経糸を数えるときは

              オープン工房のお知らせはこちらから

手織りには、数をかぞえることがたくさんあります

綜絖が4枚で、綾織りが4の倍数なので、特に4を数えることが多いですね
4本は、1本ずつ数えなくても、見てすぐわかります
2本が2つと見てもいいですね

5本になると、2と3に分けてみると、1、2,3,4,5と数えなくても
パット見てすぐわかります
7本は3と4でしょうか

チェックを織るときは、デザイン通りに色と本数を合わせて経糸を作ります
4~6色使うことが多いので、私は1本ずつ整経します

今日の整経は、服地タイプの経糸で18本というところがありました
18本ということは9往復・・・
それを3本を3つに分けて、確かめながら経糸を作りました
普段からそんな習慣をつけておくと、
少し複雑なことも、簡単にできるようになります

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オープン工房のお知らせ

2か月に1度 どなたでも工房に来ていただける日です
手織工房タリフはどんなところ?
糸を実際に見てみたい~
手織りの話がしたい~
手仕事を一緒に楽しみたい~
           などなど

5月27日(日曜)  10:30~16:00

教室をしている時は、ゆっくりお話しもできませんが
この日は予約も問い合わせもなしで、好きな時間にお越しください~

今回はオーバーショットの織り体験をします
コースターサイズ 500円 
事前にご連絡いただければご希望の時間の予約を承ります

編み物など手仕事ができるコーナーも用意します
織ったものをお持ちいただいて見せ合う情報交換もいいですね

お待ちしています

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新しく仲間入りした織り機

先月ですが、工房に新しい織り機が仲間入りしました
友人のお母さまが大切にされた織り機を譲り受けましたホームスパンで服地も織られたとのことですが
その頃は友人も私も子育てで忙しかった時期
今だったら色々お話できたのになぁ~と思いながらいただいてきました
これは八王子の大忠さんの織り機、現在は残念ですがもうありません
和の織り機から少し手を加えて、天秤式のパーツもついています
間丁が長く、いわば和洋折衷で、服地を織るのにとても適しています
そして、体格に合わせて少し低くしてもらったのか、織る位置からペダルまでも近い
何より本体の重さがあり、フレームがしっかりしているので
狂いもないし織りやすい~

移動もしにくいので、工房の一番奥が定位置になりました
私が試しを織ってみて、昨日から生徒さんが服地タイプの糸をかけ始めました

工房の織り機はほとんどが使わなくなった織り機を入手して集めているために
色々な種類があり、織るものに合わせて使う機を変えています
全て具合が良いという織り機はなかなかありませんが
少し手を加えて、タリフ仕様にして使っています~今年も9月の東京スピニングパーティーに出店が決まりました
オーバーショットの織り体験をしたいと計画中で、詳細は追ってお知らせします

連休中母の体調が少し落ちて、例年のように八ヶ岳へ行かれないし
自分のことを後回しにする日々に少々疲れがたまっていましたが
久しぶりの服地の織りを楽しみ、エネルギー補充をしました
落ち着いてきたので、また少しずつ発信したいと思います~

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みんなで織ったタータンの話

山形の糸の話の続きもあるのですが
今日は高校生が登録してみんなで織ったタータンの話

初めて高校3年のHMさんから相談の電話がかかってきたのは昨年秋でした
「登録したタータンをみんなで織っても、そのタータンと言える?」
昨年、本場スコットランドでタータンを織る工場で
一つのデザインを色合いやチェックサイズを変えても
同じタータンだという話を聞いてきたことをお知らせしました

それから、色々話を聞きました
高校生のグループが学校の25周年を記念してタータンをデザインして登録
それを小学生から高校性までのみんなで織りたいという計画をしていると話す彼女の話に熱意が伝わってきました

それから電話とメールのやり取り数回
登録するタータンというのは、1リピートのサイズが大きいので
実際にその本数で織ることはできないし
手織りにするためには織りやすい本数でのデザインが大事です
糸のこと、本数のこと、タータンは四角が正方形でなくてはならないことなどを話して
タリフの糸で手織のためのサンプルを織って送りました

その後、卒業の時期になり「どうなったかなぁ~」とおもっていたら
先日嬉しいメールと写真が届きました

タータン企画、大成功!!!!!!!!
明石さんに相談にのっていただき、覚悟ができ、何度か挫折しましたが、無事企画を晴れ晴れと終えることができました

素敵な糸が見つかり、念願の「みんなで織る」という目標も達成しました。私の通っていた学園は、和歌山以外に3つ姉妹校があり、福岡県、福井県、山梨県を織り機とともに旅をして、各地の子どもたちが携わってくれました。行くさきざきで、織り機に食らいついて離れない子が続出し、みんな興味津々で長蛇の列ができ、一人横糸三回ほどのガチヤガチャンを楽しんでいました。「織ってみるの、夢だったのー!!!」と興奮している小学生の女の子もいて、とても心があったかくなった旅でした

