2013年 7月 の投稿一覧

人参染め

先日山の家に行った折、思いがけなく沢山の葉付き人参を頂きました
人参は地元の特産なのですが、葉はめったにお目にかかりません
『堅牢度は悪いけれど、きれいな色よ~』とbaru先生に教えて頂き
しまいこんであった染タンク等を引っ張り出して染めてみました

人参は割に小さかったのですが、葉っぱがとても立派です 全部で約2kg

タンクに葉がつかるくらいの水と入れて煮出すこと4回
染液の中に一晩おいた後の色

baru先生から淡い緑なんて聞いてしまったので、媒染は緑染に使う酢酸銅
緑にはならなかったけどしっかり染まりました  
左は少しだけ試したアルミ先媒染(実物はもう少し濃く、優しい黄色)

糸はひま研さんのサホークをグリージーで梳毛糸紡ぎにしたもの
1着分あるので、染めたら編めるなぁ~と思っていたものですこんな写真撮ってみたかった~

ずっと紡毛糸を紡ぐことだけを考えていた私ですが、だんだん毛と糸の関係がわかってきました

色が好きで買ったコリデールは紡毛糸紡ぎ(毛が長いので実際はセミ梳毛)にして織ったマフラーが凄くフェルト化してしまいました
baru先生に梳毛糸にすると良いというアドバイスを頂き、最近ぼちぼち梳毛糸に紡いでいます~

羊の毛を触っていると、少しずつ力をもらえるようです

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ハリスツイード 3

糸が出来たら、次は織りです
工場で経糸をドラム整経 デザインに従って、ボビンが並んでいます
この写真は無地ですが、
チェックの場合デザインに従って、1つの色の本数分のボビンが並びます


全ての糸の張り具合を一定にするためのテンションボックス
綾もとります

ドラムに巻き取られた経糸をバックビームに巻き取り
この状態で緯糸と共に織り手さんの元へ届けられます



織りあがって戻ってきた布を洗う洗濯機
糸についた油を落し毛を絡ませて布にする工程です

あいにく布が入っていませんが、バーの間に布を通し、布がグルグル回ります


布を真っ直ぐにしてプレスをかけ、布が出来上がります

ハリスツイード・オーソリティーの検査に合格するとこのマークがアイロンで付けられます

そして世界中に発送されます

日本にも沢山輸出されているというので、
きっと冬に向けて多くのメーカーが仕立てを急いでいることでしょう今年9月6日7日の2日間3年ぶりに東京スピニングパーティーが晴海で開催されます
もちろん手織工房タリフの出店します
しばらくお会いできなかった方々との再会が楽しみです~

毎回何か新しい提案をもっていきますが、
今回は新しいチェックマフラーキットを準備しています
試作やテキストの見直しを何度も重ねて出来上がりましたので、詳細は次回 

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ハリスツイード 2

ハリスツイードは英国産の羊毛だけが使われています
洗ってきれいにされた羊毛が本島から届きます


毛を染めて、ハリスツイードの微妙な色を出すために、複数の色をブレンドして毛をほぐします


その毛がフワフワと舞いながらこの右手の部屋にたまります
次のカーディングの機械まで送るのは、部屋の前に空いた穴から吸い取られ、パイプで次の部屋へ

左側が、カーディングの機械 右側が毛が運ばれている次の部屋

同じ量の毛がカーディングの機械に投入されていきます

針が沢山ついたローラーがグルグル回り、毛がきれいな綿状になっていきます

最後に薄い膜になった羊毛がリボン状に分けられて、切れないようにこすりあわされて
最後に撚りがかかっていない状態でロールに巻かれます
この工場は同時に4つのロール、以前紹介したノッカンドーでは2つでした

リング紡績機で撚りをかけて糸が出来上がります

この工場で作られる糸は全てハリスツイードを織るための糸なので
大きなコーンに巻き替えられることも、撚り止めをすることもなく
リング紡績機の大きなボビンのまま保管されていました


以前お見せした写真と、工程は全く同じですから、何度もみて下さった方は、
なんとなく紡毛糸がどのように工場生産されているのかがお分かり頂けたと思います

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ハリスツイード 


大昔から身近にいる羊の毛を紡いで織った布は
スコットランドの厳しい気候に耐える丈夫なツイードでした
 
地方によってツイードの発達は多少の違いはありますが
大西洋に面して特に気候が厳しく生きることがとても大変だった、アウター・ヘブリディーズ諸島

過去にはノルウェーバイキングが攻めてきて、やがて住み着いたバイキングと独自な文化が発達したハイランドの強いスコットランド魂が受け継がれたところです

ハリスツイードは、英国羊毛だけを使い、この地域で手織りにされた布という定義があります
ハリスツイード、オーソリティーがその元締めとして、品質管理等を担っています
その下に紡績と布の仕上げをする工場が3つあり、その先に自宅で織る人たちがいます
工場ではサンプル以外織ることを認められていないそうです

