手織りの布には耳がある!

随分間が空いてしまいました

この頃工房で話題になったことに、織ったものの耳の糸の始末のことがあります
私は4段~6段くらいの色替えは切らずに続けます
縦に渡っているところを織りながらからげていくと目立たなく出来るのですが
この糸が見えるのは手織りならではと思っています

というのは近代の工場の織機で織られたものは手織りのような耳がありません19世紀後半から活躍したドブクロスという織機はシャトルが使われています

この写真は改築前のKnockando Woolmillで撮りました
今でもこの織機がうごいていて、この織機で織った布は耳がきれいに織り込まれています

シャトルを使う織機はボビンの糸が無くなったら織機を止めなくてはなりません
この織機は1分間に100段織れるそうです

スピードアップのために新しく作られた織機はシャトルを使いません
織機の脇にコーンに巻いたままの糸をセットして、毎段通していきます
どうやって??? 
左から糸をつかんだ腕が進んでいきます
同時に右から腕が伸びてきて、真ん中で糸先を右の腕に渡します
そして右端まで緯糸を引っ張って行きます
これで1分間に400段にスピードアップしたそうです
目にも止めぬ速さの機械をゆっくり動かして写真を撮らせてもらいました

既製品のマフラーは幅広の織機で間を空けて何枚も同時に織って、
仕上がってから切り離します
だから、耳があるマフラーは手織りだけです
そんな証拠に色変えの時の緯糸はほどほど残しておきたいなぁ~と思いますが、
みなさんはいかがでしょう?父が亡くなって1ヶ月余り、昨日関係者の方々にお越し頂いて偲ぶ会をしました
お話し頂いた父の思い出から、これまで知らなかった一面も教えて頂きました
99歳まで意欲を無さず、回りの人を巻き込んで爆走・・・
おせっかいと思ことが多々ありましたが、
それで命を助けられたという方の話もあり、
聞かせて頂けて良かったです

一番近くにいた孫娘の感想「自己中だった」 
家族には、そうだったね~



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夫々に楽しむ教室~

今日からまた賑やかな教室が始まっています~
連休の間にいろいろな色を組み合わせて5本もマフラーを織って楽しんだ男性生徒さんのTさん
次々と質問が出てきて、どう説明したら良いかを考える私の頭はフル回転
女性の興味とはちょっと違うのが、とても新鮮
理屈っぽい私だから答えもちゃんとある!さてどう説明するか・・・ 

今日から新しい作品に取り組むKさんは迷ったけど、タリフでキットを販売しているリバーシブルのマフラー(2カラー)に挑戦
自分の欲しいサイズなどを割り出したあと、1人で丁寧なノートを書きました~

アパレル関係の仕事をしている青年Iさんは、2作目の長いマフラーを黙々と織り続けました
何にでも興味があって、織りながらも耳はダンボ! 
そうそう~ 沢山のことを拾い集めて役に立てて下さい~ 

カシミヤで一部杉綾の組織が入ったチェックを織り始めたSさんは
ペダルの踏み方が一度では呑み込めず、何度か書いたノートとにらめっこ
でも、最後に『あぁ~そうか』と自分で道筋を見つけられました

何処でそう思えるか、どの道筋に落ち着くのか、みんな違うのでそんな過程が楽しい~

ツイードを織り始めたHさんは、デザインも自分で考え、計算したり、機掛けもほとんど1人でしました
間違いも自分で見つけ、どうしたら良いかを説明すると自分で出来る~
そんな手間のかかる直しを終えて、試織り、色や打ち込み具合を確認して、本番を織はじめました

