暑くなってきましたが、手織工房タリフではいつでも暖かいウールの話です
9月の東京スピニングパーティーにスコットランドの糸を持って出店しますが
その前に発売のスピナッツに、サンプルつきの広告を出します
今、そのサンプル1500の用意を進めています
今日は手伝ってくれる方と娘の3人でホッチキス片手に頑張りました
こんな感じになるでしょう
しばらく前から娘が頑張ってくれていたので、今日で約半分が出来上がり
あと何日かかるでしょうね
スピニングパーティー出店用のチェックキットなどのことも考え始めました
新しい色を2・3色増やしたいと思っています
板とネジと、みんなの力
糸が送られてきた大きなダンボール箱を利用して糸の棚を作って約半年
糸の重みで下の箱がゆがみ倒れそうになってしまったので
思い切って、合板を使って糸の棚を作りました
といっても、私は寸法を決めて、ホームセンターで木を切ってもらうくらい
後は子供達の微調整のために切ったりドリルの腕にかかっています
この辺はいつの間にか、重ねてきた経験が物を言います
細かい所が良く見える息子、根気よくドリルで穴を開けたりネジ止めをする娘
お互い、出すぎると文句を言いたくなるのが解っていて、上手に引いたり押したり・・・
なんだかんだ言いながら結局みんな楽しみ、1日で、3つの棚を作ってしまいました
Before
After
いよいよ本物の糸屋になった気分
工房にこれを置く場所が無いのが残念ですね
終わりが12時近くになりましたが、使っていたダンボールの箱も全部つぶして
翌日の古紙回収に出せたし、良かったです
こんなに小さくなってしまいました
早速糸の注文が入りました うれしいですね
スピニング講習会の余韻
先日の講習会の後、参加された方々の感想が届きました
その中の一つを了解を得て紹介します
講習会とても有意義でした
ほとんどプロの皆さんの中に入れていただき
そのエネルギーを感じました
紡ぎそのものより
なんか生き方の講演会にを聴いたたような気がしました
羊と関わるという行為を通して
豊かに生きる事を学んだような気がしました
与えられた命を悔い無く全うできる人でありたいですね
良い出会いをしたこと嬉しく思います
亡くなった後もこんな形で人を導いている先輩に敬意を表します
これから紡ぎと向き合うたびに思い出すでしょう
大事な事を忘れないでいようとプライドを持ちましょうね
百瀬正香さんはもちろんの事、その思いを自分の言葉にして話してくれた講師は
心に届く何かを与えてくれましたね
それを『受け取りましたよ』と知らせてくれた方々
とってもうれしいです
何を持って帰れるかは参加者次第という講習会でしたが
夫々の歩みに何か変化があって、少しずつ前に進んでいらっしゃるでしょう
私はといえば、あれから紡ぎ車を回す時間が無く、
工房で合間にスピンドルを少し回した程度・・・・
やってみたいことが山盛り状態です
明治神宮の菖蒲
今日は夕方から、明治神宮での渋谷区主催の『花菖蒲を観る交流会』へリッタと出かけました
近い内に見に行く予定をしていたのですが、それを聞いた父が
長年渋谷区で働いた功労で渋谷区の名誉区民になり、送られてきた招待状をくれたので
予定を早めて、行ってきました
受付を通ってぞろぞろと菖蒲園の中に入り、道順どおりに進み
途中、野点のお茶を頂き、写真を撮って、1時間くらい散策
外へ出て、交歓会の会場の文化館へ、まだちょっとだけ早かったので
そこで明治・大正の宮廷衣装展をゆっくり見ていたら
ご馳走は全て無くなっていました。そうですよね!
