毎月第2水曜日は、手織工房タリフにbaru先生が来てくださって
手紡ぎとニットの教室をしています
午前中の紡ぎのレッスンでは、手紡ぎ毛糸にまつわる奥深い話がおもしろく
糸についての興味は尽きません
ニットは、手紡ぎの糸だけでなく、本のこのデザインが編みたい・・・など
希望に沿って教えてくださいます
宿題無しの教室の時間だけで編み進めるのも良いかな~と思います
参加者募集中です
次回の紡ぎレッスン6月12日(水)は
メリノとシルクをブレンドした糸の講習です
1回だけの参加も可能ですから、興味がある方はお知らせください
10:30~12:30 講習料3000円 材料は実費です
さて、1週間前の5月の紡ぎとニットの日に、会う機会が取れずにいたTESSILEさんが来てくれました
ずいぶん前にbaru先生につなげてくれた友人です
私たち3人と娘Mの共通の興味は糸や手紡ぎのこと
それぞれに少しずつ違う手紡ぎの経験があり、毛のこと、紡ぎ方、その後のことと
久しぶりに工房近くで中華の食事を楽しみながら
終わることが無い糸の話を存分に楽しみました~
どのような形にしても、糸は嘘をつくことが無いという結論を踏まえて
羊毛の種類、紡ぐときのテクニック、糸の形状、仕上げの仕方・・・
少し疑問を持ったら、奥深さに芋づる式に興味は続きます~
新しく共有できた1つは
『紡毛糸の双糸でが好き』という娘Mが織ったマフラーについて
手紡ぎ糸で織ったものは、踏んだり、ローリングしたり、という仕上げが
糸の味を引き出すということは経験していたのですが
双糸の場合はどうする???
単糸を2本合わせたら、糸に弾力性が増し、それが双糸の味
手編みには双糸が向いている、と考えますが
でも紡毛糸で手編みにすると、3年目にはダレてくる・・・
ず~と、回り道しながら私たちがたどり着いたのが
同じ紡毛糸でも単糸と双糸は別物‼
知っている方には何でもないことが
自分たちの経験や意見を合わせて引き出した結果は
教えてもらったよりずっと嬉しいものですね
沢山エネルギー補給をしたひと時でした
次は7月のbaru先生のレッスンに合わせて合うことになりました~
スコットランドからの糸が今日届きます
工場の生産の遅れと10連休の休みに巻き込まれて輸入が遅れて
待っていてくださった方々にはご迷惑をおかけしました
確実に上がっている仕入れ値段、どのように対応できるか慎重に検討する必要があります
極力値上げを避け、送料など手間をかけても安くする努力をしたいと
私たちの小さな商売を継続するための工夫を大事にしていますので
どうぞよろしくお願いいたします
9月21日22日の東京スピニングパーティーに参加します
糸のこと
毛糸の性質
ずっと前に紡いでそのままにしてあった糸を洗いました
毛に少し脂が残っているので、紡いでから洗う必要があるからです
コリデールはとてもフェルト化しやすいため織り用の糸ではなく
梳毛糸やセミ梳毛の糸の手編み用の糸にしました
娘が紡いだ紡毛糸も撚り止めしたため
両方を一緒に干すことになって、糸の性質が正直に出た結果を目にしました
右(甘茶と白)は、私がコリデールを梳毛やセミ梳毛に紡いだもの
左は娘がダウン種の毛をローラグにして紡毛糸に紡いだもの同じニディノディでかせあげしているので、同じ長さだったのですが
洗って見ると紡毛糸は弾力性が出て短くなっています
羊毛の持っている性質、糸の形状の持つ性質が
その後どうやって形にするかではなく
この時点で決まっていて作品に反映されるのですね
ちなみに紡毛糸の紡ぎ方が色々あることがわかってきました
一口に紡毛糸紡ぎと言っても微妙に違うような・・・
そこが手紡ぎの楽しさのような気がします
色・色・色
時々面白いものをくれる工房の大家さん
空いている部屋にお宝をたくさん詰め込んでいて、最近片づけています
先日「もう2か月も考えていたけど・・・これ何か役に立ちませんか?」とレジ袋を持って来られました
開けてみたら、沢山の刺繍糸こんなのを見ると、整理せずにはいられない・・・
殆ど同じ色は無く、手芸屋さんで全色買ったのかな?と思うほど
色番号が続いていたりします
この連休は教室を休みにして、新しいキット用の写真やホームページ用の写真の撮影をしていますが、
その合間に色遊びを始めてしまいました色順に並べてみてどうしようかな???と思っていたら
60歳過ぎて刺繍を始めた私の祖母が
刺繍糸を紙の上に並べてくるくる巻いていたのを思い出しました
子供の時は、書類入れケースに色別に入った刺繍糸が憧れでした
さて、これで何を織れるでしょう~
機械で作る梳毛糸2
細く細く伸ばされたトップに撚りをかけて糸になります
細くなったものが最後はチーズ巻きにされます一定量になると自動的にポロッと前に落ちてきて次の芯に巻き取りが始まります
次に糸に撚りをかけます
この写真はスコットランドの工場で見た紡毛糸の紡績です
撚りをかける前の糸が上にあります
梳毛糸は上から吊り下げられていました
撚りがかけられ、軸に巻き取られていきます
リング紡績は、目にも止めない速さでリングをグルグル回る爪のようなものに
糸を引っかかって撚りをかけ、その位置が上下してきれいに巻き取られていきます
ここまでで、どうやって均一は細い糸が作られるのかが解ったのですが
スラブの糸や、モヘアの糸はどのように機械で作られるのでしょうか???