過去に2回のハリスツイード存続の危機を乗り越え、再建されて数年
日本のハリスツイードブームが追い風となって、現在とても活気があります

3つの工場の中でも一番大きなHarris Tweed Hebridesを見せて頂きました

全ハリスツイードの約80%をこの工場が生産、
その中の85%ほどが日本に輸出されているそうです

工場のデザイナーが糸の色等のデザインを作り、それにしたがって、経糸をバックビームに巻き取るところまでを工場でしてから緯糸分の糸と一緒に織手さんの所へ届けられます
織手さんたちは、工場から届く布を織って工場に戻され、仕上げられます

別に工場から糸を買って自分のオリジナルツイードを織って、工場の分と同じように工場で仕上げをしてもらって、条件を満たしていれば、ハリスツイードと認められ販売することが出来ます

今は、幅150cmのダブル幅を織る人が多いそうですが、中には昔ながらのシングル幅で織っている人もいます。どちらも、電気は使わない、人力で動く織機です
それが手織りとしての条件になっています

シングル幅のハタスリーは足踏み式で、シャトルを使います
この写真はBlackhouse Villageの博物館で実演していたものです




ダブル幅の織機は自転車をこぐようにペダルを回し、シャトルは使わず、コーンなどから直接引いて織る機です
手前に見えているのがペダルです

2007年に再建されて再稼働を始めたこの工場
それまでになかった、赤やピンク等鮮やかな色やタータンタイプのチェックの生産を始め、日本のお店でも多く見かけるようになりました。
これまで10回以上スコットランドを訪れていながら
初めて、ルイス島とハリス島へ渡ってハリスツイードを見てきました
自分の目で見て、関わる人たちの思いに触れて、とても、親しみを感じて帰ってきたのですが、それをどういう言葉に出来るのか・・・見えてきませんでした

それは、ハリスツイードは手織りHand wovenと言っているけれど
日本の手織りの感覚からいうと、それが手織りと言えるのか?
使う織機は歯車が沢山ついたハタスリー
電気は使わず、足踏みで織機を動かす人力ではあるけれど・・・

ウールの服地はホームスパンという、半ば固定観念の様になっている日本の手織り
私はこんなに楽しいと思うのに、見向きもされないという長い時間が過ぎました
それは工場で紡績された工業用の糸を使って織ると、工場生産と同じもの、それを手で織っても・・・という感じなのでしょうか?

スコットランドでは5000年も前から糸を紡ぐ人達と、その糸を買って織る人達は分業だったと聞きました

5歳から糸紡ぎを習わされたとか、長い間かなりのマンパワーが糸紡ぎに従事
織る人はブローカーから糸を買って織る
     
       ↓

18世紀後半の産業革命で糸の紡績が可能になり、紡ぎをしていた人は失業
織る人は紡績工場から糸を買って織る

       ↓

織工場が増えて自宅で織っていた人が少なくなり、
でも、私が初めてスコットランドに行った1981年にはまだ、デイビットの様に自宅で織っている人がいました。 今のハリスツイードの織手さん達の様に・・・

私は、これがスコットランドの手織りだと思います


ハリスツイードについてにもっと詳しくお知りになりたい方は、この本がお勧めです

また興味がある方は Hattersley loom で画像検索をかけてみてください
ハリスツイードを織っている人たちが沢山出てきます

次回は工場内の写真をご紹介します

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作品展に行ってきました

当工房のMさんを中心に5人で作品展を開催され、初日に伺ってきました


『手遊展』 7月16日~21日
  12:00-19:30 最終日18:00
Gallery たまごの工房
杉並区高円寺南3-60-6
 高円寺駅から徒歩約5分 

☆土を焼く人
☆きらきらをデザインする人
☆布を縫う人(2人)
☆糸を織る人



一つ一つの作品に作る人の楽しさがありました
織り作品も、工房の織りにとどまらず、自分で本を参考に挑戦して
とても良い作品ばかりでした
師を越してくれる生徒さん達は嬉しいです~

近くへお越しの方は是非お立ち寄りください
しばらく前、手織りの先生に、『あなたはぶれなくていいわね』と言われ
それが、なぜかずっと残っていました
それって、うらやましいってこと?