展示を見に来る人もまばらで、ゆっくり静かに見られてその方が良かったです
東京に住んでいるのに、花菖蒲を見に行ったのは、
29年前に我が家に滞在していたデンマークの体操の先生を連れて行って以来
久しぶりに日本らしい雰囲気を味わいました
30年かかって見つけた答え
先日のスピニング講習会で、私は紡ぎ車の実技講習の人数には食い込めず
夜講師に個人レッスンをしてもらいました
長い時間ではありませんでしたが、そこで30年ほど持ち続けてきた疑問の答をやっと見つけました。
初めて手紡ぎを習ったのはどこの誰だったのかはっきりしませんが
右手でこまめに繊維を引っ張り出してよりをかけていくのが梳毛糸
ローラグにしてよりをかけながら手を引いていくのが紡毛糸と、思い込んでいました
紡毛糸を紡いでいるはずなのに、繊維が長ければ、出来上がった糸はどう見ても梳毛糸みたいに見えます。
『毛足の長い毛は梳毛糸になりたがる』と繊維の長さのせいにしていました。
ことから、自分が紡いだ糸はいったい何なのか、これまで随分多くの人に質問をぶつけてみても、納得がいく答えが見つかりませんでした
こんな事が気になりながら色々な人にあったり、話をしたりしている内に
何となくオーストラリアやニュージーランド、英国、そして日本で
梳毛糸、紡毛糸の言葉の意味が少しずつ違うかもしれないと思うようになっていました
今回の講師が3年ほど前に上京されて訪ねてくれた時に紡ぎの話になり
それまでと違うテクニックのことを話してくれて、それが答えかも・・・と思いつつ
まだ時ではなかったのですね、理解できていませんでした
今度の講習会は工房で話を聞き、夜になって、待ってましたとばかり自分で
撚りを溜めておいて一気に右に引く紡毛糸のつむぎ方をやってみました
何度か目かに出来て・・・ そして話している内にわかったこと
それは30年も紡毛糸を紡いでいると思い込んでいたのは
実は梳毛糸紡ぎだったということ
紡毛糸に紡げたと思っていたのはへたくそな梳毛糸だったから!!!
それでこれまでの私の疑問はこの答えが全てがピッタリはまります!
『どうやっても梳毛糸になりたいのね』と思っていたコリデールを
紡毛糸紡ぎにしてみたら、全く違う糸になったのです
講習会を終えて、改めて手紡ぎ関係の書物を拾い読みしてみたら
私が手紡ぎに関して如何に知らないかを実感しました
私は自分の疑問の答えが欲しくて講習会を企画して、答えを見つけたけれど
参加してくださった方々は、私の思いもよらないレベルで紡いでいるような気がします
それでも、『ホームスパンはスコットランドやアイルランドの農家で作られていた』という記事に
夫々でいいのかな?と思います
まだまだ奥が深い話が沢山有ります
スピニング講習会2日目
2日間の充実した時間に、すぐ反応できずに1日過ぎました
講習会2日目も、参加者10人、夫々の思いを持って集まりました
講師が紡ぐ手元を見つめる参加者達
2日目は経験を積んだ方が多く、また教える立場の人たちもあり、
狭い所なので、一人の発言に、みんなで話をしたり
あっちでこのこと、こっちでこのことと、夫々の話がとても楽しそうでした
これまでの活動はもちろんの事、生活環境、年齢など本当に様々な人たちが
百瀬正香さんの事をもっと知りたいという共通の思いで集まったというこの会
講師の話も、技術的なことは少なく、百瀬さんがどう生き、どう命の最後を過ごされたかの
一端を少し感じられるようなものでした
両日とも、お昼ご飯を食べて午後を始める前に
隣の音楽教室を借りて、20分ほどリッタの音楽を楽しみました
いつものワンコインコンサートを短くした感じで
紡ぎに夢中になって硬くなっていた心が、みんなで歌う事で、ほぐれたようです
後で、講師から、午後の少し重たい話にもみんなの気持ちがまとまって
とても話しやすかったという嬉しい感想をもらいました
午後の初めは、百瀬さんが晩年手がけたネパールでのボランティア活動について
そして、病を得ながらも、『羊の博物誌』の出版に情熱を持って取り組まれた様子など
晩年唯一紡ぎを教えてもらった講師が語られた事は、
生前関わりがあった方たちに伝えたかった、羊に対する熱い思いであったような気がします
技術は確かに必要だけれど、高い技術だけでは良くない
その上にその人の心が無いと、良いものにはならないと、
何度も百瀬さんの言葉として伝えてもらいました
茶目っ気が有って、話が面白かった百瀬さんに、やっぱり会って話がしてみたかった