まずスラブ
撚りをかける前の糸状のものを引っ張り出すスピードを速くしたり遅くしたりするそうです
又は糸を送り出すのを速くしたり遅くしたりかもしれません
(機械のメカニズムまでは理解できませんでした)
引っ張るスピードが速ければ細いなり、遅くすると太いまま撚りがかかり
スラブの太いところになります
モヘアは繊維がツルツルで撚りをかけても抜けてしまうため
芯になる糸を添え、その糸に細いモヘアの毛を止めるためにもう1本細い糸をグルグル回して糸になるそうです
その時に芯を引っ張るスピードより毛を送り出すスピードが速ければ
毛が余るためにループになったり、変わり糸を作ることができるそうです
微妙に糸の送りや引っ張るスピードを変えて色々な糸を作るのですね
手紡ぎでは全て手でしていることを機械が上手にできることが
「なるほど~」ととても面白かったです
続きはもう少し佐藤繊維の正樹氏の話を・・・
機械でつくる梳毛糸 1
手紡ぎをする方なら一度は手にしたことがあるトップと呼ばれる羊毛は
梳毛糸を作るために作られたものであるとご存知でしたか?
羊の毛は細くて長いものや、縮れて短いものなど
体の部位によっても状態は違います
メリノのように細くて長い毛質は梳毛糸向きです
刈り取った羊毛はきれいに洗ってトップになって日本にやってきます
洗うための薬品が日本の環境基準に合わず、日本に工場はできないとか圧縮されて硬い塊になって入荷されます
「止めてある針金を切ると、膨らむんですよ~」という説明に思い出すのは
スピニングパーティーの時、ひつじまるごと研究所の羊毛が
酒井さんの手で小さく圧縮されて届き、あっという間に膨らんだ様子です
トップから丁寧に糸を引き出そうとしても、どうしても節ができてしまいます
羊毛の繊維が平行に並び篠状になったものをどのように均一な細い糸にできるのでしょう?
その答えがこちら7本のトップを合わせて機械に通します
その時、送りだす方のスピードを8、引き出す方のスピードが10だとすると
そこで少し伸ばされて細くなります
7本をあわせることで少々バラつきが残っているトップがより均一化されます7本が細くなって1本になったものをまた合わせて、機械を通して少し細くします
この工程を何度も、何度も、欲しい細さになるまで繰り返します
なので、工場内は同じことをしている機械がたくさんあります撚りがかかっていない糸は容器の上にそっと円を作りながら重ねられていきます
底にバネが入っていて残り少なくなると上に上がってきて
いつも同じ状態で糸を供給しています
この写真はずいぶん細くなりましたね
最終段階までの間に、元のトップにすると1500本が合わされたことになるそうです
だから、節のないきれいな糸になるんですね続きは次回に
梳毛糸の紡績 佐藤繊維見学
子供の頃から作文が苦手です
これまでも、旅行の話など尻切れトンボになっているのがほとんどですね
今度もそうなり兼ねない
パソコンに向かう時間が取れないうちに次々と他のことが入ってきてしまいます
でも今回山形遠足で見て来たことはどうしても伝えたいので頑張りましょう~
スコットランドで沢山見て来た紡毛糸の紡績(機械で糸を作る)
きれいな細い梳毛糸をどうやって機械で作るのかを見てみたいとずっと思っていました
スコットランドでは梳毛糸の工場はないから
ヨークシャーへ行きなさいと言われたのはずいぶん前です
(ヨークシャーはイングランドです)
そして、3年前のスピニングパーティーで
友人に頼んで出店された佐藤繊維の社長さんに紹介してもらい
今回の工場見学を目的に計画した山形遠足となりました
佐藤繊維は山形県寒河江市にあり、
自ら羊を飼い始め紡績業を起こした創業者から現社長正樹氏は4代目
多分唯一又は数少ない 紡績からニットの完成品まで一社で行う会社です
現社長のユニークでモノづくりへの情熱で世界に知られる製品を生み出しています
その情熱はぜひ会社のサイト「紡績部」をご覧ください
紡毛糸の紡績に比べて梳毛糸は面白くないわよ~
と言われたことがありましたが
機械で糸を作ることに興味がある私としては、とっても面白かった
ちょうど本社にいらした正樹氏の話もお聞きできて
糸に寄せるただならぬ情熱に、こちらまで熱くなりました

どうやって細いきれいな糸ができるのか