私が覚悟させた???というのは、織ったことが無いのに
チェックをきれいに織るのは大変だということですが
見事にやりきった彼らに大きな拍手を送ります

この経験を足掛かりに次のステップに飛び立ってください

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機械で作る梳毛糸2

細く細く伸ばされたトップに撚りをかけて糸になります

細くなったものが最後はチーズ巻きにされます

一定量になると自動的にポロッと前に落ちてきて次の芯に巻き取りが始まります

次に糸に撚りをかけます

この写真はスコットランドの工場で見た紡毛糸の紡績です
撚りをかける前の糸が上にあります

梳毛糸は上から吊り下げられていました

撚りがかかっていない糸が上から下へ送られ
撚りがかけられ、軸に巻き取られていきます

リング紡績は、目にも止めない速さでリングをグルグル回る爪のようなものに
糸を引っかかって撚りをかけ、その位置が上下してきれいに巻き取られていきます

ここまでで、どうやって均一は細い糸が作られるのかが解ったのですが
スラブの糸や、モヘアの糸はどのように機械で作られるのでしょうか???

まずスラブ
撚りをかける前の糸状のものを引っ張り出すスピードを速くしたり遅くしたりするそうです
又は糸を送り出すのを速くしたり遅くしたりかもしれません
(機械のメカニズムまでは理解できませんでした)
引っ張るスピードが速ければ細いなり、遅くすると太いまま撚りがかかり
スラブの太いところになります

モヘアは繊維がツルツルで撚りをかけても抜けてしまうため
芯になる糸を添え、その糸に細いモヘアの毛を止めるためにもう1本細い糸をグルグル回して糸になるそうです
その時に芯を引っ張るスピードより毛を送り出すスピードが速ければ
毛が余るためにループになったり、変わり糸を作ることができるそうです
微妙に糸の送りや引っ張るスピードを変えて色々な糸を作るのですね

手紡ぎでは全て手でしていることを機械が上手にできることが
「なるほど~」ととても面白かったです

続きはもう少し佐藤繊維の正樹氏の話を・・・

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機械でつくる梳毛糸 1

手紡ぎをする方なら一度は手にしたことがあるトップと呼ばれる羊毛は
梳毛糸を作るために作られたものであるとご存知でしたか?

羊の毛は細くて長いものや、縮れて短いものなど
体の部位によっても状態は違います
メリノのように細くて長い毛質は梳毛糸向きです

刈り取った羊毛はきれいに洗ってトップになって日本にやってきます
洗うための薬品が日本の環境基準に合わず、日本に工場はできないとか
圧縮されて硬い塊になって入荷されます
「止めてある針金を切ると、膨らむんですよ~」という説明に思い出すのは
スピニングパーティーの時、ひつじまるごと研究所の羊毛が
酒井さんの手で小さく圧縮されて届き、あっという間に膨らんだ様子です

トップから丁寧に糸を引き出そうとしても、どうしても節ができてしまいます
羊毛の繊維が平行に並び篠状になったものをどのように均一な細い糸にできるのでしょう?

その答えがこちら
7本のトップを合わせて機械に通します
その時、送りだす方のスピードを8、引き出す方のスピードが10だとすると
そこで少し伸ばされて細くなります
7本をあわせることで少々バラつきが残っているトップがより均一化されます
7本が細くなって1本になったものをまた合わせて、機械を通して少し細くします
この工程を何度も、何度も、欲しい細さになるまで繰り返します
なので、工場内は同じことをしている機械がたくさんあります
撚りがかかっていない糸は容器の上にそっと円を作りながら重ねられていきます
底にバネが入っていて残り少なくなると上に上がってきて
いつも同じ状態で糸を供給しています
この写真はずいぶん細くなりましたね
最終段階までの間に、元のトップにすると1500本が合わされたことになるそうです
だから、節のないきれいな糸になるんですね
続きは次回に

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梳毛糸の紡績 佐藤繊維見学

子供の頃から作文が苦手です
これまでも、旅行の話など尻切れトンボになっているのがほとんどですね
今度もそうなり兼ねない
パソコンに向かう時間が取れないうちに次々と他のことが入ってきてしまいます

でも今回山形遠足で見て来たことはどうしても伝えたいので頑張りましょう~
スコットランドで沢山見て来た紡毛糸の紡績(機械で糸を作る)
きれいな細い梳毛糸をどうやって機械で作るのかを見てみたいとずっと思っていました
スコットランドでは梳毛糸の工場はないから
ヨークシャーへ行きなさいと言われたのはずいぶん前です
(ヨークシャーはイングランドです)

そして、3年前のスピニングパーティーで
友人に頼んで出店された佐藤繊維の社長さんに紹介してもらい
今回の工場見学を目的に計画した山形遠足となりました



佐藤繊維は山形県寒河江市にあり、
自ら羊を飼い始め紡績業を起こした創業者から現社長正樹氏は4代目
多分唯一又は数少ない 紡績からニットの完成品まで一社で行う会社です
現社長のユニークでモノづくりへの情熱で世界に知られる製品を生み出しています
その情熱はぜひ会社のサイト「紡績部」をご覧ください