沢山の刺激をもらって、私も楽しかった
さあ、明日は休みだけど土曜日は7人の予定~ 賑やかになりそうです

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ちょっとお出かけ

ゴールデンウィークにイギリスから友人夫婦が来日しました
前半は香港で働いている息子とガールフレンドと一緒に観光し
最後の4日間を私達家族と一緒に過ごしました

来日してすぐの1日、一緒に行ったのは スカイツリー
私も初めてでした 当日券でも待つことなく、スムーズ

高いところも感動だったけど、浅草までの移動中に見つけたこのスポットも良かった
浅草寺はとても混んでいました

連休が終わって、息子さん達が帰ってからは、一緒に八ヶ岳の家へ行きました
6か月ぶりの家も、窓を開けて外の温かい風を通して気持ちがいい~


近くにありながら行ったことがなかったゴルフ場へご案内
ひょっと標高1000mでのプレーに興味あるかなぁ~と

プレーはしなかったけど一番眺めの良いところにレストランがあり、ランチを楽しみました

めったに食事の写真は撮らないのですが
たっぷりのローストビーフがとても豪華、リーズナブルなお値段でした
とても元気になったような気がしました~

帰りは清里方面へまわって、いつも見ない東側から見た八ヶ岳両親のことがあってずっと遠くへ行けなかったから、とてもいい気分転換になりました
ちゃんとこの予定をキャンセルしないで済むようにタイミングを見てくれた父の配慮があったかもしれませんね

久しぶりの英会話で、また日本語には無い雰囲気を楽しみました
1975年英国滞在中に参加した2週間の手織り講習会で出会い、その後沢山のことを教えてもらった友人J
J亡きあと、Jの姉Nと親しくさせてもらい、Nも亡くなり、今度来日したのはその娘N夫婦 
渡英するといつも受け入れてくれた彼女たちに感謝! 少しお返しができたかな~

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みんな笑顔でした

ちょうど1週間前に父を見送りました
ベットに座って夕食をいつものように食べ、
昼間に頼まれて買ってきた雑誌を読んで、そしてそのまま・・・
母がトイレに立った間のちょっとした間に1人で旅立っていきました

心不全が進んで息苦しくなってきて、あとは安静に努めて・・・と主治医に説明をうけ
あと1週間かなとつぶやいた父
最後まで自分が望むように過ごし、介護の手を沢山煩わさせることも無く
でも程々は世話になり、誰もが羨むような幕引きでした
本人の希望で自宅で家族葬、終始和やかでした
その時の集合写真を見ると、父の近くにいた人ほど笑顔です~

不思議と喪失感がありません
これからでしょうか・・・・
母の世話と次々と必要な手続き、外向けの偲ぶ会の準備などやることは沢山
来週から教室も通常に戻ります
講習日の急な休みなどご迷惑をおかけいたしました~

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糸販売変更のお知らせ

随分久しぶりの更新になってしまいました
まずお知らせです

糸の販売に関して、諸事情のためいくつかの変更の検討を続けてきました
価格、100gを玉巻きからコーン巻きへ、数色の変更です
詳細はこちらをご覧ください
既に糸見本をお持ちの方には、リクエストをして頂ければ新しく加える色の見本をお送りします
メールはウェブショップからお願いいたします

やっぱり介護に体力と時間を費やすことになってしまいました
母の寒い日のお出かけの後、風邪を引いて熱を出し、その後急速に体調を崩して緊急入院となりました。
でもどこにいるかがわからず混乱する母に一晩付き添い、家に連れて帰ることを希望して3泊で退院しました
幸い回復が早く、混乱も収まり落ち着いてベットで過ごしています~

随分前から家事や父の世話が大変だったのに、自分では止められなかった母
そのために必要だったのかもしれません
母が落ち着けば今度は父の番 同時じゃないのでちょっと助かる!
出来るだけヘルパーさんに入って頂き、仕事を続けています~

この間少しずつすすめているのが、ブランケットです
115cm幅12mの経糸を私がセットして、生徒さんや友人たちが次々に織りました
経糸は思いつくままにストライプにしたもの
緯糸は好きな色で好きな様に織ります
この方は沢山ある色を次々と・・・ 好きな色2~3色を繰り返した方も
7枚分が織りあがって、工場で洗ってもらいました 
多分4㎏位 工房の秤は2㎏までなので、計れません