次回をお楽しみに
手編み用の毛糸で織るには
手編み用の毛糸は手編みにした時に良い風合いになるように
糸が作られています
毛糸に弾力性があり、ゴム編みが程々に縮んでフィットしたり
縄編みがこんもりきれいに見えたり・・・
編んだ後で形崩れしたり、ダレてしまわないように作られた毛糸です
そのふっくら柔らかい糸の風合いを織りで生かすのはとても難しいのです
手編み用の毛糸の糸弾力性とふくらみは
細い糸を撚り合わせたことによって得られ
引っ張ると細く硬くなります
細くなったまま、後で糸が膨らむ隙間も残さずに
細かく緯糸で止めてしまう(打ち込む)ことが多く
どうしても硬い風合いになってしまいます
紳士背広や学生服のサージなどウーステッドと言われる布は
細く長い羊毛を細い糸にして織るので
薄くて丈夫、光沢がある布になります
メリノはこのような布を生産するための羊種だと聞きました
タリフの糸でも、洗って糸が膨らむのでそのための隙間を残して
織ってくださいとお伝えしていますが,手編み用の糸でも同じです
引っ張らずに置いた時の太さを参考に
経糸の密度、打ち込みを決めてください
織りながら出来上がった時のように織ってしまうと固くなります
中細毛糸を経糸緯糸ともに5/cmの密度の綾織りすると
程々柔らかい風合いになります
市販されている手編み用の毛糸は均一なものが多いですね
モヘアやループヤーンのような細い変わり糸を添えて緯糸に使うと
織った布に表情がつきます
平織のように織りがシンプルなら糸に変化をつけ
組織織りのように織地が複雑なら、糸は均一なものが適しています
そんなことを考えて表情のある布を織ってください~
糸が入荷しました
先週、スコットランドから1年分の糸が入荷しました
3年程前までは、注文から糸の準備が出来るまで半年近くかかっていたのが
近年、工場の生産量が増えているのか、工場が在庫を持っている物が増えて
注文から1ヶ月程で、糸の準備が出来ました
でも準備が出来ても、日本の通関のために必要な記述が整わず、
合計金額も0.02の間違いが・・・
これを訂正してもらうのに1週間
両親の介護関連で、大変な時期にこれらが重なり
受け入れ準備もできない内に届いたため、
これらを一手に担っている担当者(息子)も大変でした
いつもの120~150%働きました~
ファッションの色合いが少しずつ変わっているようで
長年定番として輸入販売してきた色が廃番になった色があります
タリフの在庫が無くなってしまったため、数色の定番色の入れ替えを予定しています
スピニングパーティーから始まる次のシーズン向けて整えるので
今しばらくお待ちくださいね
介護の話はブログ村のバナーの下に・・・・・
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整理が終わりません~
昨日タリフの糸巻スタッフのAさんが手伝ってくれて
入荷した糸を全部計量する作業をしました
入荷した毛糸は4種類45色
入荷の時に全て計量してアルファベットの記号をつけて記録
大きな箱に何が入っているのか解るようにしますが
これが大変な作業です
今日の工房は所狭しと箱と糸が一杯でした
色の数が多いので、在庫をどう収納するかが難しい
一番多く注文が入る白は20㎏の入荷です~
今日は息子と2人でチェビオットを全部在庫を含めて確認して
沢山ある物は予備を下の箱に、その他は上の箱・・・
ラムウールの単糸は一つのコーンが大きいので片手で持ち上げるのはちょっと大変
やっぱり腕や手が少々痛くなりました
ご注文に答えられるように、工夫をしていますが
工場で生産を止めてしまう色もあるので、お取扱いの色が少しずつ変わります
細かいご希望にもお応えしたいと思っていますので
何かあればお問い合わせくださいネ
糸がが届きました
昨日、スコットランドから糸が届きました
25㎏近い大きな箱が15個360㎏くらいです
配送のドライバーさんに2階まで運んでもらうのですが、だいぶ、息子も手伝いました
これまでで一番たくさん、色によっては2年分
教室がお休みの週末に全部出して計量、整理して収納の大仕事をします~
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