったので、後を娘に頼んで途中で帰宅したのですが
私が帰った後の話を聞かせてくれました

と言うのは、前回お会いした時に
『織りに正しい間違いはない、自分が思っていた結果になったかを基準にするといい』とお話ししたそうです。
   ~色々なことを話すので自分では覚えていない~
チェックの本や講習の時にこの思いは貫かれているように意識していますが
このことをお友達に話したら、感動してくださったとか・・・

そうなんです
この頃自分に焦れるのは思った通りに暮らしていないからなんでしょう~
それくらいなら、ちょっと頑張れ!と思うのですが、直ぐ弱い自分にまけてしまいます~

目が良くなって服地を織りたくなって、経糸をかけました
綜絖通し、筬通しが前より早く出来るのは、やっぱり良く見えるからでしょうね
運転用の遠く用のメガネもできて、楽になりました~

関連記事