次の経糸は超カラフル 
この織機は部分整経が出来るように大きなドラムを付けてあり、
巻き取りの時に両脇に端が崩れないようにドーナツ状の輪をセット
お陰様で12mの巻き取りも20分くらいで出来ました

水曜日もお休みにさせて頂いているので、他の日の教室は毎回賑やかです~

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やっぱり 思った通りになった

月初めから教室をする日を取っていくので、月末にまとめてお休みの日があります
今週は、そんな日が続きます
前からあれをしようか、これをしようか、と楽しみにしていたのですが
私にそんな時間が取れるときは、必ずと言っていいほど、介護が入ります
そんな気がしていました~

土曜日の夕方、寒い風が吹く中1人で近くの八百屋さんまで行った母
私でも重くて・・・と思うほどの買い物をしてきました
久しぶりだったから、嬉しかったんでしょうね

でも、大きく体調を崩すことが無いようにあれこれ気を使ってきた私にとっては
やる気が失せてしまいます~
それから手を出さずやりたいようにやらせてあげました
意地悪で手伝ってあげなかったというより
勝手を許したと思うことにしています

月曜日頃から咳をしていると思ったら、
昨日から発熱 やっぱりね!
インフルエンザを疑い訪問診療の看護師さんや先生が駆けつて下さいました
結局風邪でしたが、治るまで時間がかかりそう~

「黙って買い物に行って後悔している?」と聞いたら
「していない」と即答したのは、ちょっとびっくり
お陰で、織っている途中でやめて帰宅したり、
朝から病院と薬局を回って薬を持って帰ったり、
私のせっかくのフリーの時間が随分とられてしまいました~
そんなこと考えないのかなぁ~

自分で出来ないことが多くなった年寄りは、意せずしてみんな我がままですね
さて、自分はどうなるか・・・
どうしたらそうならずに済むか
それを考えるチャンスをもらったと思いましょうか・・・

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私の織機を診てもらいました

先日発覚した、私の織機の不具合
糊付けしてあったらしいところが抜けて来ていました

全体も診てもらようにお願いしたのは北杜市のきつつき工房さん
イベントでご一緒したり、八ヶ岳の家に行った時にお邪魔したり
本にイラストを描いていただいたり、というお友達です抜けてきたところだけでなく、下から上まで、
あちこちの対角線の長さを計ってゆがみを確かめて下さいました~
片方を抑えて引っ張ってゆがみを直したり、でも逆さをするとすぐ戻る・・・

診断結果は、分解して各箇所ゆがみを直してねじ止めにして、
可能な限りゆがみを無くすこと
色々相談の結果、後日きつつき工房に運んで手直しをして頂くことにしました

ツイードを織るのに使いやすい織機なので、手入れをして大事にしたいと思います~

その後、今度スコットランドツアーに参加される方々との顔合わせと説明をしました
地方の2人はスカイプで参加
毎日のプランを順番に説明して、「益々楽しみになってきた~」という感想が嬉しいですね
初めて会った人たちも、あっという間に楽しい仲間になりました

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生徒さん方の作品

月に3回のレギュラーメンバーは、都合の良い日に予約をして講習に来られます
なので、人数が多い日と少ない日があります
人数が多くて、新しく始める人や初めての物を織り始める人がいると
私はとても忙しい・・・ 
ちゃんと理解して頂くように説明できたのか、
迷子にさせることは無かったのか、など緊張するでもやりがいを感じる時でもあります

基本から応用へと順を追って講習を進めるのですが
それでも、どこか「解らない~」と感じながらの方もいます
そんな感じだったMさん
最近の2,3作で不安なくチェックを楽しんで織れるようになりました
これは先日織り終えたチェックのストール