(1度だけ展示会に行ってお会いしたのですが、予備知識が何も無く、お話できませんでした)
今度の講習会での私の大収穫についてはまた明日
スピニング講習会1日目
今日は、狭い工房が1日中、熱気がムンムンでした
「羊の博物誌」を書かれた故百瀬正香さんの話が沢山聞けました
技術的な話より、どう羊と関わり55歳で亡くなられるまでの、
生き方に少しだけですが触れる事ができたような講習会でした
紡ぎの技術はもちろんですが、その先は生き方が糸に出てくるという話は
夫々に羊と向き合いたいと思っている参加者に、広い視野を下さったような気がします
今日の参加者は、10人、明日も10人 様子は明日以降おしらせしましょう
お化粧直し
今年に入ってからずっとしたいと思っていたことをしました
それは、工房を始める時に、シルバーのリサイクルセンターから購入した椅子に
手織りの布をかぶせたいということです
マフラーには硬い毛質に暗い色、何かに使えないかと思っていた糸を眺めていて思いつきました
家の椅子もやり直したいし、工房の椅子も色々な柄があったら楽しいかも・・・
昨日、スピニング講習会のために織機を出して広くなった工房でこの作業をしました
お化粧直しをし手、椅子たちがなんだか生き返りました
1枚目の写真、白い物が、布を書ける前です
皆さん、この椅子たちに座りに来てください!
椅子の座面張替えました
ずーーと前から暖め続けていた事をやっと実行に移しました
ここへ越してきた時に、過去の怖い体験を思い出させる傷ついた椅子見るのが嫌で、安い椅子を購入
硬い上に人工皮革で冬は冷たく、夏は蒸れる
張りなおしたいとずっと思っていました
使ったのは、ツイードタイプの糸で手織りされたサンプルの布
7年前、英国の友人が亡くなったときに、形見分けにもらってきた彼女の手織りの布
横糸が飛んでいたり、縦糸が切れていたり、きっと直すの大変で置いてあったのでしょう
それをもらって、糸を適当に切って始末して、他の服地と一緒に仕上げに出してありました
4客の椅子のうち今日は2客仕上げました 後1客分の布が残っています
止めてあるホッチキスをドライバーを使ってはずし、
ホームセンターで買って来たウレタンのクッション材を回りに2cm程足して切り
まず綿の布でくるみました
その上からウールの布をカバーのように止めて、枠に取り付けて出来上がり
手伝ってもらって4本の手でしたら、とても作業がやり易く、
慣れてきて約1時間で1客できるようになりました
シルバーセンターのリサイクルで買って来た工房の椅子も
この間織った布を上にかぶせたいと思っています
珍しく4日間工房を開けませんでした
週末に予約が入っていなかったのですが、久しぶりに家で過ごす時間が長く
気になっていたことが少し出来ました
明日からは今2台の織機にかかっている縦糸を、織り上げて
週末に移動できるようにしましょう
国立ロシア美術館展
久しぶりの絵画鑑賞でした
今回は、時代の流れと、夫々の作品に簡潔な短いコメントがあり、どこをどう見て良いかわからない私には、その絵を理解する手助けになりました
一番の収穫は、本物の迫力を直に感じる体験をしたことでしょうか。
18世紀から時代を追って変っていく様子も何となくわかったし、
作者のこだわりが何となく・・・
特に庶民の生活を描いたものに惹かれましたが
その人々の生き様を長い時間を経て、私達の精神の元にあるものを引き継いでいるような気がしました
今の私達、自分や親だけで築き上げたものではないんですね
良くも、悪くも長い世代で、知らず知らず受け継いでいる
そんな事を、考えさせられる時でした
私がウールの織りにのめり込んでいる、それが楽しいと思えることも、御先祖のどこかで遺伝子に組み込まれていたのかもしれないと思うと、なんだか不思議!
それを今出来ているしあわせを感謝です
全ての事には時がある、
随分前に受け入れない選択をしたあることが、
時を経て再度実現に至る不思議を感じます
心頑なな時も、また必要があっての事だったと思えることがいっぱい有ります。
でも最後は、神様が決められたとおりにしかならない
自分と向き合う必要が特に多かったこの2ヶ月、
結論は、やっぱり、ここですかね
来週のスピニング講習会に向けて、準備を進めましょう
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