紡毛糸の紡績に比べて梳毛糸は面白くないわよ~ 
と言われたことがありましたが
機械で糸を作ることに興味がある私としては、とっても面白かった

ちょうど本社にいらした正樹氏の話もお聞きできて
糸に寄せるただならぬ情熱に、こちらまで熱くなりました
手紡ぎをされる方ならなじみがあるトップと言われる羊毛から
どうやって細いきれいな糸ができるのか
次回をお楽しみに

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私のツイードがスコットランドへ

2015年秋に出版した「手織のためのスコットランドチェック」
取材のためにスコットランドを訪ねたのは2015年5月
ひと昔前のものだと勝手に思い込んでいたエステートツイードですが
現在も使われていると、相談に乗ってくださったMr Sugdenの紹介で
インバネスの近くにあるコーダ城の主 Lady Cawdor お会いしました

その後、スコットランドを思って織ったツイードを差し上げ
約2年半を経て仕立てができたと写真を送ってくださいました
許可していただきましたのでお見せしますね
とても背の高い方で、織りながら思い浮かべた通りとてもお似合い
ご自分で」デザインしてCampbell of Beauryの仕立てだそうです
とても気に入っていると言ってくださいました

濃い緑と赤紫のチェック、スコットランドの花「あざみ」の色です
35年前にスコットランドから持ち帰った糸ですが
今作らてれいる糸の色と微妙に違って落ち着いた色合です

コーダ城はスコットランドで数少ない個人所有のお城で
冬季を除いて、公開しています
冬季には家族が暮らすこのお城は生活感があり、どこか暖かい
働いている人たちも、ここで働くのが嬉しい~と生き生きしています

Lady Cawdorの熱い想いも伝わってきました
スタッフとの短いやり取りに、その人たちを大事にするそのお人柄がみえて
心地よさがここから広がっていることを知って
スコットランド好きとしてはとても嬉しかったことは忘れられません

行きたくなってしまいました♡

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オーバーショットは平織りと綾織りの組み合わせ

ウェブショップに毎日オーバーショットの冊子のご注文が続いています
この機会にと、購入のために工房を訪ねてくださった方や
近くに来たからと工房を訪ねてくださった沖縄在住の方など
手織りをされる方々のオーバーショット人気が伝わってきます

買ってみたものの、中を見たら難しいと思われる方も多いでしょう
上級者向けではありますが
見てわからない、読んでもわからないと、匙を投げないでくださいね

もし4枚綜絖に慣れない、綾織りが不確か、と思われたら
タリフオリジナル冊子の2冊をお試しください
 
4枚綜絖の基本は綾織りだと思います
それを覚えるために最適なのは千鳥格子!!
なぜって、4枚綜絖を繰り返し通すのに4本ずつ色が替わり
織るときも綜絖の1と2、2と3、3と4、4と1の4種類の綜絖の動き
それの繰り返しでこれも4段ずつ色が替わる
迷子になりにくく、何をしているのかが解り易いのです

「千鳥格子のマフラーを織りましょう」では
千鳥格子を基本に、主に洋式の機がけのやり方を解説しています
織り機に経糸をセットすることに苦労されている方に役立つヒントを
たくさん紹介しています
(抜粋がスコットランドチェックの本に掲載されています)

千鳥格子が問題なく織れるようになったら
「色々な綾織」に進んでください
最初の方で組織図を自分で書く提案をしていますが、
その図の意味が解ってくると、他の本などの組織図も読めるようになってきます

オーバーショットは組織図がつきもの、綜絖通しも複雑です
綜絖の通し方と織り方の図を見ながら織ることはできますが
何をどうしてこの模様が織れるのか理解できたらもっと楽しくなりませんか?

教室に入る前に「色々な綾織り」を買って勉強したMHさん
「説明も良くわかったし、読んでいたら先生の声が聞こえてくるようだった」と話してくれたら
教室卒業を機に自分の織機購入を決めたKMさん
「そうそう、改めて冊子で復習したら先生の声が聞こえてきました~」と・・・

簡単なことから少しずつ進めていくと
気が付かないうちに理解できる思考回路が構築されて
難しいと思っていたことが理解できるようになります
面倒がらずに、隅々までよく読んで、自分でノートを書いてみてくださいね

冊子に出ているデザインを早速織ってくださったNさん
ブログで紹介してくれました
楽しく織って、いつも応援してくれている嬉しい織り仲間です

山形のことなどお知らせしたいことがたくさんありますので
頑張って発信したいと思います
(実はパソコンより手仕事をしたいんです・・・)

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山形遠足中

工房の希望者と山形遠足に来ています
寒河江市にある佐藤繊維の工場見学が目的ですが
思いかけず、山形市の霞城公園の桜が満開でした
1時間早い新幹線に乗ったので、集合前にゆっくり楽しみました
佐藤繊維では、社長さんが貴重な話をたくさんしてくださり
これまでバラバラだった情報が一気につながりました
詳しくは帰ってから…

明日は天童木工とオリエンタルカーペットの見学をして帰京します

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