「Tartan & Tweed」に掲載されているチェックです
 
同じように、少しずつチェックに変化を加えて織っているUさん
最近織りあげたのは細い糸に挑戦してカシミヤのマフラーです
好きな色を差し色に使いました

好きな色の細い梳毛糸を見つけて持って来られたSさんは
2本と3本に引き揃えて織りました
タリフの糸のマフラーに比べて少し重いのですが
梳毛糸特有の手触りの良い作品が織りあがりました

7枚綜絖ワッフルの2枚目を織りあげたのはIさん
タリフの糸の中ではビビットなピンクと白のコントラストがステキ!
好きなピンクを織りたいとカシミヤ2本どりであじろ柄を織ったMさん
いつも、きれいな作品を仕上げたいと努力されています
これも、「Tartan & Tweed」に掲載されているデザイン
同じあじろ柄を洋書から選んで太目の綿糸でバック用の布を織ったIさん
本に間違いがあって模様がきれいに出ないハプニングも
何もなかったように通し治して、きれいに織れました
お仕事の都合で回数も少なめですが、長く続けていらっしゃいます
始められてまだ半年のHさんですが、織りたいというものがはっきりしていて
次々織りたい物に取り組み仕上げています
ニットの帽子の色に合わせて、カシミヤ2色紺とグレーの昼夜織り
若い時にドラムをしていたという足さばきのコントロールの良さで2日で仕上げました

写真を撮り忘れましたが、自宅でツイードを織れるようになることを目標に通い始められた男性のTさん
3作目のストールサイズを織り終えました
今回の挑戦は本数の多さと船杼の使い方でした
踏み間違いが3か所見つかりましたが、直し方をしっかり習ってあとは自分で・・・
少しずつハードルを上げて目標に近づけて行きます~

毎回質問が沢山あり、はっと気づかされることも沢山あります
無意識にしていることを聞かれると改めて考えますから~

教えることは自分が勉強する事
デイビットに教えてもらった、相手に合わせて教えることの楽しさを感じます

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織りあがりました

ふと気が付けば、3月も半ば 何も書かずに過ぎてしまいました

今日は珍しく教室の予約が無く、自分のことが出来る・・・
比較的頭が働く午前中に、スコットランドツアー関連で、英語のメールをいくつか書き
午後は、時間がかかっていたカシミアのストールを織りあげました
次は服地の経糸をかけようと準備していたのに、2枚目のストールが半分織れたところで、
織機の不具合発見!

つなぎ目の所が緩んできていました
私の所に来てそろそろ10年位の中古の織機 
殆どいつも糸がかかっていました

というわけで、ちょっとお休みをあげて、メンテナンスをしてもらいましょう~

もう一つは10月末からKさんが織っていた服地
スカートと短めのコートを作りたいと80cm幅6mを織りあげました
緯糸がたるんで入っていたところが沢山あり、織りあがってから直しが大変でした
それも全部終わって、これから工場に送って洗ってもらいます

スコットランドツアーは、現地と具体的なプランを連絡していますが
ちょっとした手仕事と紡ぐ人たちとの交流が出来そうです~



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至福の時間~

あっという間に2月が過ぎました
お正月に織る予定だった服地とその後のカシミヤのストール
カシミヤストールを先にして、どうにか経糸をかけたものの
2月は介護に時間とエネルギーを取られ、織れないまま・・・

月末は教室の休みが多いので、今日は1人で織りました~
久しぶりだったので、手が思い出すまであれこれ2時間
結局打ち込みがうまくいかず、解いてやり直し・・・
楽しい時間はあっという間に過ぎますね

調子が変わらない内に織りあげたいと思います

ちなみにタータンのチェックデザインは左右・上下対称
経糸と緯糸は同じ、織りだされるチェックの四角は正方形という決まりがあります
横布で民族衣装のキルトを作るためです

経糸の密度に比べ、緯糸の打ち込みが足りないと
なんとなくチェックがきれいに見えません
ものさしを使って計りながら打ち込みを確かめるのですが
たてよこ同じになると、整った景色になってきます
不思議です

今日はこんなことを考えながら織っていました

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