確かに、あまり人がしていないスコットランドのチェックとツイードを織り続けてきた

でも、ぶれないのは『楽しんでいる』こと
自分が楽しいと感じるから、チェックを織り、ツイードを織っている

手織り講習でも、『楽しい』と感じてもらう事を大事にしている
手織りの基本を押さえつつ、夫々の方が『楽しい』と感じられるように考える

数字が苦手な方はなるべくシンプルに
組織がわからなくても、言われた通りにきれいに織れて楽しむ方もあるし
複雑な組織を『楽しい~』と感じる方もいる

楽しむために織ることが合わないという人もいるかもしれない
それはそれでいい

そう考えながら、自分のしたいと思っていることを再確認!

皆さんも『楽しい』を感じて下さい~

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スライドショーを楽しんで頂きました

先月のスコットランド旅行のスライドショーをしました
工房のすぐ近くにある、市の施設の1室を借りて、
そこにちょうど良い人数の友人や工房の関係者が集まって下さいました

ハリスツイードについての写真をまとめながら、気が付いたことや、なんとなくはっきりしてこなかったことが見えてきました
そして、皆さんに話しながら、何を伝えたかったのか解ってきました

少しずつ書いていきましょう~

暑い中、集まって下さった方々、ありがとうございました~

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ハンカチーフの木


ロンドンの南、サリー州にあるGarden Wisleyで出会った木

見た途端に、学生時代に耳にした『ハンカチーフの木』という名前が浮かびました
人の記憶というのは不思議なものです
ずーと前に小さな記憶のかけらとして心の引き出しの隅っこに入ったものが
一瞬にしてはっきりと出てくるのですから

ステキな名前です工房でもリネンや綿糸でハンカチを織るのが流行っています~

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ルイス島の山と羊

短い滞在でしたが、紹介してくださる方があり
ハリスツイード・ヘブリディーズの工場を見せて頂きました

現在ここで生産されている布の80%以上が日本に輸出されているそうです

ハリスツイードについてまとめたいのですが、どうもこの暑さか、少々体力不足
スライドショーに向けてまとめているので、これはもう少し時間を下さい

ルイス島の南部はノース・ハリスで、山が多くあります

岩の山には草も生えていません
木も何もないということは、それほどの土が無いということでしょう


車で走っているとすぐそばに羊がいます
道を渡り始めたので私たちの車は止まって渡りきるのを待ちました


堂々としたスコッティシュ・ブラックフェイス


チェビオットでしょうか? 似た種類で違う名前の羊もいるようで、正確には解りません


ヘブリディアンは他の羊に比べて小さいですね


なぜかこんなに毛が抜けています
換毛するのは原種に違い羊なので、この羊もその血筋なのでしょうか?


このブログの看板羊が笑う羊に変わったこと気づかれましたか~?

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ルイス島へ渡る

いよいよルイス島へ

初めてのフェリーでした

遠ざかっていくアラプール

とても良い天気でハイランドの山々がきれいに見えました

風もなく、とても穏やかな海 とても快適な船の旅でした

そしてストノーウェイに着きました
全く初めての場所、道の様子もわからなかったので、少々心細く
でも町中心街近くの駐車場に車を止めて、思わず出た拍手のことは以前書きましたね~

そしてハリスツイード・オーソリティーを捜し歩いて小さな街を3周したり
駐車場の時間を気にしたり、ツイードのお店を確かめたり・・・
余裕なく歩き回り、街の写真はこれだけ

スコットランドの特別な食材 ハギス が下がっています
これはお肉屋さんによって味がちがうそうです

この後、予約した宿が見つからず、同じところを車で行ったり来たり
最後には電話で問い合わせ、3度目にやっと見つけました~
目の前に海が見える素敵なところだったのに、これも写真無し・・・

皆さんに報告できるように写真を撮るのは結構大変ですね

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ハイランドの風景1

インバネスから、北西にある小さな街アラプールまでは
木も生えていないような荒涼とした景色が続きます

何もない広いところに道路だけが真っ直ぐ伸びて、時々こんな風景に出合います
路線バスが通っているんですね
ベストショットはその日に紹介しました~


宿についてから、まだ明るかったので、お散歩に行きました

家があるところは少し土があり、木も生えています
イングランドでは咲き終わっていたブルーベルがきれいに咲いていました

実物はも少し紫色でしたが、どうもこのカメラは青くしか取れませんこの宿の朝ごはんは豪華でした~ 
前の晩に沢山のリストの中から自分の朝ごはんのリクエストをします

お魚を食べていたお隣の方に写真を撮らせてもらいました
Kipperというニシンの燻製です



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